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AIOライト  作者: 栗木下
10章:創門街・タイバン

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563:108-2-S2

「敵か」

「「フシュルルル……」」

「「キキィ……」」

 『?草原の洞窟』を探索する俺の前に四体のモンスター……額から二本の角を生やした鬼の姿を持つ『?オーガ』Lv.30、Lv.32とニホンザルに近い外見の『?エイプ』Lv.30とLv.31が現れる。

 どうやらこちらが単独行動であっても、敵は普通に集団で来るらしい。

 うん、四体は少し問題だな、早めに一体は減らしておきたい。


「ネクター……ルは居なかったな」

「「「ーーー……」」」

 俺は武器を構える。

 で、こうして敵に遭遇すると、シアとネクタールが居ない影響が良く分かるな。

 背後の警戒も、支援の魔法も、ヘイトコントロールによって強制的に向こうから仕掛けさせることも出来ないのだから。


「キキィ!」

「おっと」

 『?エイプ』の片方が俺に向かって手に持った石のような物を勢いよく投げてくる。

 なので俺はそれを回避する。


「「ゴガアアァァ!」」

「キィギィ!!」

 俺の回避に合せるように他の三体が突っ込んでくる。

 さて、普段ならばここはネクタールと共に敵の攻撃を捌く事に専念する場面だが、今はネクタールは居ないし、捌くのに専念してもじり貧になるだけである。


「『エファス・フォティア』」

「ゴガッ!?」

「「「!?」」」

 だから攻撃をする。

 『エファス・フォティア』を発動し、炎を纏った斧を振るう事で『?オーガ』の胸を切り裂きつつ、炎を周囲にバラ撒き、一瞬敵が怯んでいる間に後方に居た『?エイプ』に駆け寄る。


「ふんっ!」

「キキィ!?」

 接近した所で短剣で『?エイプ』に攻撃。

 ただダメージを与えるだけでなく、状態異常:ポイズンと状態異常:ルストを入れる。


「『エクナック・アネモス』」

「「!?」」

 そこから更に短剣を振るった勢いで後方を向き、今までダメージを受けていなかった二体のモンスターに『エクナック・アネモス』と『ドーステの魔眼』を発動。

 吹き飛ばし、怯ませ、身動きを取れなくする。


「せいっ!」

「ギキャッ!?」

 で、最後に一回転分の回転を乗せた斧で『?エイプ』を攻撃。

 一連の攻撃で『?エイプ』のHPバーを半分近く削る。


「ゴガアッ!」

「ぐっ」

 さて、何時もならばここで一気に追撃を加えて『?エイプ』を仕留めるところなのだが、流石にそう上手くはいかないらしい。

 最初に攻撃した『?オーガ』が俺の事を殴り飛ばし、吹き飛ばしてくる。


「……」

 草の絨毯の上で何度か転がったところで俺は体を起こし、自分の状態を確認、これまでの行動の結果としてHPバーが30%ほど減っている事を確認する。

 そして同時にこのダンジョンの特性について思考。

 特性:ワクチンの反応が無かったので状態異常の特性はなし。

 動きなどに変化もないので、そちら方面の特性も考えなくていいだろう。

 受けたダメージと与えたダメージに通常個体から特に変化が見られなかった事からして、そちらに関係する特性も違うだろう。

 うん、たぶんだけど、この場で判別出来ない特効系の何かか、特殊な条件下で発動する特性だろうな。

 面倒な事だ。


「ゴガアァッ!ゴガッ!?」

「よっ……『ティラノス・ミデン』」

 いずれにしても発動しづらい、発動しない特性を気にしてもしょうがない。

 と言うわけで、俺は『?オーガ』の攻撃を短剣で弾くと、『ティラノス・ミデン』を発動した上で『?オーガ』の顔面に斧を叩き込み、『エファス・フォティア』の炎と合わせて一気に残りHPを10%程度にまで減らす。


「『エクナック・アネモス』」

「「「!?」」」

 続けて『エクナック・アネモス』によって『?オーガ』を始末すると同時に、爆風によって後方に居た他モンスターたちを怯ませる。


「すぅ……はぁ……」

 俺は『ティラノス・ミデン』を解除。

 残りのモンスターたちが復帰するまでの間、グリスィナ・スィンバシによって消費したHPの回復に努めるようにする。

 シアの支援が無い関係で普段よりもHPとMPの自然回復スピードはかなり落ちているが……それでも、数秒あれば、『エクナック・アネモス』分の消費ぐらいは取り戻せるな。


「さて、後は地道に行くとしようか」

「「キキィ!」」

「ゴガアァッ!」

 さて、これで残りは三体、多少は楽になる事だろう。

 俺がそう考えていると、『エクナック・アネモス』の影響から復帰した『?オーガ』と『?エイプ』たちが襲い掛かってくる。

 だから俺は冷静に、ロラ助の立ち回りを頭の片隅で思い出しつつ立ち回る。


「よっ、ほい、おっと」

「「「ーーーーー!」」」

 つまりは敵の攻撃を防ぎ、受け流し、いなし、避け、隙を晒したところで攻撃だ。

 勿論、俺とロラ助は違うので、敵の攻撃に対する対処は防ぐが多くなるし、攻撃の合間と合間に『ドーステの魔眼』や『エクナック・アネモス』を入れる事で隙も大きく出来る。

 だが、それでも基本は変わらない。

 『?オーガ』の丸太のような腕から繰り出される豪拳を防ぎ、『?エイプ』の爪と噛み付きによる攻撃を短剣で抑え、武器と防具の能力で状態異常:ポイズンをバラ撒いてHPを削り取っていく。

 魔法も状態異常も使わない力押しの相手ならば、これが正解だ。


「そろそろいいか。『ティラノス・ミデン』」

「「「!?」」」

 そうして十分にモンスターたちのHPが削れたところで俺は『ティラノス・ミデン』を発動。

 残り僅かとなった敵のHPを一気に削り取って勝利したのだった。

 なお、剥ぎ取りは……『?オーガ』の角と骨、『?エイプ』の毛皮が二枚だった。

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