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AIOライト  作者: 栗木下
7章:マイホーム

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400/621

400:72-10

本日は二話更新になります。

こちらは二話目です。

【AIOライト 72日目 18:15 (5/6・雨) 鉱山街・ケイカ-ヘスペリデス】


「ふむ、ラードーンはしっかりと働いているみたいだな」

「そう……なんですか?」

「そうだとも。そこを見てみろ」

「あ、ミニラドンが居ますね」

 ヘスペリデスに戻ってきた俺たちは、まず夕食を摂るべく食堂へと向かう。

 で、その道中だが俺は何体かのミニラドンが小麦の穂らしきものを運んでいる姿や、ケイカ北坑道探索中に採取しては東屋横に放置していた銀鉱石を倉庫にしている部屋に運びこんでいく姿を見つける。

 どうやらラードーンはしっかりと働いているらしい。


「とりあえず夕食にしてしまおう。シア、頼めるか」

「はい、マスター。ラードーンは……」

「食堂にいるっぽいからだいじょう……」

「zzz……」

 と、思っていたのだが、どうやら働いているのはミニラドンであって、ラードーンでは無かったらしい。

 食堂では机に突っ伏して寝息を立てているラードーンの姿があった。


「……。マスター、どうしましょうか?」

「ミニラドンが働いているから役目は果たしてる。問題はない。」

 まあ、業務上は問題ない。

 それにミニラドンを生成し、制御しているのはラードーンだからな。

 肉体的には完全に眠ってはいるが、精神面では最低限は起きていると考えていいだろう。


「とりあえず夕食にしよう。話はそれからだ」

「まあ、そうですね」

 そうしてシアはヘスペリデスで採れた小麦粉と適当なアイテムを組み合わせる事でパイを作成。

 ラードーンも目を覚まし、全員で夕食を摂った。

 なお、ラードーン曰く、ミニラドンと自分は満腹度を共有しているので、自分が食べればミニラドンたちもお腹がいっぱいになるとの事。

 尤も、甘いものは別腹ではないが、味については各個体ごとに味わっているため、時々でいいからミニラドンたちにもお菓子辺りを配って欲しいだそうだ。


「もぐもぐ、まあ、砂糖と言うか、甘いものがヘスペリデスの中で採取できるのであれば、その辺りは考えてもいいな」

「本当ですかー!」

「「「ホントーデシュカー!!」」」

「ひゃあっ!?」

「ーーー!?」

「おい、ラードーン……」

「す、すみません……」

 気が付けばミニラドンたちが食堂に勢ぞろいしており、一斉に喜びの声を上げるその姿にシアとネクタールが驚く。

 なので、俺は軽くラードーンを睨み付け、ミニラドン含めて静かにさせようとする。


「「「甘イモノ、甘イモノ!」」」

「……」

「そのー、すみませんー、ご主人様ー。この私たちはー小さい分だけーちょっと頭がー」

「あー、それ以上は言わなくていい」

 が、流石は呑気と言うべきか特性:レイシュアと言うべきか、それとも本人が言うように小さい分だけ楽しい事好きな事に夢中になり易いのか、ミニラドンたちは俺の睨み付けを特に意に介した様子も見せずに、その場で踊り騒いでいる。

 まあ、見た目としては身長40センチちょっとのぬいぐるみが踊っているような感じだし、シアも慣れたのか微笑ましそうにしているからこれ以上は止めておくか。

 睨み付けの威力を上げ過ぎてもアレだしな。


「マスター、それでこの後は?」

「んー、俺はとりあえず魔銀鉱石作りからリジェネミスリルクリスの量産。それが終わったら家具とか採取や農作業用の道具を作る感じだな。だからシアたちは自由にしていていいぞ」

「分かりました。では、そうしておきますね」

「ーーーーー」

「受け賜りましたー」

 こうして夕食は終わった。

 そして俺はシアたちに言った通りに、普通の銀鉱石を普通の魔銀鉱石に変換。

 前の携帯錬金炉で、それを回復力溢れる魔銀の鋳塊に錬金。

 それからミデンで回復力溢れる魔銀の鋳塊二つからリジェネミスリルクリスを量産し続けた。

 出来上がったリジェネミスリルクリスの本数は400本ちょっと。

 これならば早々投げ切る事はない……と言うか投げ切るような事態が来るならば、その時は投げ切るよりも早く、全滅しているだろう。


「家具と機具については……」

 で、グランギニョルたちとの取引で手に入れた木材で家具を、残しておいたインゴットでミニラドンたちが使うためのハサミや鍬といった道具類を作っていく。

 また、それと並行して、倉庫ボックスの中から不用なアイテムを選び出し、整備用途に限ってミニラドンたちが自由に使えるようにしておく。

 これで昔手に入れて倉庫ボックスの肥やしになっていたアブンワームの糞も有効活用してくれる事だろう。

 それと何処かで手に入れていた種や木の実の類もあるし、うん、収穫が何時になるのかは分からないが、その時が楽しみにはなるな。


「さて、寝るか」

 そうして、とりあえず作るべき物は作った俺は、明日に備えて眠り始めるのだった。



■■■■■



【AIOライト 72日目 23:38 (5/6・雨) ???】


「あー、あー、チェクチェク。マイクチェック。よし、問題なし」


「『AIOライト』開始から丸72日になります。では、現在の状況について口頭にて記録を行います」


「まず外部からの干渉がありました。はい、いつも通りのプレーヤーにいつも通りの『偽(ニア)・賢者の石(エリクシール)』です。こちらの詳細については契約の方も含めて、記録:zo-72に記載してありますので、そちらを参照してください」


「現在攻略組はウハイ、サハイの発見に向けて準備を整えており、明日から遠征に挑むようです。二度目の挑戦になりますが、さてどうでしょうね?」


「新規組のトップはリュドミラ。現在携帯錬金炉の作成を行っています。驚異的なスピードであるように思えますが、先行プレーヤーからの情報に本人のスペックが合わされば、これくらいは当然とも言えるでしょう」


「MPKを含めた他プレイヤーに対する妨害行為を行っているプレイヤーも確認できています。こちらについては事前に策定した通りの基準で処分するか否かを決めていますが、まあだいたいのプレイヤーについてはただの鬱憤晴らしであるため、処分対象にしかなっていません。見逃すに値するだけの創意工夫を見せているのは極一部です」


「では、今回の記録を終わります」

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