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【AIOライト 66日目 07:11 (1/6・晴れ) 南の森林】
「どうだ?」
「んー、本当にリアルこの上ないな……」
「ジョン。採取の方はどうだ?」
「デルブザか。事前の情報通りだ。斧なら……」
翌日。
俺たちは自動生成ダンジョン探索の為の準備を整えると、南の森林にやって来ていた。
やって来たのだが……
「はははっ!てんで大したことが無いな!」
「阿呆、プレンボアLv.3程度で喜んでいるんじゃねえよ」
「上手く肉が剥げれば牡丹鍋だな」
「いいねぇ、最高だ教官殿。美味い飯は大歓迎だ」
うん、南の森林はレベル上げをする新規組とそのサポートをするプレイヤーたちが大量に居て、実に騒がしい状況になっていた。
木々が茂っているので遠くの様子は分からないが、それでも見えている範囲だけで30人くらいは居そうな気がする。
「随分と人が多いんですね」
「まあ、メンテナンス明け三日目。新規組はとにかくレベルを上げないといけない時期だろうからな。この賑わいについては納得ではある」
「レベルが高そうなプレイヤーについては?」
「たぶん、既存プレイヤーと現実の方で契約を結んでおいて、教官役を務めてもらっているんだと思う。一人レベルが高いプレイヤーがいれば、それだけで出来ることは大きく増えるからな」
なお、1人1アカウントの影響か、『AIOライト』ではパワーレベリングは難しいらしい。
何でも戦闘で何もしていない、あるいは殆ど何もしていないプレイヤーに対しては、例えPTを組んでいてもスズメの涙ほどの経験値も手に入らないようになっているとの事だった。
なので、教官役の仕事は知識の伝達と基本的な立ち回りの教授、それに厄介なモンスターが現れた時の処理といったところだろうか。
ちなみにパワーレベリングが厳しいという情報のソースについては、新規組を多少でいいからとパワーレベリングしようとした検証班による掲示板への書き込みである。
これならば信頼してもいいと思う。
「とりあえずもう少し奥に行くぞ。ここじゃゆっくりダンジョンを探す事も出来ないからな」
「分かりました。マスター」
いずれにしても、この場に留まる理由はない。
俺はそんな事を思いつつ、周囲のプレイヤーたちから向けられる視線を無視して、森の奥に向かって真っ直ぐに歩いていった。
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【AIOライト 66日目 08:05 (1/6・晴れ) 南の森林】
「それでマスター。拠点作成のための核探しをするのは分かりますけど、どういう自動生成ダンジョンを探すんですか?」
「そうだなぁ……」
歩く事およそ一時間。
流石に人影は少なくなり、代わりにモンスターたちの数が増えてくる。
が、レベルに差があり過ぎる為だろう。
モンスターたちは俺たちを認識すると同時に逃げ去っていく。
うん、実に楽でいいな。
「とりあえず繋がりが見えるダンジョンに挑む事は確定としてだ」
「まあ、マスターならそうですよね」
さて、今回の目的だが、改めて言うまでもなく、工房作成のために必要な真球のホムンクルスの核を入手する事である。
その為には、最低でも自動生成ダンジョンのボスをソロで攻略する必要がある。
「可能なら有益な特性かつレア度高めが望ましくはあるな」
「どちらも造り出す工房に影響が出るんでしたっけ」
「そうそう」
メンテナンス明け三日目と言う事で、メンテナンス前に結界石を入手したプレイヤーの中には、既に工房を作成、運用し、掲示板にその様子を上げているプレイヤーも居る。
で、掲示板から得られた情報からして、どうやら使用するホムンクルスの核の特性と、それを入手したダンジョンのレア度と言う物は、出来上がる工房の出来に直結するものであるらしい。
なので俺の希望としては、出来れば有益な特性かつレア度高めの自動生成ダンジョンと言う事になる。
尤も、特性やレア度以上に、重要なのはいつもの繋がりが見える事なのだが。
「まあ、正直なところとして、今日見つけるのは多少厳しいかもな」
「そうなんですか?」
「ああ、何となくだが今日はいい感じの自動生成ダンジョンはあっても、工房の為の自動生成ダンジョンは無い気がする」
そんな繋がりだが、今日は特に感じ取れるものはない。
南の森林に目的のダンジョンの気配はあるが、出現はしていないと言う感じである。
「じゃあ、有益な特性のダンジョンを見つけてレベル上げですかね」
「そうだな。今日はそれでいいかもしれない」
まあ、無いなら無いで仕方がない。
それなら今後の為に戦闘レベルを上げるだけの事である。
そんな事を考えつつ、適当な自動生成ダンジョンを見つけるべく視線を周囲に巡らせた時だった。
「だから言っているじゃろうが!妾は貴様等如き三下と組むつもりなどない!」
どちらかと言えば幼めな、けれど明確な怒気を含む声が聞こえてきたのは。
「ははっ、三下ねぇ。初心者装備のお嬢ちゃんには言われたくないなぁ」
「そうだぜぇ。特性:ビギナズの装備なんて初日の間に脱げるのが普通なんだからさぁ」
「いいから、一緒に行こうぜー、PTを組んだ方が絶対に気持ちいいからさぁ」
「だから妾は……」
俺もシアも声の出元へと視線を向ける。
するとそこには、多少整った装備を身に付けた下品な笑みの男が三人と、銀髪と褐色の肌に青い目で整った顔立ちの見るからに初心者装備な幼女が睨み合って……いや、幼女の方が一方的に睨み付けていた。
何と言うか……あからさまとしか言いようのない光景である。
「マスター」
「ーーー!」
「そうだな。そうするか」
俺としては放置していても何も問題はない。
その手の行為が出来ない事は判明しているし、GMコールを入れてしまえば対応もしてくれるはずだ。
が、シアもネクタールも放ってはおけなかったようだ。
「とりあえずGMコールは入れておいてっと」
そう言うわけで俺はGMコールを入れつつ、男たちと幼女に近づいていく。
「心配しなくても変な事はしないし出来ないって」
「そうだよ。だって此処はゲームの中で現実じゃないんだからさ」
「そうそう。だからさぁ……」
「何度言われても……」
「ちょっといいか?」
「「「ああん?」」」
で、男たちがこちらを向いた瞬間に。
「ちょっと静かにしてもらえるか?」
全身から魔力を幾らか放ってみた。
04/28誤字訂正




