96 内視鏡手術
セイはアルフが居る部屋に行きノックをして「入ります」
「アルフさんの容態はどうですか?」
「落ち着いています。それで、話し合ったのですが父の意思は固く
成功率が低くても賭けて見る事になりました。
セイ様どうか父をよろしくお願いします。」
「解りました。その前に試したい事が有ります、成功すれば確率は
跳ね上がります。失敗しても何も起きないだけで現状は変わりません。
試して良いですか?」
「それでしたら是非、お願いします。」
セイは器を取り出し「これを持っていて下さい。」「はい?」
「私が持ちましょう」
「ハルカ、今から腫瘍の摘出をする腫瘍を摘出したら直ぐに回復魔法を掛けろ
但し、全体には絶対掛けるな局部一点集中、つまりイメージは腫瘍を摘出した
その傷だけ塞ぐイメージだ、簡単な事だよ例えば指先怪我したら指先に集中して
指先治れって感じだそう難しく考え無くて良い『麻痺』『睡眠』『透視』
『共有』見えるかハルカ、先ずはこれを摘出するイメージはガン細胞だけの摘出
『座標固定』『収拾』腫瘍が消えた!今だ、ハルカ!腫瘍が剥がれた部分だけ
回復魔法を掛けろ「はい!」よし上手いぞハルカ成功だ」
何も入って無かった器の中に5センチ位のどす黒い紫色の肉塊が突如、現れ
ロルフは驚いた。
「これがアルフさんを蝕んでいる元凶です。これがまだアルフさんの身体の中に
有ります。出血はそれほど無かったので今日は判っている箇所を摘出します。
良いですか?「はい?」では、ハルカ、行けるか?」
「大丈夫です、魔力消費ほとんどありませんから」「では、始める」
セイは大きな腫瘍から順に除去していった
「見れる範囲は全て除去した。ハルカ、鑑定を頼む」
「『鑑定』あっ!まだ癌とでていますが部位が出ました「何処だ」膵臓です」
「解ったサイレントキラーかアルフさんを横臥させるぞ」「オーガって、ええ~!」
「違う、違う、横臥つまり横向きに寝かせる事だよ」「解りました」
「やるぞ、1、2の3 ダー 皆さん元気ですか!」
「セイ君そのネタ私にしか解りませんよ!ふざけないで下さい!」
「ちょっと緊張を解そうと思って・・・真面目にやるぞまだ大丈夫か?ハルカ」
「まだ、行けます。」「脈拍数えて」「はい、脈拍93」「行けそうだな」
「『透視』『共有』『座標固定』『収拾』これでどうだ。
ハルカ、鑑定と脈拍確認」「はい!状態異常麻痺と睡眠以外消えました。脈拍正常」
「お疲れ様ハルカ。『治癒』これで一段落着いたな」
「ロルフさんこれでアルフさんはひとまず安心です。完治したとは言い切れません
癌は生まれ持った体質にも関係するので先ず1週間様子を見て1ヶ月、3ヶ月、
半年、1年、3年、5年と定期的に診断して5年経って再発しなければ大丈夫です。
此処に居れば例え再発してもハルカや僕が居るので初期に治療出来ます先ずは1年を
目処にしましょう。これはスタミナポーションと造血ポーションです、アルフさんが
目覚めた時スタミナポーションを飲ませて下さい。血色が悪いようなら
造血ポーションを飲ませて下さい。ただ血色も悪く無いのに造血ポーションを飲ませる
のは止めて下さい薬は毒にもなります。僕の故郷の偉人の言葉ですが薬は大概が毒だ
そうです必要で無い時薬を飲むのは毒を呷ると同義です呉々も頼みます」
ロルフ達は呆然して言葉を失っていた。セイが魔法を発動させてハルカが回復させる
どちらも無詠唱で行っていたため光が連続してアルフの身体を包むようにしか見えない
光が点る度に器におぞましい小さな肉塊が突然現れる彼らに認識出来るのはそれだけ
だった
「僕達はこれで、アルフさんが目覚めるまで付き添ってあげて下さい。
もうすぐ目覚めるはずです。夕食はこの部屋に運びます。では、お大事に
あと、その器、アルフさんに見せてあげて下さい。これがアルフさんの中にあったと
知ったらアルフさん驚くでしょうね。後で回収して焼却しますので
よろしくお願いします。ハルカ行こう」
◇◇◇◆◆◆
「ジュディ、クリス食事の準備は出来たか?」「はいもうすぐ出来ます」
「食卓の用意は手が空いてる者やらせろ何もしない者にはパンだけしか
食わせるな。ジュディやクリスは指揮官だ上手く人を使え出来ないと
諦めるな」「「「「「はい!」」」」」
「ジュディ君のお母さんの分は任せた。俺は2階のアルフさんの分を作る
スープを3人分貰うよ少しアレンジする」「はい、どうぞ」
「ジュディこのスープいけてる此ならブイヨン少し足して味に深み出せば
完璧だね」アルミタージの肉を何時もより軽く塩コショウしてボイルする
皮を剥いた馬鈴薯、キャベツ、人参を適当に切りスープに入れる馬鈴薯と
人参が柔らかくなったら火から降ろして蓋をするその上に毛皮を被せ保温
トマトを湯通しして皮を向き潰す保温している鍋に潰したトマトと肉を入れ
軽く煮込んで再び保温その間にしっかり下味付けたアルミタージの肉の
ブロックの表面を全面焼いたら蓋をして余熱で蒸らすその間に千切った
レタスを皿とボールに載せキャベツと玉ねぎ人参は千切りレタスは食べやすい
大きさに千切り混ぜてボールに入れるトマトを薄く切って盛り付け『冷却』
をかけ冷す油とビネガーを混ぜて塩コショウでドレッシングを作り器に入れる
余熱で蒸らした肉の火の通りを確認して厚過ぎ無いようにスライスして
盛り付ける。スープの味を確認して味を整え完成
「ハルカ、これ2階に持って行くから手伝ってワゴンの上に3人分の皿と鍋敷き
用意して」「はーい」
◇◇◆◆
セイはハルカと共に2階に食事を持って行った。まだアルフは目覚めていなかった
「これ、夕食です。暖かい内に先に食べて下さい
アルフさんはなるべく今日はスープだけにして下さい
胃が受け付けてくれるなら少しなら良いですが控え目にして下さい
足らない様でしたら知らせて下さい。作りますからwでは・・・」
◆◆◇◇◇◇◆◆◆◆
「みんな昨日はお疲れ様、約束通り酒は用意した。存分に飲めと言いたいが
明日の仕事に差し障る飲み方はするなよ 乾杯!!」
「「「「「「「乾杯!!!」」」」」」」
◇◇◆◆
「叔父上この屋敷の御当主は何者ですか?」
「見たままのお方です。ギルバート様が珍しく気に入ったお方です
それよりもセイ様が仰った通り料理が冷めない内に頂きましょう」
「・・・・・・・」
「・・・・・・・・・」
気が付くと全ての料理が消えていた
「はっ!しまった父上の分が・・・」
「兄上が明日の朝目覚める事を祈りましょう」




