84 治療
屋敷に戻る途中寄り道をして屋台に寄った
『狼美味しいの~♪』『美味しい♪』
「旦那も役者だねあの5人一瞬で倒したの旦那だろ、それを神様のせいに
するなんて本当に役者だね」
「俺はあの5人には何もしてないさ神様の御加護があったんだと思うよ」
「そういうことにしますか」「そうそう神様、神様」
「ちょっと市場に寄るぞ」「へい」
◇♦♦◆◆◇
「おっちゃん儲かってるかい?」
「おう、誰かと思えば坊っちゃんじゃねぇか今日はどうしたんだ」
「いや、おっちゃんに頼みがあってね」「頼みとはなんでぇ?」
「実は屋敷手に入れてね15人ばかり雇ったんだ知ってるかな20年ほど
空き家だった屋敷なんだけど」
「おう、知ってるぜ、あの屋敷手に入れたのかよ」
「うん、でね、屋敷規模の割りに人手が足りないんだ、出来たら
野菜や肉なんか届けて欲しくって門までで良いから初回は俺が大量発注
するからさ、どうかな?今でも欲しいの結構あるし」
「おう、良いぜ、ただ決まった時間に行けるかどうかはわからねぇ」
「それで良いよじゃ注文するよトマト、人参、馬鈴薯、レタス、キャベツ
林檎、これ50個とこれは有ったらでいいこの前、貰った玉ねぎ有るだけ
全部、葡萄、干し葡萄、檸檬、に蜜柑果物は取り敢えず50個有ったら
欲しい他にもコーンやセロリこの市場に出ていない野菜や果物が有ったら
仕入れて欲しい」
「確かにこれだけの量を買われたら他のお客さんが買えなくなるな
解った仕入れの帰りに届けてやる3日に一度ぐらいでいいか」
「うん、ただこのあとはそれほど量はないかもしれない7人分は保証するよ
手付けとして金貨1枚渡すから足りない時は明細書を持って請求して
はいこれ金貨1枚そうそう箱の代金と配達代金上乗せしといてね」
「おう判った」「じゃあ頼むね」「ボルド帰ろう」
◇◆◆♦♦◆◆◇
「ボルド、馬車や馬の事頼む」
「お帰りなさい主様、遅かったのですね」
「ちょっと商業ギルドでゴタゴタしてねそれも解決した?から問題ない」
「まあそうだったんですね」
「ザイとアロマはどうしてる」「まだ寝てます」
「クリスとジョディはどう?」「見込みはあるかと」
「クリスとジュディを呼んでくれ」「クリス、ジュディ、主様がお呼びです」
「クリスとジュディ来た早々働てくれて済まない
クリス、得意なことはなんだ」
「家事全般全て出来ます戦闘に関しても弓と剣あと魔法も少々使えます」
「ジュディの得意な事を教えてくれ」
「家事全般そのなかでも料理が出来ます戦闘はしたことありません」
「ありがと、うちの連中は一人を除き、戦闘特化型で料理が
全員駄目でな本当に助かるよ」
「二人に聞くけど普段着と下着類は裁縫が出来るようなら
衣類は自分で作れるか?必要だったら俺達の衣服の仮縫いの時
発注するがどうする下着は自分で作ったほうが良いかもしれない
ハルカにシルクの生地を渡してあるからそれと自分で作れるのなら
好きな生地を選んで買って来るといい」
「服は自分で作ります」「私も作ります」
「了解した、明日、朝食後ミーナを付けるからすきな生地を選んで
来なさいその時お金をハロルドから受け取ってくれそれとこれは
年俸とそれでいるものを買いなさい」大銀貨2枚づつ渡す
「君達の部屋だけど空いてるところならどこでも良い1階限定だけど」
「クリスは冒険者登録してるのかな」「150年ほど前は冒険者でした」
「だったら身分証明書がわりに冒険者登録してもらいたいが良いかな」「はい」
「ジュディは奴隷になった理由を聴いて良いかな?」
「母が病気で薬代がかさんで借金が返せなくなり奴隷になりました」
「それで、君のお母さんは病気治ったの?」「いいえまだ····」
「この街にいるの?それと誰か看病に付いているの?」
「はいこの街にいます。看病は弟と妹がいます」
「君のお母さん動かせるかな?」「ええなんとか動かせると思います」
「ハルカ、ミリアとミーナを呼んで」「お呼びですかご主人様」
「ジュディの母親が病気だそうだ。今から、ジュディの母親を搬送して貰う
手順はハルカとジュディが家に入るミーナとミリアは外で待機、この時
タオルをマスクがわりに使えタオルを10枚ほど持って行け
ハルカはジュディの母親を鑑定して感染症かどうか確認してくれ病名が
特定し必要と思ったら『治癒』を掛けろ『回復』は掛けるな、その間に
ジュディは家族を説得、この屋敷に搬送することを納得して貰うように
ハルカ、感染症だった場合はミーナとミリアには絶対に母親に触れさせるな
家族に馬車まで運んで貰え、ミーナとミリアは御者台の方に乗って帰って
来てくれ、屋敷に戻ったら感染症かどうか報告感染症の場合テントを出して
そこで治療するそれと母親を搬送したメンバーは俺が良いと言うまで屋敷に
入るな、そう時間はかからないから心配するな
ハルカお前がこの搬送チームのリーダーだやれるな
何か質問はあるか?「・・・・」なければ出発してくれ」
「ボルド庭にテントを張ってくれ俺はベッドを持って来る」「はい旦那」
「此処に釜戸を作って湯を沸かす」
以前、川原で使っていた石を取り出し簡易釜戸を作り薪をくべ火を興す
鍋に水を入れて沸かす丁度お湯が沸いた時、馬車が戻って来た
「どうだったハルカ?」
「心配された感染症ではありませんでした鑑定では
『cancer of the stomach』と出ましたが意味不明です」
「お前の鑑定もぶっ壊れてるな日本語変換出来ないか試してみろ「あっできた」
『cancer』つまり『癌』だ『ウオッシュ』『クリーン』を使える者は
此処にいる皆にかけて屋敷に戻れジュディとハルカは血は大丈夫か?
「大丈夫です」そうか、今から外科手術をするからからハルカは助手しろ
アルファ、テントの中を『浄化』してくれ
『判ったパパ 『purification』 』ありがとアルファ、次にジュディ、
ナイフを3本鍋に入れてくれ、
シータ『睡眠《sleep》』と『麻痺《paralysis》』をかけてくれ
『了解wパパ『sleep』『paralysis』』ありがとうシータ
さて、これからが本番だインベントリの中から下級ポーションと
滅菌した銀の皿を取り出してこの皿の上にナイフ3本置いてくれ
アルファ、悪いが再度、俺とハルカ、ジュディとこの人を『浄化』してくれ
『良いよ♪ 『purification』』 ありがとうアルファ
ジュディ、ハルカ腹部の衣類除去してOKじゃ切開するよジュディ切った後に
ポーションかけて血止めしてOKハルカは切ったところふさがらない様に手で
拡げてOK胃の腫瘍を切ってポーションで再生、念のために
ハルカ、ヒールかけて取り敢えず胃を修復するイメージでOK上手だ
よし、ジュディ傷口にポーション掛けて、うん傷口ふさがって来たね
最後念のためヒール掛けてOKお疲れ様
ハルカ、鑑定、掛けて状態異常はどうなってる「『麻痺』『睡眠』だけです」
|癌(cancer)は消えてるだったら大丈夫だろうハルカ、キュアで状態異常を
解いてこれで胃癌摘出手術は終了だハルカ、医師法違反なんて言うなよ此処には
治療術士はいても医師はいないそれに該当するのが薬師だと思うよポーション
思い切り使っただろう」
「ジュディこれで君のお母さんは大丈夫だろう目覚めたら屋敷に運んで空いてる
ベッドで寝かせあげてテントは明日片付けるから」
「ありがとうございます本当にありがとうございます」
涙を流しながら感謝するジュディ、一方ハルカは緊張が溶けて呆けている
「ハルカ、お疲れ様良く頑張った。ハサミが出来たら鉗子やメス作って貰おう」
「ジュディ、3年癌が再発しなければ10年生きられる10年再発しなければ
もう大丈夫だ定期的にハルカに鑑定して貰えハルカも良いな」「「はい」」
この世界で外科手術をするものはいなかった地球でも輸血が行われる様になり
外科手術の成功率が上がり普及したがこの世界では魔法やポーションがあるため
手術など考えもしなかったのだろうセイとしてはポーションによる止血で流血を
最少限で止め胃の腫瘍か胃そのもの摘出して最悪は胃を再生すれば良いだろ考え
手術を行った途中、ハルカの修行になると思い指示に徹した、この世界では
初めての高度な外科医療手術でこのcancerも回復魔法では治療不可能な病で
不治の病であったことをセイは知らない




