79 宴(うたげ)
セイは屋敷に戻り直ぐに厨房に向かった
「誰か料理が出来る者いるか?」「・・・・・・・・」全滅だった
「サーシャ、シルビア、ハルカ、カリーナ手伝え」
「ハルカ、ウサギの骨をキレイに洗え、シルビアはキャベツ2個を
このピーラーで細く削れ、カリーナはパン3個を粉々しろ
サーシャはオークの背油を炒めて油を作ってくれ」
オーク肉を取り出し3Cm程の厚さに20枚程切る塩、胡椒で軽く下味を
つける。小麦粉をエールで練り込み『発酵』の魔法を掛けて発酵させる
バターと塩を入れ再度、練り込み30個程別けて『発酵』の魔法で
発酵させるウサギの骨がキレイになったのを確認したら
「ハルカこの寸胴に8分目ぐらい水を入れろ」玉ねぎの皮を剥き
骨を叩いて砕く再度、水でキレイに洗って寸胴の中に入れてウサギ肉
玉ねぎ、キャベツの芯、人参、馬鈴薯を投入して煮込む
「ハルカ、灰汁取りしてくれ。解るか?そのまま煮込め灰汁が出たら
しゃもじで掬え」「カリーナもっと細かく」「サーシャ油取れたら
3等分してくれ」「シルビア、20個の馬鈴薯の皮剥いて」
寸胴に水を入れて皮を向いた馬鈴薯15個を寸胴に投入、塩を入れて
下味をつけ茹でる。「シルビア馬鈴薯が茹で上がったら串で刺して
スンナリ入ったらこれで潰せ」馬鈴薯、トマト、人参を洗って乱切り
玉ねぎをピーラーで薄くスライス人参もピーラーで薄くスライスして
適当に切る「サーシャ、パン焼いて」「ハルカはひたすら灰汁取り」
「カリーナはレタス3個ムシレ」油とビネガーと塩、胡椒で
ドレッシングを作り潰した馬鈴薯に薄くスライスした人参、玉ねぎ細かく
切ったオークの炒めた背油を入れてかき混ぜ塩、胡椒で味を整える
トマトを輪切りして皿にひらたく並べポテトサラダを盛り付ける
ブイヨン擬きが出来たら布で濾す、ブイヨン擬きを2つ別けて一つは収納
角切りにしたウサギ肉を表面を焼き、ブイヨン擬きの中に投入、乱切りに
した馬鈴薯、人参を入れて煮込む「ハルカはまた灰汁取り頼む」
「カリーナは毟ったレタスと乱切りにしたトマトと千切りキャベツ半分を
適当に混ぜろ」「シルビアはもう半分の千切りキャベツを皿に乗せろ」
「ポテトサラダと野菜サラダは完成、あとは揚げ物だな」
オーク肉を小麦粉にまぶしその上にパン粉をまぶす
その前にアルファとシータに軽く焼いた普通のオーク肉を与える
『『美味しい♪パパありがと♪』』
先に乱切りにした馬鈴薯を揚げてパン粉をまぶしたオーク肉を低温の油で
火を通し最後に高温で揚げる、余分な油を切り千切りキャベツの上に乗せ
オークカツの出来上がり
「ハルカ、煮込めたか?「はい」良し、ミルクを入れて塩、胡椒で味を整え
シチューの完成だ。サーシャ、パンは焼けたかな?」「はい焼き上がりました」
「みんな夕飯だ!食うぞ!ロック一家やリン達も呼んで宴会だ!」
「みんなお疲れ、今日は酒も用意した子供達も林檎のジュース飲んでね」
「サーシャもお疲れ様 後3人雇って良いかい?料理出来るのサーシャ一人じゃ
大変だから俺もたまにだったらいいけど毎日は無理だそれとブラウニー達に
今日の料理あげて別に取ってあるから」
「お望みのままに主様」と言ってにっこりとサーシャは微笑んだ
「ありがとう」
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「素人の料理だが一応食べれるように作ったみんな食べてくれ」
「なんですかこの料理、見た事ない」
「このパン美味しい」
「どうだ味は?ハルカ カツはソースがないんだ塩と胡椒を
ブレンドした物で食ってくれ」「美味しい♪」
「サクッとして肉汁が····たまらん」「それ私のお肉」
「飲むぞ!」「この揚げ物は酒が進む」
「今日は特別だ明日からは普通の食事になるぞ今日だけは記念日だから
騒ごう明日からは仕事してくれ母屋の料理は当番制とする」
宴会は続きドランクとミーナは酒の飲み比べで強さ競ったのは言うまでもない
「宴会の途中だが俺はやることがあるから自室に戻るよ
その前にロック、ハロルド、ボルド話しがある応接室に行こう」「はい」
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「ロック、ミーシャの具合はどうだ?」「おかげ様で咳一つしません」
「そうか、良かった。無理はさせるな」「はい」
「ところで、荷馬車は必要と思うか?」
「出来ればあったほうが良いですあの馬車は使用人が使う馬車ではありません」
「そうか、荷馬車と馬か驢馬を買って来てくれ荷馬車の中古品があったなら
それでなかったらしばらくはあの馬車を使ってくれそれと
ミーシャや子供達も連れて行ってやれ食料の調達を頼む
ハロルド書記をしてくれ、塩20㎏胡椒10㎏砂糖10㎏
それを2つに分けたいので適当な壺と小麦粉50㎏肉と野菜は適当に人数分
買って来てくれ、あと、ワインとエールも大きな樽5樽づつこれは届けさせろ、
ワインの内訳は 2等3樽、1等2樽で頼む、ミーナを護衛につける
明日、出発前にハロルドに伝えろお金を預けておく
ロックの話しは以上だ質問は有るか?」
「いいえありません」「じゃロックは宴会に戻って良し」
「ボルド、ハロルド現状をどう思う」「現状とはどういう意味ですか?」
「女性達の事だリンとターニャはまだ良い門番や敷地の警護の仕事があるから
しかし、カリーナ、シルビア、ミーナ、ミリア、ハルカ冒険者としたら
パーティー組めばいいパーティーになると思うが家事については全滅だ
特にカリーナ、ミーナ、ミリア戦闘力は申し分ないが俺が屋敷にいる間は
護衛としては役に立つが屋敷内ではそんなに護衛は必要ないだろ」
「確かにそこまで必要ありませんね」
「今からメイドとして教育するのにもサーシャ1人に任せるのも負担が
大きい俺はこの屋敷の改造に取りかかりたいから暫くは街の外に出る
つもりはないさてどうしたものか」
「提案ですがミーナとカリーナは敷地の警護に回すのはどうですか?旦那」
「カリーナは警護や警備には回せないだろハロルド」
「ええ止めておいたほうがいいですね」
「ハロルドもそうだが友人が俺の暗殺に来たら傍観するそうだボルド」
「確かにそりゃ不味いですね」「本当にオークの群れに突っ込んでやろうか」
「旦那、それはちょっと不味いですぜ」
「ミリアは俺の護衛を担当してもらいボルド、ミリア、ミーナでシルビアと
ハルカの戦闘訓練、冒険者としての指導を3人で相談してやってくれ
特にシルビアの指導はミリアが適任だと思う、ハルカは特殊な環境に
いたせいか体力、筋力が低い暫くは基礎体力をつけように訓練させてくれ」
「あとはカリーナですね料理、裁縫を徹底的にやらせましょう」
「ハロルド指導できるか?」「いいえ無理です」「明日の朝、指示するよ」
「ボルドとハロルドにこれを」植物紙の束と羽根ペンを渡す
「今からボルドには金貨9枚、大銀貨7枚、銀貨30枚
ハロルドには金貨40枚を渡す必要と思った物を購入してくれ
購入した物は明細書と共にこれに書いて俺に提出すること、何か質問は?」
「いいえありません」「俺も無いぜ」
「じゃボルドも宴会に行っていいよ」
「ハロルド金貨20枚ある明日、ロックに渡してくれ買い出しの費用だ
それとそれぞれの商会や工房と繋ぎをつけろ毎回買い出しに行くのは
時間の無駄でしかない特に食料だ飼い葉もいちいち買いに行くのは問題だ
納屋の横にサイロを作りそこに飼い葉を備蓄するようにするので
農家から直接買い取るその交渉をしてくれ、何か質問は有るか?」
「いいえありません 承知しました」
「ハルカを呼んでくれ それが終われば宴会に戻っていいぞ」
「ではそうさせて頂きます」
 




