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帝国の栄光 怒り

本日2話目

御伽噺って同じことを三度やって落とすんだっけ。

また壁がくずれて、ぞろぞろっと、魔術士ご一行様が出て来た。

今度はなんだ?。

床に二つ穴が開いて、それぞれに台が競りあがってくる。

一方は空でもう一方はシーツがかかってあるが人が乗っているらしい。


「お前達はこちらで作業せよ。皇帝陛下はその通りにわれわれで処置する。」

また安全策かよ、臆病もんめが。

まぁそれだからこそ皇帝なんぞやっていけるんだとは思うが。


「それで移す元はどこだ?お前達の一人か?」

「いいや、この台に寝るのはタロお前だ。」

「この世界におれの身内はいないんだがな。身内じゃなきゃうまく行く可能性は低いだろう。異世界召喚でもしたのか?それとも俺のほうは途中で失敗してもいいのか?」

怒る俺に、魔術士たちの長らしいのが台のシーツをどけながら言った。

「一の姫との間に子が一人いたであろう。これが成長させたそれだ。問題なく仕上がっておる。」


これが俺の子か。

日本人体型の俺と違って伸びやかな手足、母の血筋の美形である。

俺に似たのは黒い髪だけか。

そっと頬に触ってみる。

ごめんよ。

俺何にもしてやれなかった。

閉じられた目をみていると、

ふっふっふ

本当に怒ったときって日本人って笑ってしまうんだよな。

くそがぁ!

「そうだろう、みごとなできばえだろう。」

クソ魔道士が俺の気も知らず自慢してくる。

心の中の絶対殺すにチェックを入れて、俺は台の上に横たわった。

「はじめろ。」

意識が急に遠のいて、もどる。

起き上がる。

この機敏に動く体は明らかに俺のものではない。

「陛下は?」

「今意識がもどられました。成功です。」

そりゃ良かった、意識の無い死体をぶん殴っても仕方がないものな。

「姫は?」

「まだこれからです。」

リアが応える。

「マイア陛下に異常がないか診断せよ!」

「はいっ!直ちに。」

一仕事終わった魔道士団が気の抜けた動作をしているうちに俺はマイアに首尾を確認させる。

「予定通りです。完璧にうまく施術できております。」

「そうか。」

良くやったとは言わない。

やったのはやつらだ。


俺は俺だったものに近づく。

馬鹿たれめが、人間踏み外しやがって、親が見たらほんとに泣くぞ。

そのときアシュタールにもらった腕輪が音も無く俺の腕に転移してきた。

使ったことが無いが、俺しか装備できない腕輪、こいつは俺が俺だと認めてくれるのか。


姫の周りであわただしく施術するリアたちを皇帝を診察している以外の魔道士どもが興味深げに見物している。

いったん効果が出ると魔法とはそれこそ魔術のように姫の体を直していく。

姫の目が開き金色の瞳に意思が宿る。

「姫の意識がもどりました成功です。」

「マイア、リア制限解除、雑魚はお前達で処分しろ。」

俺は戸惑う皇帝の前に立つとその顔を力いっぱい殴りつけた。

人生で初めてのことだったのだろう、皇帝の顔はまず驚きを浮かべる。

何かを言う前に襟元を引っつかんで殴る。

殴る。

殴る。

殴る。

唖然としてまだ状況がよく分からない皇帝を、

殴る。

殴る。

殴る。

皇帝の魔力が高まると同時に俺の腕輪が起動し、漆黒の鎧が全身を覆う。

さほど強くない皇帝の魔力は俺に届く前に消え去った。

驚きを表す皇帝を、

殴る。

殴る。

殴る。

ひたすら、

殴る。

殴る。

殴る。

繰り返す。

「タロ様、もう死んでおります。」

ふ~。

「タロ様、そのお姿は。」

「元に戻ってます。」

鎧が消えるとその腕輪の効果で、もとの俺のまんまの俺が裸で立っていた。

これも治療といえるのか?


「タロ、礼を言う。ありがとう。しかし、そ、そのだな、その見苦しいものを早くしまってくれ。」

見苦しい?あ・・

「ところでこれからどうするのだ?」

二の姫に質問されたが俺は何も考えてなかった。

かなり予定と違ってしまった。










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