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横田広域警察24時  作者: 魚河岸ボブ
第1章 転生したらバイオレンスな法強制執行者になりました
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ー 総合訓練① ー

 皆さんこんにちは。どちらかというとインドア派なのに、アウトドアアクティビティで四苦八苦することになった加藤です。


 ただ今私はYPD新人研修の卒業試験ともいわれる「総合訓練」で、10人の仲間達と共に森の中をズンズン歩いています。徒歩で山中にある犯罪者集団のアジトを急襲し制圧するというシナリオなのですが、本当にコレは警察の訓練なのでしょうか…レンジャー訓練の最終想定がこんな感じでしたよね。


 野営地を出発してから8時間、ようやく目的地が見えてきた。と、ここでナビゲーター兼引率教官から「待て」の合図。進行方向上空にはカメラを積んだドローンが飛んでいる。なるほど、あいつを対処しないといけないのか。


「諸君、ドローン(あれ)はどう対処する?」

「撃ち落とします!」

 自信満々に斉藤氏が答える。うん、駄目じゃないかな。


「法的リスクと我の企図暴露の可能性が高いため推奨できません。哨戒パターンを分析し、死角に隠れながらの接近継続を提案します。他のセンサーの存在可能性もあるため更に警戒強化、念のため強襲作戦シーケンスへの移行準備…完了」

 タブレット端末を操作しながら千代ちゃんが答える。斉藤氏もその提案を聞いて納得したようだ。

 しかし千代ちゃんは手際が良い。簡易データ通信用のスマートウォッチには既に「ALTN PLN STBY」と表示されている。通信封止がかかるまでは、データ通信は頼りになるサポートだ。


 プライマリー(基本計画)は隠密浸透、施設内突入と共にスタングレネードで鎮圧する予定だが、オルタネート(代替計画)は強襲し火力による制圧を第一義としている。殺伐…!


 ドローンの飛行パターン解析と対人センサーの検索が終了し、施設に接近する頃には周囲が夕焼けに染まっていた。人の注意力も電子機器の安定度も下がる時間帯、いわゆる逢魔が時だ。


 部隊を二手に分け、突入組が接近。支援組が周囲を監視する。私は突入組だ。先頭のショットガンを持ったブリーチャーはともかく、ポイントマンは交代で担当するから、突入順は早いか遅いかの違いでしかない。訓練とはいえドキドキする。


 唐突にドアを破壊する音が響き、鎮圧開始。スタングレネードが投げ込まれて数秒後、大音響と閃光が収まった室内に突入する。


「警察だ!動くな!」「Police! Freeze! 」


 スムーズなルームエントリー。決まった!が、室内には人間がいない。…あっちゃー、これは面倒な状況だ。素早く室内を検索。奥にドア、手前のソファ…は異状なし。死角、確認OK。

「クリア」


 組長の斉藤氏が封鎖解除した無線で支援組に伝える。

「クリア。奥にドアを確認、奥に向かう」

『了解、周囲に変化なし』

 ドア周辺にトラップなし。施錠、なし。ドアノブに再度手をかける。次は私がポイントマンだ。

 準備よしのハンドシグナル。OK、ゆっくりドアノブをひねり、静かにドアを開ける。スタングレネードを投擲し、スタンバイ、スタンバイ、スタンバイ…轟音の後に突入。

 左サイドに前進、正面に銃を構えたシルエットを確認。

「コンタクト!」

 セーフティオフ、ダブルタップで無力化する。右サイドは後続が制圧、室内に敵(・)は1人だけだった。

「クリア」

 奥に廊下が見える。あと4人、これは多分、逮捕よりも掃討になる。武器を向けてくる犯罪者は処していいことになっている。


 アドレナリンで微かに震える手の感触を確かめつつ、廊下に向かって進む。こんなに緊張するのは久しぶりだ。

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