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異世界から持ち帰ってきた相棒をオタク沼に落とそうと思う(いせぬま)  作者: ニキ
1-4:?̵̢͖͒̿͝?҉̧̱̬̭̎̆̌͝?̴̧͎͖̀͡

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42/45

1-4-C4:エレクトロ・ポップ・マジック!

今話はハーメルンとこのサイトで内容が違います

具体的には歌詞の描写範囲

「『快晴』」「歌詞的にこれ夏過ぎない?」「『デイブレ』」「夏は控えめだけど夜明けが強過ぎる」「疾走感とか曲調は?」「強いけど今日じゃない。雨+夕方近くだし、この曲撮るなら極論明日の朝とかの方が強そう」「『ドロキャン』」「寧ろこっちな雨そのもの。場面に食われてない?」「『shake it!』」「……踊り足りないは極めて合うけど、夜やディスコ、パーティに歌詞が寄ってるかも。雨が特別映えるかなぁ?」「ところでこの曲、金じゃなく銀ならヤバくなかった?」「仮にラスサビ直前で雨止んで夕陽に銀髪が照らされたら金色の星河に見えるかもね」「は??? 余りにも"絵"が神過ぎる、宗教画じゃんそれもうさぁ!!!」「最悪この東屋をクラブみたいに飾り付けよっか、丁度数時間前に似たようなもん見てきたし」「ぶっ……w」



 ……我ながら、なんでこんなことになってるんだろう?


「──こうかしら? あっ、出来た!」

「本当に覚えるのはっやいねぇ」


 銀色の妖精さんが舞う。

 慣れ親しんだステップを見せて、簡単にやり方を教えると、その子は一瞬で覚えて楽しそうに再現する。


「『What's up? Pop!』」「いやまぁ確かにぶつけてみたいけど、これ歌詞現代日本の文脈歌い過ぎてない? やるにしても未来かなぁ」「あーまぁ確かに、これチャンネル一発目想定だもんね」


(本当に知識が無いだけだね……フィジカルは言わずもがな。その上で体捌きとバランス感覚、重心移動が神がかってる)


 ──踊り方には種類がある。

 例えばうち(・・)なら人を楽しませる(・・・・・・・)、自分の可愛さを魅せる(・・・・・・・・・・)ことに特化した、アイドルの踊り方(・・・・・・・・)。

 例えばざっちゃん(・・・・・)なら自分が楽しむ(・・・・・・)、ダンスの出来を極める(・・・・・・・・・・)ことに特化した、パフォーマーの踊り方(・・・・・・・・・・)。


 ダンスを魅せる手段として磨くか、目的として追求するか。そんな違いはあるけれど、そこに優劣なんてない。結局は楽しい(好きだ)から踊るんだし。

 この雑多な分類に、仮にエミちゃんを当て嵌めるなら……彼女は後者だった。


「『Ready Steady』」「雨でこれ踊らせるのマジでエグい、火力と切れ味だけで勝負出来る」「というかGiga曲全てにエミが強過ぎない?」「問題はこれも今日じゃなくていいところ? いや雨という背景はクソ強いけど」「まだ残し寄りで」


(動きに無駄が無さすぎる。ファンサもアドリブもするけど、ベースとなる体の実行があまりにも機能的)


 足を高速で入れ替える"シャッフルダンス"。


 身体の各部位を順番にずらし、波のような動きを作る”ウェーブ”。


 身体を上下に揺らし、リズムそのものに乗る”グルーヴ”と”バウンス”。


 見てカッコ良さが分かりやすく、オリジナル振り付け(アドリブ)をする際に使いやすい、初歩的なダンスツールの数々。

 それらを爆速で覚えていくエミちゃんは、既存の知識と経験(・・・・・・・・)で問題を処理していた。

 異世界でめっちゃ戦ってきたぽい、極まったフィジカルと肉体操作技術。


「『Glory Steady Go!』」「複数人歌唱曲、掛け合いが場面(ソロ)にちょっと合わないかな?」「あー、歌詞と印象で選んだけど、確かにそれはそうかも」


 余計な動きが無く、キレに溢れ、綺麗に止まる。処理の混線もしないし、何よりもミスをしない。


 ここに乗る、天性の煌めき(彼女の感性)。


「たーんたーんたーんたんっ!」


 天真爛漫な笑顔で、水溜まりを蹴る。

 覚えたばかりのシャッフルダンスは正確無比で、見て分かる不自然さ(ミス)は殆ど無い。その上で、楽しいが全面に出た表現には、ちゃんと遊び(ブレ)がある。

 接地の反動を殺し切らず、敢えて全身を跳ねさせる彼女は、ちゃんと鼻歌(リズム)に乗っている。

 言語化や名称を知らないだけで、見様見真似にアニソンランダムダンスで覚えた知識の数々。それらにラベリングをして、手本とやり方を教えただけ。


「『METEOR』」「歌詞は死ぬ程強いけど、どっちかって言うとミクの曲過ぎないかな?」「…………改めて見たけど、それとは別に魔法は大分擦ってはいるかも。あと、雨とか空じゃなく、大分星とか宇宙が主題?」「マジミラ優勝曲から出すなら、寧ろ『グリーンライツ・セレナーデ』とかの方が、言い方あれだけどエミのダンス映えはするかも」「曲速はまぁ確かに」


 ──それだけでエミちゃんは、スターのように輝いてしまうのだ。


 くそう、卑怯なくらい可愛い! もういっそ私とアイドルやらない?


「そう言えばM.M、アイドルって何?」

「え゙……お、大勢の人の前で、自分がコンテンツになって、歌って踊って楽しませて、曲とかサインとか売るお仕事……?」

「ああ! だから踊るのも、ダンスを教えるのも好きなのね!」


「『Tell Your World』」「大分アニメ12話特殊エンディング」「比喩www……いやでも確かにそれはそう、これやるならそれこそ未来の方が強そう」


 こういう疑問が出てくるの、異世界人らしいなぁなんて思いながら答えれば、返ってきたのは予想外の言葉。


 教えるのが好き? そんな風に見えてたんだなぁエミちゃんには。


「『メズマライザー』は……体感無し寄り」「うんまぁ、エミの自己紹介にはなるけど、もう踊ってくれたし、他の曲が見たいかも。あと俺は撮るなら晴れの方が映えそうだなと思う」「フルで踊ってみて欲しいけど……相方無しでやったら火力半減するしなぁ」「ざくろやる?」「無理言うなばか!」


「うちはねー、自分の好きな物を人に好きになってもらうのが嬉しいだけだったりするの!」

「……それ、おたく(・・・)の持つ公理だったりするの?」

「公理!? いやそんな大袈裟な物じゃ……」

「アランも、ざくろも、あなたも、あの会場に居た人達も。皆、そうだったじゃない」

「それはまぁ……うーんと、これは上城君にもした例えだけどさ、例えばエミちゃんが上城君(好きな物)を人に紹介して、その人から上城君が褒められたらどう思う?」

「嬉しいわね」

「好きになって貰ったら?」

「凄く嬉しいわね」

「これを専門用語で布教と言います。そして、オタクは総じて好きな物への愛や執着は凄まじいものです」

「そうだったの!? いやでも確かに、その例えなら理解出来る……!」


「『空奏列車』」「実際どう?」「……うーわ改めて確認したけど、使うものと今日のリンクがエモ過ぎる」「Orangestar曲の中ではまだ"夏"に寄り過ぎて無いのもあるかな」「……うーん、これでも踊る曲ぅ? いや踊ってみたはあるし、今空が唄ってはいる(雨降ってる)けど、ダンスがエミに映える曲?」「『Ready Steady』の方がそこは強そう」「一旦保留」


(それにしても賑やかだな向こう……あっそうだ!)


「ねぇーエミちゃん、例えばさっ!」


 ファミレスから気になっていた事を、丁度タイミング良いし、思い立って聞いてみよう。

 高校生らしい、年頃ならどうしようも無く気になる話題!

 "?"を浮かべるエミちゃんの耳元にこそこそと近付いて、上城君とざくろに聞かれないように……!


「──もしあの二人が付き合ったら、どう思う?」

「え、滅茶苦茶嬉しいだけよ? 祝福して終わりじゃない?」

「……へ?」

「というかM.Mから見ても、あの二人って可能性ありそうに見える!?」

「あ、えっと、そのー……」

「あ、M.Mでも良いわよ? あいつ彼氏にどう?」

「はぁ!?」


「『あのね』」「悪いんだけど、俺この曲聴いたこと無い。合いそう?」「歌詞なら……まぁ? 知名度に関しては去年の大晦日に出た曲ではあるよ。ボカロ文脈じゃない。エレクトロポップ系? 踊ってみたは私の知る限りは無いかも」「聴いていい?」「どうぞー」


 ……い、一ミリも動揺が無いの、本当にお互いどういう関係なの上城君とエミちゃんは!?!?






 ******






『ピロンッ♪』

「…………これで映ってる?」


 録画が開始されたカメラフレームを、碧眼の少女が覗き込む。

 上から不思議そうな顔で小首を傾げ、長い銀髪がカーテンのようにレンズにかかる。

 目とカメラの距離は10cmも無い、それ程までに近い距離から、サファイアがガラスの瞳を見詰めていて。

 そのフレームの外からの指示に気付けば、焦ったように(そそくさと)後ろへ駆けて行く。

 隠れていた奥行が露(あらわ)になれば、広がった世界は降る白線に晒されていた。

 残像を残す、雨粒。

 それが水溜まりを叩き、植え込みの緑を弾き、ポツポツと音を奏でる風景に、その少女は駆けて行く。


 影から彼女は飛び立った。

 屋根が雨を受け止めていた安全地帯から、その影の外側へ。

 曇天の下。僅かばかりの光の下。屋根が生む暗がりよりも、まだ明るい場所へ。


 降り頻る雨が、彼女を叩く。

 触れて、飛ばして、流れて、跳ねて。

 当たった雨粒は然し、彼女を濡らすことなく落ちていく。


 まるで、その少女に触れてはならないかのように。

 淡い光が見えた。

 魔法のように水滴を肌から弾く。

 奇跡のように泥濘を服から弾く。


 銀色の妖精がそこにはいた。


 楽しそうに、自信ありげに、やがて来る音を待つ。



『──《動詞》《英語名詞》』

『《名詞》《動詞》──』



 柔らかな音色と歌声。

 それを色付ける電子ピアノと共に、曲が雨音を押し退けて彼女に届く。


 目を瞑り、ポーズを決めたまま静止して。足でリズムを取りながら、曲を全身で味わうように受け取って──


「ふふっ♪」


 ──ポップでエレクトロな間奏が始まると共に、勢いよく開眼して踊り出す。


 ──それはまるで引力のような。

 思わず引き寄せられる、光のような輝きが。

 自然と目を離せなくなる、星のような煌めきが。


 世界を、奪う。


 "タンッタンッタンッタンッ!"


 拍を足が刻む。

 気持ちいいリズムを全て、シャッフルダンスで叩きながら。


 雨の中で舞う少女は、心底から楽しそうに。


 好きな物を全力で遊んでいる子供のように。


 "タンッタンッタンッタンッ!"


「あははっ♪」


 きっとそれは星屑だった。


 ダイヤモンドダストのように、彼女の周りの雨粒だけが、光の飛沫に生まれ変わる。


 神秘的で、幻想的で。

 それを何の変哲もない公園の中心で、どこまでも美しく、少女は描く。





『あのね』



 ──エミが最後に最も気にいった曲を。

用語:シャッフルダンス

説明読んで想像するより、実際に軽く検索して見てみる方が早いです

調べて(作者の屑)


用語:快晴

投稿日時2017/8/31、OrangestarによるVOCALOID楽曲。

夏の空や晴天を主題とした楽曲で、動画にはM.BとWabokuが参加。

雨天でこれを踊る絵はきっと最高だったと思います

棄却理由:歌詞が夏過ぎる

作詞作曲:Orangestar、原曲歌唱:IA


用語:DAYBREAK FRONTLINE

投稿日時2016/12/3、OrangestarによるVOCALOID楽曲。

夜明けを題材とした疾走感の強い楽曲。2017年発売のアルバム『SEASIDE SOLILOQUIES』にも収録されている。

夏(Orangestar)の曲の中では個人的に一番好きです。最近上がったウォルピスカーター氏の歌ってみた聴きました? やっぱ夏×社長の歌みたは最高やな。

棄却理由:この曲は基本的にいつでも強く、場面における特効が無かった

作詞作曲:Orangestar、原曲歌唱:IA


用語:drop pop candy

投稿日時2014/7/18、GigaとReolによるVOCALOID楽曲。

雨や水溜まりを題材にした、ポップなダンスミュージック。制作者本人達による歌唱バージョンも存在する。

聞けば聞くほど好きになるスルメ曲。

棄却理由:雨が露骨過ぎる、C4曲というよりキャラソンCDのカバー曲(幻覚)

作詞:Reol、作曲・調声:Giga、原曲歌唱:鏡音リン&巡音ルカ


用語:shake it!

投稿日時2012/4/21、emon(Tes.)によるVOCALOID楽曲。

ニコニコ動画の踊ってみた文化でも広まった、クラブミュージック寄りのダンス曲。

歌詞が仮に銀の流星だったらほぼ無敵だったと思います。

棄却理由:夜やパーティ向けのクラブミュージックだから。1-4特殊エンディング曲としては最強(幻覚)

作詞作曲:emon(Tes.)、原曲歌唱:初音ミク、コーラス:鏡音リン&鏡音レン



用語:What’s up? Pop!

投稿日時2022/7/30、CapchiiによるVOCALOID楽曲。

ゲーム『プロジェクトセカイ』の超高難易度楽曲公募企画『プロセカULTIMATE』採用曲。BPM85~230とテンポ変化が極めて激しい。

ポップさと明るさはエミに直撃するし、踊ってる姿はとても見てみたいです。

やしきずの悲鳴好き。

棄却理由:初心者に踊らせる曲じゃないのと、歌詞が現代人を歌ったもののため。エミよりざくろの曲に近い(作者判定)

作詞作曲:Capchii、原曲歌唱:初音ミク


用語:Ready Steady

VOCALOID版MV公開2020/9/30、ゲーム『プロジェクトセカイ』への書き下ろし楽曲。

ゲーム内ではユニット『Vivid BAD SQUAD』の楽曲として使用される。

Giga曲全てに言えますが、エミというフィジモン銀髪美少女との相性があまりにも良い。

棄却理由:ほぼDAYBREAK FRONTLINEと同じ。雨天下なら向こうより映えそうだが、未来のアニソンランダムダンスイベントや踊ったみたでも火力はほぼ変わらない

作詞:q*Left、作曲:Giga、VOCALOID版歌唱:初音ミク&鏡音リン&鏡音レン


用語:Glory Steady Go!

VOCALOID版MV公開2021/8/29、ゲーム『プロジェクトセカイ』への書き下ろし楽曲。

ゲーム内ではユニット『ワンダーランズ×ショウタイム』の楽曲として使用される。

ざくろの趣味とどこから曲持ってきてるかが透けますね。

棄却理由:掛け合い曲はエミ単独の踊ってみたには向いてない

作詞作曲:キノシタ、VOCALOID版歌唱:初音ミク


用語:METEOR

投稿日時2018/6/8、『マジカルミライ2018』楽曲コンテストでグランプリを獲得したVOCALOID楽曲。

同年のマジカルミライのライブでも披露されている。

読みはメテオではなくミーティア(n敗)

棄却理由:歌詞そのものは極めて場面に合うが、ミク曲というイメージがかなり露骨なため

作詞作曲・調声:DIVELA、原曲歌唱:初音ミク


用語:Tell Your World

2012/3/14発売の『Tell Your World EP』に収録。

Google ChromeのCMソングとして使用された、livetuneによる初音ミク楽曲。

棄却理由:立ち位置が12話特殊エンディング曲のため

作詞作曲:kz(livetune)、原曲歌唱:初音ミク


用語:空奏列車

投稿日時2015/2/21、OrangestarによるVOCALOID楽曲。

2015年発売のファーストアルバム『未完成エイトビーツ』にも収録。

あっくんのとある認知(・・・・・)から繰り出された、作劇的に最も締まりの良い曲。

歌詞、一日の圧縮、天候共に、文句無い。

棄却理由:踊るようの曲か? という問題が最後にのしかかった

作劇都合じゃないか? という評価関数で切られた訳ではない

作詞作曲:Orangestar、原曲歌唱:IA&初音ミク


用語:グリーンライツ・セレナーデ

投稿日時2018/7/6、初音ミク『マジカルミライ2018』のテーマソングとして制作されたVOCALOID楽曲。

個人的に大好きな曲の一つです。エミが歌って踊る姿の想像は、私には面白いくらいに簡単です。

棄却理由:1-4-D3参照

作詞作曲:Omoi、原曲歌唱:初音ミク





用語:あのね

配信開始2025/12/31、ナナツカゼによるエレクトロポップ楽曲。

ボカロ曲ではなく、ナナツカゼ名義のオリジナル楽曲。2026年1月にはSpotifyの日本国内バイラルチャートにもランクイン。

再生回数的に、他曲と比べて知名度がとりわけ高いわけでは無い&既存の踊ってみた動画は皆無。

ある日Twitterを流し見していた時に、とても可愛いMVが流れてきて、そこで私は出会いました。


採用理由:エミが一番好きになったから


作詞:nakotanmaru、作曲:PIKASONIC、歌唱:ナナツカゼ


──よければ一度聴いてみてください。

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