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異世界から持ち帰ってきた相棒をオタク沼に落とそうと思う(いせぬま)  作者: ニキ
1-4:?̵̢͖͒̿͝?҉̧̱̬̭̎̆̌͝?̴̧͎͖̀͡

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39/45

1-4-C1:Q.これはアニソンランダムダンスで流れる曲ですか?

「「「「改めてお疲れ様ー!!!」」」」


 ──イベントの終了から暫く経って、場所は変わって近場のファミレス。

『ゴールデンウィーク特設〇〇〇市コスプレフェス』は、アニソンランダムダンスだけのイベントじゃ無い。ステージ終了後にも他のイベントが予定されており、帰らなければその後のイベントを見ることも出来たのだが……


「……まさか雨が降るとはねぇ」


 頬杖ついて窓の外を眺めるざくろが、今ここで早めの打ち上げをしている理由を呟いた。

 雨(・)。

 イベント中、思えば空を雲が覆い始めてはいたけれど、まさか降ってくるとは思わなかった。

 いち早く『降る』と気付いたエミを信じなければ、今頃びしょ濡れ不可避だっただろう。傘持ってきてねぇし。

 ファミレス内の客数は今も増え続けている真っ最中。まだ空いてるタイミングで四人席を確保出来たのは、本当に幸運だった。


「あ、公式からポスト来てる。後半のステージは中止だって」

「天気予報も暫く止む予定無いな、晴れるとしても夕方辺りから」

「えぇ〜!? まだ踊りたかったのに〜!?」

「……エミちゃんのその体力と元気は何処から湧いて出てくるの……?」

「衝動」


 天気を調べる俺、SNSを見ている対面のざくろ、その隣でエミに引くM.Mと、M.Mの対面(俺の隣)でぶーたれているエミ。


 各々の手元にあるドリンクグラスには、ドリンクバーで入れてきた色とりどりの液体が注がれている。

 注文自体は終わっているが、料理が届くのはこの混み具合的に、まだまだ先になりそうだった。

 だからこそ、自然と会話に花が咲き……


「あっ、見て見てエミちゃん! エミちゃんのメズマライザーがTwitterでバズってる!」

「……バズって何? あと、そのあぷりって名前はXよね?」

「バズって言うのは、簡単に言うとめっちゃ話題になってるってことだよー。Twitterっていうのはオタク(ざくろ)特有の専門用語だから気にしないでねー」

「ああいつもの(・・・・)ね。ふーん? どうやって反応見るの?」

「それはねー──」

「M.Mちゃん? なんで軽く私を殴ったの? ねぇM.Mちゃん? M.Mちゃんもこっち側だよね!?」

「「ざくろうるさい」」

「はぁ!?」


(賑やかだなぁ)


 美少女三人がわちゃわちゃしている横で、何故かここにいる男子の俺(モブ)は、邪魔しないよう同じ空間に居るだけだ。

 本当の同年代な三人の交友尊い……なんで俺(人生経験が15+7年)がここにいんの? 邪魔では?


(連絡先も貰っちゃったし。アイドルの。なぜぇ? 何がどうしてこうなった?)


 さっきLINEに追加された|"枕"のアイコン《M.M》。俺の連絡先、男性が一人(未遥さんの旦那さん)しか居なくて草なんすよね。女性はその五倍持ってんのに。

 スマホを開いたついでに、俺もTwitter(X)内の虫眼鏡アイコンを押してみる、と……あ、マジだ、地方トレンドにメズマライザー入ってる。

 流石にメズマライザーMVをイベント現地再現すりゃ、ここまでは行けるよな。

 全国トレンドまでは乗らないのは、多分イベントそのものの知名度問題かな?


「フィジカルモンスター姉貴は草」

「後は銀色の妖精とか、スタイル含めて超絶美少女とか、衣装の完成度とエッチさヤバいとか色々言われてるねー」

「……この服、そんなえっちなの?」


「大分露出はしてる」

「スタイル抜群過ぎてよりエロい」

「ノーコメントで」


「──はいはいえっちで悪かったわね! アラン退いて! ドリンクバー行く!」

「俺も行きたかったからついでにお前のも持ってくるわ、座って二人に殴られてな☆」

「コイツッ……!」


 通路側に居るのは俺だ。だからエミが逃げようとする場合、俺が退かなきゃ物理的に逃げられないのだよ。残念だったなぁ?

 ざくろとM.Mのコップはまだ並々と入っているので、エミ分だけ追加で持って席を立つ。

 さて、何を入れてやろうか。さっき炭酸がイケる口だと判明したんだよな。甘いの元々好きだし、コーラよりメロンソーダやカルピスソーダでも入れてみる?


(……にしても、意外とコスプレしたまんまの人居るなぁ)


 混雑してきたファミレスは、雨宿りに来た客で溢れ始めてきた。その中には数人、イベントから衣装そのまんまで来てる人も居る。

 あくまで露出ほぼ無し、学生服系のコスプレイヤーさんだけではあるけど、総じてあのランダムダンスで見覚えのある人ばかり。


(セトリ、カオスだったなぁ)


 フラッシュバックした会場の記憶。40~50曲は流れてたような気もするが、一々印象に残る奴が多過ぎるんだよな。


(ざくろから事前に聞いてたから『ブレインロット』は印象に残ってるけど、なんであの曲の前後を『チルノのパーフェクトさんすう教室』と『なぜ?謎?!ANSWER』で挟んだ???)


 ドリンクバーで液体を注入中、自然と考えるのは『アニソンランダムダンス』という名称のイベントで流れた曲について。

 熱気から離れることで改めて思うが、『アニソン』と謳ってる割に『アニソン』じゃないのが高確率で混ざってんのなんなのアレ?

 ANSWERが欲しいのは俺なんだけど? 

 当たり前のように東方のニコニコ古典と、最新のプ〇(リ)キュアEDまで振り幅あるの、この時点で狂ってんのに……


(『うまぴょい伝説』は分かる、アニメでも流れるし。『ハッピーシンセサイザ』も音源が『超〇(か)ぐや姫』版だったからアニソンとして通る。でもこの二曲から『倍倍FIGHT』行くのは大気圏越えすぎだろ)


 現実の女性アイドル曲に平然と飛ぶの何?

 しまいには金爆の『女々しくて』が流れるわ、『マジLOVE1000%』でアニソンに戻ったかと思えば、そこから小野大輔さんの『Kiss Kiss Kiss』に接続するわ、そのクセ着地が『モエチャッカファイア』なの、節操が無さすぎだろマジで。

 だって、この流れの中に『アニソン』何個あった???


(……ああでも、『Snow halation』は純粋に凄かったな。ラ〇(ブ)ライブの曲だったと思うけど、コスプレイヤーさん九人併せのパフォーマンスは感動した)


 フォーメーションを一瞬で組んで、一糸乱れぬ動きと統率で超楽しそうに踊ってたあの瞬間。あれはエミのメズマライザーと同じかそれ以上に会場を支配してた。


(あのイベントってそもそも、ダンススペースに出る=自分はこれが好き! の、言葉以上の表現だよなぁ)


 アニソン以外が流れ過ぎてはいるけど。

 やっぱアレ、オタクカルチャーランダムダンスでは?


「ただいまー」

「「おかえりー」」

「…………」

「どしたのこの子。手で赤い顔を覆っとりますけども」

「弄りすぎちゃった☆」

「どこがどうえっちか詳しく話してたらこうなっちゃった」

「……もうこれ脱ぐぅ……」

「痴女やめてね。はいエミの」

「ありがとぉ……」


 お礼の言える良い子だなぁ。こんな子を虐めたのは誰だ!? 無視して席立った俺ですね、はい。


「それにしても、やっぱエミちゃんの服ってビジュの完成度めっちゃ高いよねぇ」

「分かる。特に胸の赤リボン。黒基調の軍服ベースに差し色として目立つし、それがあるからセーラー服っぽい制服らしさが出てる」

「露出度は高いけど」

「スタイルが目に毒ではあるけど」

「まだ言うか!?」


 ああ、大体どんな会話してたか察したわ。赤面してて可愛いね、俺が褒めても『だる』としか返されないからなぁ、もう。


「妙におっきいなぁとは思ってたけど、踊る前に解いて髪留めに変えたとこ、うちはアイドルとして度肝抜かれたよー」

「あぁアレ本当卑怯、キャラ立ちがヤバかった」

「因みにこのデカリボン、俺が異世界でプレゼントしたやつだよ」

「「マジで!?」」

「……捨てるの惜しいし、私に似合うし。髪留め用の大きいやつを胸にも付けれるよう、リボンを軸(メイン)に特注した制服が、これ(・・)だけど」

「「エッッッモ!?」」


 アイドルと小説家の卵、それぞれの視点で評価される赤色のデカリボンは、エミと無人島で遭難した時に俺がプレゼントした物だ。

 女装対策に用意していた変装セットの内、エミに似合いそうだと贈った物だけど、当時(・・)は大き過ぎてあんま似合わなかったんだよな。

 それが今も制服とアクセサリーに使われて、滅茶苦茶似合うまでに成長してるのは、ちょっと小っ恥ずかしかったりするのだが。


「──ほんと、二人って仲良いよねぇ」


 しみじみとそう呟くざくろ。

 たった二日間の関係観測でそう思われる程度には、彼女の目線で俺達はそう(・・)見えたらしく──

 今日会ったばかりのM.Mが、ざくろの意図を引き継いで、にまにましながら続けた質問に──



「で、二人ってどうやって恋人になったの?」




「「いや、そもそも付き合ってないけど?」」





 俺たちは当然のように、相棒らしく(異口同音に)そう答えた。







「「嘘だっ!!!」」



 ──ファミレス内に、そんな叫びが木霊した。

用語:チルノのパーフェクトさんすう教室

発売日2008/11/2、東方Projectの『おてんば恋娘』を原曲とした、同人サークルIOSYSによる東方アレンジ楽曲

ニコニコ動画で広まり、踊ってみた文化でも定番となった曲の一つ

最近紅魔郷ニュークラシックが発売されたから、今の時期に流すのかなりアツい可能性がある

皆さん買いました?僕はまだです()

作詞:夕野ヨシミ、編曲:ARM、原曲作曲:ZUN、歌唱:miko


用語:なぜ?謎?!ANSWER

CD発売日2026/3/25、2026年放送『名探偵プリキュア!』のエンディング主題歌

プリキュア初めて見てるんですが、ニコ動版のコメントが面白過ぎる

こういう曲は特にアニソンランダムダンスの適性が高いです(公式で振り付けがある)

作詞:青木久美子、作曲・編曲:ハマダコウキ、歌唱:熊田茜音&増井優花


用語:うまぴょい伝説

初CD発売日2016/11/30、メディアミックス作品『ウマ娘 プリティーダービー』のテーマソング

2018年のTVアニメや2021年のゲームリリースよりも前から存在する楽曲

アプリリリース当時、死ぬほど流行ってたよね。アニメ二期の丁度ライス編辺りにアプリが出て、ライスに脳焼かれたお兄様お姉様方が春天勝てなくて幾重もの屍を重ねていた記憶(当時の自分)

初めてURL優勝した時、これが流れた際の感動やばかった

アプリの海外展開から、最近更に流行ってます

作詞作曲編曲:本田晃弘(Cygames)

初期CD版歌唱:スペシャルウィーク、サイレンススズカ、トウカイテイオー


用語:ハッピーシンセサイザ

投稿日時2010/11/22、EasyPopによるVOCALOID楽曲

踊ってみた文化でも長く親しまれている古典ボカロ曲

作者がオタクになる前に、学校の創作ダンスの授業で、原曲が何か知らないままグループリーダーに踊らされた経験があったりする(つまり踊れる)

作詞作曲:EasyPop、原曲歌唱:巡音ルカ&GUMI

なお、本文で使用されたのは2026/1/23配信のアニメ映画『超かぐや姫!』版

見てない人?ネトフリ一ヶ月890円なんで、激安の映画一本として一旦見てみようぜ!

こちらは編曲:yuigot、歌唱:かぐや(CV:夏吉ゆうこ)のカバー音源


用語:倍倍FIGHT!

配信開始2024/4/24、女性アイドルグループ『CANDY TUNE』の楽曲

SNSでのダンス動画などを通じて大きく流行したアイドルソング

既に二年前の曲なのマ?

作詞作曲編曲:玉屋2060%、歌唱:CANDY TUNE


用語:女々しくて

発売日2009/10/21、ヴィジュアル系エアーバンド『ゴールデンボンバー』の代表曲

特徴的な振り付けでも知られる、ライブやカラオケの定番曲

アニソンランダムダンス?流れますけど?(真顔)

作詞作曲:鬼龍院翔、歌唱:ゴールデンボンバー


用語:マジLOVE1000%

発売日2011/7/20、TVアニメ『うたの☆プリンスさまっ♪ マジLOVE1000%』の主題歌

作中の男性アイドルユニット『ST☆RISH』による楽曲

この方面の曲も当然ながら流れます

作詞作曲:上松範康(Elements Garden)、編曲:藤間仁

原曲歌唱:ST☆RISH


用語:Kiss Kiss Kiss

発売日2013/9/25、声優・小野大輔さんの楽曲

ミニアルバム『UP STAIRS』に収録され、ミュージックビデオも制作されている

私も調べなきゃ知らない曲だったよ!!!

なんでこれも割と流れるんだろうね(困惑)

作詞:サイトウヨシヒロ・こだまさおり、作曲:サイトウヨシヒロ、歌唱:小野大輔


用語:モエチャッカファイア

配信開始2024/7/19、MV公開2024/7/23。

ゲーム『ゼンレスゾーンゼロ』に登場するキャラクター『エレン・ジョー』を題材とした、ファンメイドのイメージソング

2025年にはエレン本人の担当声優・若山詩音さんによるカバー版も公開された

オタクカルチャーの範囲の曲ならマジでなんでも流れるんすよね

ZZZが巨大だからこそ、コスの人もよく見ます

余談だが作者の歌唱者イメージは蛇足の兄貴が強過ぎる

作詞作曲・原曲歌唱:弌誠、MVイラスト:ハツミノ


用語:Snow halation

発売日2010/12/22、『ラブライブ!』のスクールアイドルグループ『μ’s(ミューズ)』によるセカンドシングル

九人のメンバーによる楽曲で、2014年にはTVアニメ第2期の劇中歌としても使用されている

ラブライブ楽曲は根強いイベントの定番曲であり、大抵併せ集団による集団パフォーマンスが見られる

これはラブライブに限った話ではなく、コス統一集団の持ち曲が流れ出せば、イベントは一転して『主役』のための舞台に変わる

あの変遷が私はとても大好きです

作詞:畑亜貴、作曲:山田高弘、編曲:中西亮輔、原曲歌唱:μ’s

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