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第五話 威

「はい皆さん。フーゴー先生の授業が始まりますよー! 礼!」

「「「よろしくお願いします」」」


 今、俺たちは第二寮の第二副寮長にいる。

 ちょうど昼に異能を開放してもらい、そのあと初任務を完了した。しかし異能についてはまだあまり詳しくなく、フーゴ―さんに教えてもらうところだ。


「はい、まず皆さん"()"は知っていますか?」

「わからないです⋯⋯」

「OK、ということは何も解説されていませんね。では()の解説からしましょう。

まず、異能は脳の"威玉(いぎょく)"という器官に宿ります。威玉を活性化させることで、異能を使うことができる。というのが、異能です。

しかし威玉は普通は活性化しません。そこで、異能解放の儀です」


 異能解放の儀。じいちゃんのみが行うことができる儀式だが、原理はわからない。任務後、じいちゃんに聞いてみたが教えてくれなかった。やはり高階級の職員でないとだめなのだろうか。


「先ほど言った"()"は心臓に宿る生命エネルギーです。威は普通威玉には流れません。

しかし、異能解放の儀を受けることにより威と威玉が開通し、威は威玉のみに流れます。

それによって威玉は活性化し、威を消費して異能が使えるようになります」

「あの、生命エネルギーを使うってことは寿命が短くなったりするんですか⋯⋯?」

「いい質問ですね。その通りですが、威がすべてなくなっても変わるのはせいぜい一か月くらいです。威が生命エネルギーに占める割合はあまり多くありませんので。それに時間経過でも回復します」


 生命エネルギーをまさか使っているとは。おそらく異能使用時に少し息苦しいのだが、理由はそれか。


「そして、威は異能を使用すれば使用するほど容量が上がります。練度もあがるのでどんどん使いましょう。異能も進化するので、ドンドン使ってドンドン成長しましょう!

では次、異能の解説です。今のところは大丈夫ですか?」

「⋯⋯????」

「ルーク、もう聞かなくていい。後で解説してやる」


 ルークは情報をイッキに出されると訳が分からなくなる。ゆっくりでないと理解できない。そう思い、俺はため息をつく。


「はい、それでは次は異能について解説しましょう。まず異能。

あなたたちも使える、基本中の基本です。ちなみに私の異能は『鑑定眼(かんていがん)』。

見たものの情報が分かります。一度には一つまでで、力量が離れすぎているとみることができませんが」

「あ、そうだ。フーゴーさんの階級って何ですか?」

「よくぞ聞いてくれました!私は『最上級戦闘員さいじょうきゅうせんとういん』です。上から二番目です」


 最上級⋯⋯ 上から二番目で、戦闘能力が高い。しかしフーゴーさんの異能は聞く限りあまり戦闘向きとはいいにくい。


「あの、フーゴーさんは戦闘能力も高いんですか?」

「ええ、もちろん!」

「その異能って戦闘に使えるんですか⋯⋯?」

「ええ、まっっっっったく使えません。しかし、私の異能は"真能(しんのう)"に()()しています。」

「「真能⋯⋯?」」

「では真能を解説していきましょう。異能は練度がある、と先ほど言いましたね。練度を高め続け、威玉の威の容量が一定数以上に到達する。そうすると、"異能(いのう)"は"真能(しんのう)"に進化します。

私が異能しか持っていない時、私は遠征に同行し、植物や動物などを鑑定し、毒の有無、肉の硬さなど、補給係のようなことをしており、ほぼ毎日威を使い果たしていました。

そんなある日。突如私の鑑定眼に激痛が走り、私はしばらく悶え、医務室で看病してもらっていました。痛みも治まったころ。遠征の最高責任者だったナサさんに鑑定眼について聞くと、私の眼は異能から真能へ進化した、と言われました。私の異能は、真能『魔眼(まがん)』に進化していたのです。

魔眼の効果は圧倒的、眼に入った者の威を消費させたり、精神にダメージを与えたりなど。強力な対人戦闘力を手に入れていました。」


 異能が進化し、真能に成った。鑑定眼という戦闘とかけ離れた能力が、対人戦闘能力を手に入れるとは。


「ちなみに真能は新たな力が目覚めた、というカンジで、異能も普通に使えます。進化するほど威の消費量が大きくなるのが悩みですがね。ちなみに真能がさらに進化し、()()すると、権能になります。私はまだそこまでいっていません。」

「あの、権能って、誰が持っているんですか?」

「権能は特級ならほとんどが持っていますよ。ナサさんや、⋯⋯まあ、そんなカンジの人たちです。あと、ウムヴェルト君たちちょっと鑑定していいですか?」

「あ、はい。ぜひ!」


 鑑定か。自分の状態や能力などは見れるのだろうか。


「⋯⋯⋯⋯⋯⋯? ⋯⋯⋯⋯! ⋯⋯そろそろ外も暗いですね。こんな時間です。部屋に戻って寝ましょう」

「「はーい」」


 フーゴーさんがすこし困惑の表情を見せ、平常通りに戻る。

 鑑定の結果を知りたがったが、なにかあったのだろうか。まあ、おそらく健康診断みたいな感じだろう。問題ナシ!


 こうして、俺たちはフーゴーさんに威の説明をしてもらい、部屋に戻った。

 ちなみに、ルークはそのあと簡単に説明をすると、何とか理解できたようだ。


 どうせなら明日も任務を受けに行こう。よし、健康のためにも早く寝よう。




 ◇ ◇ ◇




 ~MPE九階 最上級戦闘員以上専用本部資料室~


「⋯⋯権能⋯⋯なぜウムヴェルト君が⋯⋯」


 そのようなことをつぶやきながら、最上級戦闘員以上限定の本部資料室にて、険しい顔で本をめくる。

 ウムヴェルトを鑑定眼で見たとき、彼には二つ、()()()()()があった。


 一つ目は、権能を持っていたこと。


「生まれながらの権能⋯⋯もう覚醒⋯⋯?

いや、しかし真能は持っていなかった⋯⋯」


 そう言い、フーゴーはとある分厚い本のとあるページで手を止めた。


「⋯⋯⋯⋯なるほど⋯⋯ウムヴェルト君の権能はおそらく遺伝したもの⋯⋯」


 そう言い、フーゴーは本を凝視する。


「⋯⋯権能は子供に遺伝する。ならば権能持ちの子供ならば持っていてもおかしくない⋯⋯それはいい」


 そして、フーゴーは新しい本を手に取り


「MPEの権能を使える者にこのような権能はなかった⋯⋯」


 とつぶやく。



 フーゴーが違和感を持ったウムヴェルトの二つ目の不可解な点。

 ウムヴェルト以外の二人にも共通していたその不可解な点。


 それは






 ()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()





異能を使用する際に使用する脳のエネルギー。時間経過でも回復し、使用すれば使用するほどだんだん容量も増えていく。


威玉

能の異能の宿るところ。威をここで消費し異能を使用する。


異能

威玉に宿る能力。使用すればするほど練度が上がる。


真能

異能の練度が上がり、威の容量も一定数に増えると進化する。


権能

真能の覚醒先。真能の練度が上がり、威の容量も一定数に増えると覚醒する。

ほとんど使い手はいない。子に遺伝する。しかし出力は子の異能の出力に比例。


神能

■■■■■■■・■■■■■の■を直接■■■■ことによって■化。

もしくは、普通ではありえない■■■■■■を■■■■ことによっても■化する。

現在、過去一名のみ確認済み。

また、■■■■■■■・■■■■■は■■の■■という説もあるが、真相は不明。


MPE特級以上限定重要参考資料室より一部抜粋。

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