第三十話 クソの戦い
投稿遅れました、申し訳ないです
―――コココ……コッ……コッコッコッココココココココ
ケートゥス、海の怪物がナサ、ヴォルターに向けて触角を振る。ただの巨大な触角。それを振るだけで、大惨事となる。二人は跳ぶなどをして避けるが、周囲の木の葉が消し飛び、余波だけで付近の一般職員が吹き飛び、動かなくなる。
ケートゥスの中にはヴォルター、ナサしかいない。一般職員には殺してはいけない職員はいるが、余波だけではおそらく死にはしない。
「……最初は頼ンダ」
「わかった」
この二人は最上級以上の猛者。急にランクⅤが出てきたからといって驚き腰を抜かすようなことはない。なんかきた。それで終わりだ。
そういい、ナサは拳にエネルギーを集める。しかしケートゥスもただ見ているだけではない。ケートゥスは主に本能でのみ動く。エネルギーの濃さ、脅威の強さは本能でわかる。
――――ゴゴゴゴゴゴゴ…………
「グッう……!?」
「チっ……!」
ケートゥスが行ったのは〝出威〟。ただただ威を放出するだけであり、本来はどれだけ極めても威圧にしか使えない。しかし、ケートゥスのような怪物が行えば話は変わる。その放出量により、地面はえぐれ、木は空を飛ぶ。
「『滅亡の一撃』!」
――――ココッ……!
ケートゥスの顔面に、不規則に大小が変化する黒いエネルギーが叩き込まれる。
威をとどまらせる〝溜威〟。本来エネルギーの塊として、威の回復や威物の遠隔起動などに使用し、戦闘には使わない〝溜威〟だが、威を纏う〝威鎧〟と組み合わせることでエネルギーを完全に消費するまで対象にくっつき、多段ヒットをする技。
小さな町に一つ放ったら対象を探し続け、その町は滅亡するだろう。
それが『滅亡の一撃』だ。
名前のわりにネチネチしているキモイ技だ。
そのエネルギーの塊はケートゥスの眼部に張り付いている。視界があるのかはわからないが、仮にあるなら見えていないだろう。
「西方遠征部隊はモウ観測基地に着いたとノコトだ! 今こちらに向カッテイル!」
「早めに頼むよ……」
―――ゴゴゴココココココ!!!!!
またケートゥスの鳴き声が激しくなり、左の触手を振る。
触角を振っただけとは思えない風圧が起きる。
あの大きさの触角にしては振る速さが早すぎる。
「『極太光線』!」
ケートゥスの腹部に極太の光線が放たれる。表面が少し焦げ、煙が出る。おそらく、確実に、効いていない。
「…………自慢のヘイキだとイウのに。ことごトク効カナイ……」
――――ゴゴゴゴゴゴココココココ…………
ズアッ、と聞こえたと錯覚するほど高出力の〝出威〟ケートゥスから放たれる。超広範囲攻撃、威力は分散するが分散しても十分な威力がある。
「ギッ……」
「クソっ……」
なお、先ほど気絶した一般職員は輸送車の方にいた職員により回収され、現在は観測基地に向かっている。
「最悪の日だよ、ランクⅤに遭遇するとか」
「今更カ。黙ッテ戦エ」
「はいはい」
再度ナサが右拳にエネルギーを集める。
ただのこのエネルギーの殴り合いだと海の怪物にナサは絶対勝てないだろう。しかし、本来の目的は観測基地への到達。ケートゥスの行動は大振りであり避けやすいため、負けはしないだろう。出威が使われなかったの話だが。
先ほど叩き込んだ『滅亡の一撃』のエネルギーが残るところとは別に、後頭部のような場所に攻撃を叩き込む。
「『鬼の一撃』!」
――――コ コ コ コ コ コ コ コ コ コ … … … … ッ
外皮が周りと比べてあきらかにへこむ。
「チィッ……威力が足りん」
「相性がワルイ。『破壊光線』!!!」
ケートゥスの顔面部分に赤く光る閃光が放たれる。
―――コ コ コ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ コ コ … … … … ッ ! !
その赤い旋光はナサの残した黒いエネルギー弾のエネルギーにあたり、そのエネルギーを吸収し、顔面に直撃し、ケートゥスの体が震える。
「おいおい、なんで私のやつ無くなったんだ」
「吸収シタ。俺の光線は〝威〟のタンクに相性がイイモンデナ」
―――コ コ コ コ コ コ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ! ! ! !
「ギッ……」
「むッ……」
ケートゥスの出威が再度放たれる。先ほどより出力が上がっている。ナサ、ヴォルターは後方に吹き飛ばさてしまう。
「いってぇ……、おい増援はいつだ」
「アア。アルテュールが来ル。幸いケートゥスは輸送車ハ眼中にナイ。耐えるゾ」
「ハァ……まあアイツの異能ならすぐ来れるだろ」
吹き飛ばされたあとに体の埃をはたき、痛む箇所を確認しながらそのような無駄口をたたく。ケートゥスはナサ、ヴォルターをどこに吹き飛ばしたかわかっていないらしく、探し回っている。
時間を稼ぐだけならこのまま時間を稼ぐだけでいいが、輸送車にケートゥスが気づかない保証はない。
そのため、この二人はケートゥスを相手にしなければならない。
出威は物理攻撃の覇王色の覇気的なやつです。
あとヴォルターは喉が壊れていて人工声帯をつけているからしゃべり方キモイです。決して誰がしゃべってるかわかりやすくしたかったとかではないです。絶対。おそらく。多分。




