第二十話 格の違い
ストックが切れたのでしばらく二日~三日での不定期更新になると思います。
申し訳ない……
|北方遠征部隊|
「ウムヴェルト君! そろそろ交代だ!」
北方遠征部隊、小隊。俺はあの六本手魚のことは忘れ、キチンと職員としての業務、にいそしんでいた。
「おう、わかった。それはいいんだが、もう暗い。もうじき就寝だ」
「まあ、寝る前までの少しは僕が変わってあげるよ」
「仕事してるアピールかよ……」
そのような軽口を言いながら、俺はギルベルトと交代をする。今日ももうすぐ終わり、明日で五日目。一週間とすこし後には樹海に着く。樹海に入れば六本手魚のようなものもまたいるのだろうか。……いや、考えないようにしよう。気分が悪くなる。
そして、あの六本手魚と交戦したことでわかった。俺はまだまだ未熟なのだ。異能も解放したばかりであり、使用もまだ二、三回のみ。ランクⅡとは戦うことができたが、だからといってランクⅢ以上とも戦えるというのは調子に乗りすぎた。
人類躍進計画がどうなるかはわからないが、実戦経験を積むなり、さらに使用をするなどをして異能を鍛えていかなくてはならない。
「そんじゃ、俺は輸送車に戻っておくよ」
「おうよ」
そうギルベルトに告げ、俺はその場を後にして輸送車に戻る。災害生物は日が沈むと大体は睡眠状態に入る。そのため、出発も起きるかどうかの午前四時に出発する。今は十六時ほど。あと少しすれば俺たちは就寝、自由時間だ。風呂などに入る事ができないのは気になるが、確か本部の売店で便利威物が打っていたので、体を清められる異物があるのなら買っておこう。
あと、この任務は全職員に一律の報酬が払われるらしい。成功報酬やボーナスなどもあり、かなり実のりがいいらしい。
この任務が終わったらバッと豪遊してみてもいいかもしれない。
それに、どうやら本部の少し遠くには映画館やらなんでもある娯楽施設もあるらしいな。いつかルークとセレーネと一緒に行ってみてもいいかもしれない。一つの楽しみにしておこう。
そして、日が沈み、遠征部隊は休息に入る。
***
「まさか何の技も当たらないとは……」
「……」
反人類者収容所、一階。シェシュとシュモーネは看守室にすらたどり着けずにいた。
殺刃嵐をシュモーネが放ったが、『二つ目の命』を複数個保有しているシェシュを振り回し、代わりに受けさせる、という脳筋戦法ですべてを防がれた。
その後もヒットアンドウェイを繰り返し、シュモーネの残りの威も残り少なく、シェシュの六つあった『二つ目の命』ももうない。
シェシュの真能は、操っている者の体を自由に人形のように操れる。そして、偶に解除したりすることで、たとえシェシュの動かし方の癖が覚えられようが、シュモーネに切り替えられ、予想外の動きができる。逆も同じだ。シェシュが上から俯瞰し、後方からの奇襲に対応するなどの戦法、そして付近の物に異能を行使し、奇襲もお手の物。
その上シェシュ自身も実は類稀なる素の身体能力をもっており、シェシュが奇襲されようが、大体は何の意味もない。
――――しかし、目の前の特級戦闘員、ロッヘンは違う。
それらの戦法が、すべて速さと練度のみで潰された。
シェシュとシュモーネはロッヘンを舐めていなかった。『二つ目の命』も用意し、ローブの下には、頑丈な繊維で作った服を何重にも重ね、現在威の出力、自然回復量を大幅に増加させる威物もを使用している。
しかしそれでも一発も攻撃が入らない。
どれだけダメージをシェシュとシュモーネが負っても、まったく油断をせずに隙を狙って奇襲をしてくる。シェシュの異能の木の手は傷を負わないので無傷だが、シュモーネとシェシュはかなり疲弊している。
ロッヘンの権能、【闇夜の殺し屋】は小細工一切なし、機動力を超大幅に上げ、身体能力を全体的に向上させる。そのため、対策が極端に難しい。超高速で、油断をせずにただただ敵を殺す。そして、威の消費量が少なく、長時間使用することができ、持続力も圧倒的。
それによってロッヘンは特級戦闘員に任命されたのだ。
「……」
「化け物が……! シュモーネ、もういい。アレを使う」
「……わかり、ました」
そういい、シュモーネは懐から一つの瓶を取り出す。
その瓶の中には、〝大〟災害生物、〝源鏡〟アテリーゴ。
その欠片が入っていた。
次は大災害生物についての話を書くと思います。




