第十八話 レベルの違い
ストックが切れたのでしばらく二日~三日での不定期更新になると思います。
申し訳ない……
|北方遠征部隊|
「ウムヴェルト君! そろそろ交代だ!」
北方遠征部隊、小隊。俺はあの六本手魚のことは忘れ、キチンと職員としての業務、にいそしんでいた。
「おう、わかった。それはいいんだが、もう暗い。もうじき就寝だ」
「まあ、寝る前までの少しは僕が変わってあげるよ」
「仕事してるアピールかよ……」
そのような軽口を言いながら、俺はギルベルトと交代をする。今日ももうすぐ終わり、明日で三日目。三日目には樹海に着く。樹海に入れば六本手魚のようなものもまたいるのだろうか。……いや、考えないようにしよう。気分が悪くなる。
そして、あの六本手魚と交戦したことでわかった。俺はまだまだ未熟なのだ。異能も解放したばかりであり、使用もまだ二、三回のみ。ランクⅡとは戦うことができたが、だからといってランクⅢ以上とも戦えるというのは調子に乗りすぎた。
人類躍進計画がどうなるかはわからないが、実戦経験を積むなり、さらに使用をするなどをして異能を鍛えていかなくてはならない。
「そんじゃ、俺は輸送車に戻っておくよ」
「おうよ」
そうギルベルトに告げ、俺はその場を後にして輸送車に戻る。災害生物は日が沈むと大体は睡眠状態に入る。そのため、出発も起きるかどうかの午前四時に出発する。今は十六時ほど。あと少しすれば俺たちは就寝、自由時間だ。風呂などに入る事ができないのは気になるが、確か本部の売店で便利威物が打っていたので、体を清められる異物があるのなら買っておこう。
「よっと……」
そういい輸送車に戻った俺はカバンの中から何冊か本を取り出す。暇になるときもあるため、本部図書館から何冊か本を借りておいたのだ。俺が借りたのは歴史関係の書物、〈神災とはなんなのか〉〈神災偉人伝〉〈人類躍進計画とは〉などなど。一冊一冊がかなりのボリュームだ。
昨日は読むことができなかった。
人類躍進計画とは、から読んでみよう。中に書いてあることのうち、作戦の内容はほとんど同じ。自分たちを囮として強い災害生物は屠り、弱い災害生物は追っ払う。そして災害生物がいなくなったら、それは新たな人類領となる。
しかし、その奪った領土はもちろん荒れ地、もしくは樹海。人が住めるところではないため、整備する必要がある。あと、目的としては災害生物領を減らす、と言った方がいいだろう。整備よりも侵攻し、災害生物領を減らすことが優先順位は高い。まあ、整備しないというわけにもいかないがな。
すくなくとも大体は言われていることと同じだ。この本は人類連合の本国でも普通に販売されているため、異能などは書かれていないが。
神災についての本は内容が薄い。いうてほとんどは不明だからな。歴史の年表みたいになっている。
そして偉人について。アンファング・ヘルツ、俺の祖先や、ユクスキュルという名前の裏切り者、などなど様々な人物がいる。
いつか一度会ってみたい。会うのはおそらく死んだあとだろう。
そして、日が沈み、遠征部隊は休息に入る。
***
「まさか何の技も当たらないとは……」
「……」
反人類者収容所、一階。シェシュとシュモーネは看守室にすらたどり着けずにいた。
殺刃嵐をシュモーネが放ったが、『二つ目の命』を複数個保有しているシェシュを振り回し、代わりに受けさせる、という脳筋戦法ですべてを防いだ。その後もヒットアンドウェイを繰り返し、シュモーネの残りの威も残り少なく、シェシュの六つあった『二つ目の命』ももうない。
シェシュの真能は、操っている者の体を自由に人形のように操れる。そして、偶に解除したりすることで、たとえシェシュの動かし方の癖が覚えられようが、シュモーネに切り替えられ、予想外の動きができる。逆も同じだ。シェシュが上から俯瞰し、後方からの奇襲に対応するなどの戦法、そして付近の物に異能を行使し、奇襲もお手の物。
シェシュ自身も実は類稀なる素の身体能力をもっており、シェシュが奇襲されようが、大体は何の意味もない。
――――しかし、目の前の特級戦闘員、ロッヘンは違う。
それらの戦法が、すべて速さのみで潰された。
シェシュとシュモーネはロッヘンを舐めていなかった。『二つ目の命』も用意し、ローブの下には、頑丈な繊維で作った服を何重にも重ね、現在威の出力、自然回復量を大幅に増加させる威物を使用している。
しかしそれでも一発も攻撃が入らない。
どれだけダメージをシェシュとシュモーネが負っても、まったく油断をせずに隙を狙って奇襲をしてくる。シェシュの異能の木の手は傷を負わないので無傷だが、シュモーネとシェシュはかなり疲弊している。
ロッヘンの権能、【闇夜の殺し屋】は小細工一切なしで、機動力を超大幅に上げるのみ。そのため、対策が極端に難しい。超高速で、油断をせずにただただ敵を殺す。
それによってロッヘンは特級戦闘員に任命されたのだ。
ちなみに身長とこの体重の軽さは体質である。
「諦推奨。無奪命」
「化け物が……! シュモーネ、もういい。アレを使う」
「……わかり、ました」
そういい、シュモーネは懐から一つの瓶を取り出す。
その瓶の中には、〝大〟災害生物、〝源鏡〟アテリーゴ。
その欠片が入っていた。
次は大災害生物についての話を書くと思います。




