10話
結局校舎に到着したのは、集合時間ギリギリであった。これは、二人の歩く速度が遅いのではなく到着がギリギリであったためであった。
「姉上、私の教室分かりますか?」
「そうだった。言ってなかった。」
姉であるクリームヒルトは、教室をルルに伝えることを忘れていた。
「こっちよ」
そう言って、自身が忘れて居たことを隠すためルルを教室に案内しだした。校舎は非常に広く各学年ごとに必要な物がそろった教室があり各授業ごとにその教室に移動している。クリームヒルトは、この学校6年目であるためルルたち1年生用の校舎に迷うことなく案内していた。
「ここよ」
「ここですか?」
「ええ、じゃあ。また後で」
「どこに行くのですか?」
「私たちの学年の校舎にね」
そう言ってクリームヒルトは、歩いて行った。
クリームヒルトに案内された校舎は、4階建てであり無償の初等学校であれば全学年の教室が置けるぐらい巨大であった。
「入るか」
そう言って、ルルは校舎に入って行った。校舎は、土足であった、そして入るとすぐに4階までの吹き抜けがありそこに受付があった。その受付に2人の人物がいた。
「おはようございます。ルルさんですね」
「はい」
「それでは、正面の階段を上がって行き3階の突き当りにある1-1と書かれた教室に入ってください」
「ありがとうございます」
お礼を言ったルルは、受付の人が言った通りにその教室に向った。そしてその教室は非常にわかりやすくそこだけ電気が教室から漏れていたこともありすぐに見つかった。教室に入るとそこには、既にルル以外の生徒がそろっていた。そして胸元の刺繍以外同じ制服を着た学生がいた。ルルが教室に入る音が聞こえた他の生徒はルルの方を一斉に見て教師でなかったことを確認した生徒たちは、既に顔見知りがいた者は身内で会話を始めた、そうでないものは視線を基に戻した。ルルは、黒板を確認すると一部がスクリーンになっているようでありそこには、各学生の家名が書かれていた。その座席表を確認したところルルの席は窓側の最後尾であった。確認したルルは自身の席に着席しようと机を確認していた。その机は非常に大きく10歳には動かせるようなものでなく大人二人でも動かすのに苦労しそうな代物であった。その机が教室に30卓並んでいるのはある意味壮観であった。
ルルが確認し終わるとタイミングを計っていたかのように一人の軍服を着た男が入ってきた。その男は、非常に身長が高く190㎝ほで筋肉質であり威圧感があった。その男は教台に上がり手にしていた電子端末を置くや否やしゃべだした。
「諸君、おはよう」
その教員であろう男は、皆が反応に戸惑っているのに気が付いていないようでそのまま話し出した。
「私は、諸君を10年まで教官で担任をする。クリストフ・ガカリジャイスだ。よろしくだ」
なんとか反応できた数名が「よろしくお願いします」と返答した。
「緊張しているのか、まあ良い。いずれなれるであろう。私は、ここの教員でもあるが同時に軍人でもある。このアキ初等学校は軍が管理しているためである。また、諸君は入学と同時に準軍人となった」
行き成り驚くことの連発であったのであろうクラスの学生は知らないものもいたようで驚いていた。
「それと、わたしは少尉であり諸君は準軍事であるが軍曹でありこの学校では、親の地位関係なく各階級により私が上位の地位に居ることになるな」
このことにさらに驚いているようでクラスでルルを除いてみな驚いていた。ルルは知っていた。多くのここに通う初年度の学生たちはここの正式名はアキナカ有額初等学校と思われているがアキナカ有額軍事初等学校が正式名である。
「みな驚いているようだな」
クリストフは、楽しそうに教室中を見たいてのだがルルと目が合い少し驚いていたのだが胸元に刺繍されていた2振りの交差する剣の金の刺繍を見ると納得したかのような反応をした。
「やはり、刺繍も持ちは反応しないか。おい、諸君そろそろ入学式が行う時間だ行くぞ」
そう言ってクリストフは、教室を出て行った。どうも案内をするつもりはないようであったが入学式が行われる場所は、距離はないようであり教室の窓から丘の上に周囲の建物とは異なりエタ島の軍港にある軍の体育館と同じ形をしているのだが装飾の有無が違いとなっていた。
その建物を見ていると教室の出入り口から右腕に生徒会と書かれた腕章がまかれている女性が立っておりその女性はクリームヒルトより少し身長が高いぐらいであった。そして胸元には剣の刺繍がされていたが糸の色が金色でなく銀色であった。この銀色の刺繍は次席を意味している物でもあった。そして腕には桜が2つ入っていた。
「入学おめでとうございます。生徒会副会長のイザベラ・アトキンスです。皆さんを式典会場まで案内するようしいと会長らの指示で伺いました。」
その女性は、如何にも真面目そうであった。しかしこの人物のことをルルは知っていた。正しくは、イザベラの父のことであるのだが。この一族は、ボルムス家に代々士官している家でイザベラの父は、空軍の元帥でリングフスト・アトキンスであり空軍を指揮している。




