表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ぶつだんはワープ穴☆  作者: 有羽妃
25/27

教室つながり

と、男性が腕時計を見る。


「お。そろそろ、教室の時間だな」


教室……何かの先生、だろうか。

そうおもいながら、サユリは、手にしていた店の名刺を差し出す。


「これに、電話番号がのっています」

「ああ。ありがとう。俺たち、すぐそこにあるガス会社のショールームでやってる料理教室に行ってて。ここに仏壇屋さんがあるって、こないだおしえてもらったんだ」

「りょ、──料理教室?」

「そう。料理教室って、若い女性が多いだろう? 俺、昔から、料理はダメだけど、洗い物はけっこう好きでね。せっせと鍋とかボウルとか洗ってると、すてき、こんな旦那さんいいなー、って若い子たちにちやほやしてもらえて、愉快なことこの上なくてさー。大好きなんだよ、料理教室!」


男性が、がははと声を立てて笑った。

本当に愉快そうだ。

男の料理教室通いに、そんな楽しみ方があったとは。

サユリは、青年の方に視線を向けた。

ということは、彼も、料理教室の生徒なのだろうか。

それもまた、ふしぎだ。


「おまえは何で、料理教室に来てんだっけ?」

「ああ、えっと。今年の健康診断で、再検査が必要、とか言われて。外食ばっかりで腹も出てたし、このままじゃ早死にするって親にも脅されて、自炊でもするかー、と」

「脅すのはどうかとおもうが。そこで、ダイエットとか、サプリメントとかに走らず、自炊しよう、って思い立ったのがすばらしいな」

「まー、今おもえば、直感ってやつですけど。おかげであなたに出会えて、ほんっと良かった」


青年のことばに、男性がにこにことほほえむ。

サユリは彼にも名刺を渡した。


「それで。とりあえず今日は、般若心経の経本と、線香だけもらって行こうかな。エア仏壇の前で、お経読んで、線香だけでも焚こうかと」

「おお、いいな。線香も、自分がリラックスできる高次の香りを選べよ。といっても、焚いて選ぶわけにいかないから、まあ、それも直感だろうけど」

「ええっと。いちおう、試供品があそこに。お線香は、こっちにありますけど」


前に立って、線香が並んだ棚の前に案内すると、青年はうーん、と唸った。

あごに手をやって、首をひねっている。


「線香ってこのくらいの値段だっけ? 進物とか、もっといいやつがありそうだけど」


サユリは首をかしげた。

お香は別の場所にあるが、線香は見たところ、そこだけだったが。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ