始まりの足音
「姉さん! 」
ケイシーちゃんが倒れこんでいるシンシアに駆け寄る。
お姉さんが心配な様だ。
「大丈夫だよ。 気絶しているだけ。 」
ケイシーちゃんは俺が言った言葉に安心したのかへたり込んでしまった。
「っん ケイシー? ああそうか私は負けたのか。 」
「もう、姉さんあんまり無茶しないでよ。 いつか本当に死んじゃうよ。」
そうこうしている内にシンシアは目覚め、それをにケイシーが泣きついている。
だが俺はシンシアが言った言葉に強い抵抗を覚える。
シンシアは自分が負けたと言っているが俺の負けだ。 読み合いという戦いに置いて俺は手も足も出なかった。
強力なスキルでごり押しして勝てただけだ。
今ならこれで通じるかもしれないが、いつかきっと通じない敵が現れる。
それはダメだ。俺は何よりも強くなくてはならない。
奪われないためにも。
俺はシンシアに歩み寄る。
「シンシアさん、それは違います。僕の完敗です。読み合いという勝負においてこの眼という圧倒的アドバンテージがありながら僕は貴方に手も足も出なかった。」
俺は片目を手で覆いながらシンシアさんに言う。
自然と顔に悔しいという感情が出てしまう。
それを聞いたシンシアは、目を丸くした後首を振った。
「それこそ違うよルディア。 あのままやっていたら君の圧倒的な剣圧に晒されていて負けていたのは私だ。でも君は納得しないだろう。 だからと言って私の勝利とするのも私が納得しない。 そこで引き分け、というのはどうだろう? 」
シンシアがそんな事を提案してくるが正直納得できないが仕方ないだろう。
「わか、りました。 シンシアさん差し出がましいお願いですが毎週ここで試合をしてくれませんか? 僕には対人戦が足りていない。」
「それは願ったり叶ったりだ。 私も格上とのいい経験になる。」
「ありがとうございます。」
俺は頭をシンシアさんに下げながら試合を通して全ての技術を盗んでやると意気込むのだった。
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「ヴィオラちゃん、また来週ね。」
「ヴィオラ様お元気で。」
俺は今校門の前まで見送りに来てくれているヴィオラちゃん達に手を振り帰路につく。
あれから俺はシンシアと試合を繰り返した。
結果的にすべて勝っているが技術が全く身につかない。
道のりは遠そうだ。
明日から学校か確か授業が始まるんだったよな。
楽しみだな〜 何があるんだろ? そう言えば何やるのか全く知らないな。
でも座学はきっとあるんだろうな。
うわ、絶対に1番取らないといけないじゃないか。小学生に負けたら俺の心がへし折れるかもしれない。
「坊っちゃま、今日の夕飯はどういたしましょうか? 」
俺が絶対に1番を取らなきゃいけないと言う重圧に打ち拉がれているとアリアが夕飯何にするか聞いてきたので適当に答える。
今はそんな余裕ないのだ。
「ああそうだな、アリアのご飯はなんでも美味しいから任せるよ。」
「そんな、坊っちゃま褒めても何も出ませんよ? 」
俺が言ったことのアリアは頬を赤く染め笑顔でそんな事を言って来たのでちょっとイタズラしたくなった。
「そんなことないじゃないか、アリアの素敵な笑顔が出たよ。 」
「そ、そ、そ、それはどういう‥‥。」
立ち止まり顔を真っ赤に染め上げどもりまくっている。予想どうりの反応に満足した俺は駆け出す。
「ほらアリア先に行くからね。 置いてくよ? 」
「ちょっと待ってください! 坊っちゃま〜 」
後ろから聞こえてくるアリアの声を聞きながら俺はこれ案外面白いな時々やってみようと思ったのだった。
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「私の授業は2人1組でグループを作り学園都市外に出て魔物狩りをする。
グループ分けは此方で既に決めてある。今から発表するのでよく聴いているように。」
あれから家に帰り朝を迎えた俺は何故かまた家の前まで迎えに来た男子諸君を引き連れ学校に向かった。
もうあの俺を先頭とした隊列は避けられないらしい。
学校についた俺は気になっていたことをクロエに聞いてみると王立リーデンブルグ学園は午前中座学、午後訓練だそうだ。
転生前と同じメニューだったのできっとこれが王国のスタンダードなのだろう。
やっぱり座学あるのかと構えていたが、杞憂に終わった。
数学は足し算引き算だし、国語は文字を書きましょうみたいなものだったので俺でも余裕だ。
でもそれは今のうちだろう。今から勉強しておかねば。確か図書館あったよな?
そして今は午後の訓練の時間だ。
今日はゼンツさんの授業らしい。
「ルディア・ゾディック、クロエ・アークライト1班 、 ジルコ・ベイン、ゼット・ザグシード 2班‥‥‥」
ゼンツさんが班分けを発表していくがこれって一次試験の時の順位で決めてるよな。
先生たちもテキトーだな。
まあクロエと一緒の班だからありがたいけど。
「クロエ一緒の班だな。よろしく。」
「そうね、宜しく。 魔物たちをバンバン狩って行きましょ! 」
シュッシュッとシャドウボクシングをしながら言ってくる。
気合い十分らしい。
「ああ、1番多く狩ろうな。」
俺とクロエが話しているとゼンツさんのグループ分けの発表終わったらしい。
「以上の11班だ。 これから学園都市外に向かう。うろちょろせずにしっかりついて来いよ。」
え、今からなのか? 今日は発表だけで次回の授業からです、みたいな感じだと思っていたんだけど。
俺が頭を傾げているとクロエに手を引かれた。
「早く行きましょ、遅れちゃうわ。」
「ああ、そうだな。 じゃあ行くか。 」
こうしてSクラスの生徒たちは学園都市外へ向かって行ったのだった。
学園都市始まって以来の危機が迫っているとは知らずに。
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