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召転のルディア  作者: NTIO
壊れゆく日常
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新たな課題

「シッ! 」


ケイシーちゃんが開始の合図を出した瞬間シンシアは素早く踏み込んでくる。

この人俺にスキルを発動させない気だな。

だが‥‥


「【観測眼】」


少し遅い。観測眼さえ発動してしまえばこちらのものだ。

まず顔に向け2回突きから、足払いをして回し蹴りか。凄いな1秒の間にここまで動くとはさすが剣鬼と呼ばれるだけある。


俺は見えた未来の通りに迫ってくるシンシアの攻撃をまず手を切らない様にそっと2回程逸らしてから足に迫る足払いを少し飛んで躱す。

最後に胸に迫る回し蹴りを叩き落として対処した。


攻撃を終えたシンシアは後ろに大きく飛び距離を取る。


「私の攻撃を全て片手で凌いだだと!? 」


信じられないのか目を見開いている。


「このくらい造作もないことです。」


ただそう答え俺はスキルを発動しようとするが‥‥


「ッ!? させない! 」


俺がしようとしていることに気づいたのか再び斬り込んできた。


左斜めへの斬り下ろしから独楽のように周り切り上げか。

それに対して俺は初撃を腕に手を添え抑える事によって防いぐ。


「流石に強いですね。 確かに生徒会の人たちと同等と言われるのも頷ける。 」


「こんな状況で言われてもただの嫌味だ、な!」


シンシアさんは押さえられている腕を押し返そうと力を入れてくるが俺の腕はビクともしない。


「本当にそう思ってますよ? ただ‥‥」


シンシアさんは冷や汗を流しながら聞き返してくる。


「た、ただ? 」


「僕の強さは次元が違うという事、ただそれだけです。 」


俺は顔に笑みを受けべながら答えて、腕に力を込めシンシアを弾き飛ばす。


「グッ!! 」


弾き飛ばされたシンシアは空中でクルリと回って綺麗に着地した。


「シンシアさん先から僕にスキルを発動させないようにしてましたよね? でも残念でしたね。 発動させてもらいます。 」


俺がそう言うとシンシアは顔にいびつな笑みを作り俺を嘲笑う。


「ハハハ 私がそんな事させるとでも? 君は本当に冗談が好きなようだ。 あんまり私をなめるなよ。」


癪に触ったようで、静かに怒りを露わにしている。


「いいえ、これから貴方は僕がスキルを発動するまで指一本たりとも動かせません。」


俺が言っている事がなんの事か分からないのか聞き返してくるが俺は待ってやる義理はない。


「それは一体どう ウッ!! 」


俺はシンシアに手加減して重力をかける。

そこで大人しく見ていて貰おう。 まあスキルを発動したら、重力操作は使わないから安心してくれ。

使ったらつまらない戦いになっちゃうからな。



「いくぞレヴィ。 【顕現せよ我が力、世界を恐怖のどん底に叩き込め、魔剣レーヴァテイン 】 」


(いいわよ〜 )


俺が魔剣召喚をする言葉を唱えると、胸に銀色の魔方陣が浮かび上がりそこから魔剣の柄が出てくる。

それを俺は掴み取り引き抜く。


「 【身体強化】 【聖具召喚 lv4】 」


体がキラキラと輝いて最後に全て黄金に輝く鉱物で造られた聖具を纏う。


ここまでしなくても恐らく余裕で勝てるだろうが、全力を出さないのはシンシアに対しても失礼だし、魔力を使えば使うほど増える俺の特性もある。


だから全力で行く。 重力操作は使わないけど。


俺はシンシアにかけていた重力を元に戻す。


「はぁはぁ 恐ろしいスキルだ。 あのままでも私を倒せたんじゃないか? 」


膝に手をつきながらシンシアは立ち上がりそう言ってくる。

それに対して俺は魔剣を向けニヤリと笑った。


「簡単な事ですよ、それじゃあつまらない。 」


俺の答えを聞いたシンシアは目を丸くして笑い始めた。


「アハハハ! 君は私と同類なんだね。 そうかそうか。つまらないか。」


「フフ君は本当に面白い。それじゃあ私も存分に楽しませてもらうとしよう! シッ! 」


シンシアは先程と同じように斬り込んでくる。

だが走り方は少し違うようだ。


なんかブレている。


いや観測眼を発動しているからブレるのは当たり前なのだが、俺が足を前に出そうとすれば彼方此方に予測線が動くのだ。

こんな事今までなかったぞ。


俺が今までになかった事に混乱している内にシンシアが斬り込んできた。

上段からの振り下ろしか。


それを俺は魔剣を上に掲げ防ごうとした途端なぎ払いに予測線が変わる。


まさか、俺の動きを予測して攻撃を変えているのか!?


俺は後ろに大きく飛び退き距離と取る。

まずあの正体を突き止めねば観測眼は、逆に邪魔になる。


俺は一旦観測眼を解いた。


シンシアは魔眼を発動している形跡は無い、じゃあ別系統のスキルか?

くそ! 全くわからない。レヴィ何かわかるか?


(恐らく、貴方の筋肉の動きで次の動作を予測しているわ。 スキルでもなんでも無い技術でね。 )


うっそ、マジかよ。

つまり俺は未来をみてシンシアは筋肉を見て次の行動を知っている訳か。


上等じゃないか、俺はその上を行く!


俺は再び魔眼を発動して地面を踏み砕き、シンシアの後ろに回りこむ。


「【剣術:三天 】! 」


綺麗に三角形を描くように胸に刺突をする。

だがしゃがみ込み避けられてしまう。

俺の攻撃は直線上にあった壁を穿つだけだ。


シンシアはしゃがみ込んだ体勢からスキルを発動してくる。


「【体術:翠月】 ! 」


俺はその高速の足払いをバク転をして躱し、即座に切り込む。

バツを描くように魔剣を振るい飛び跳ね振り下ろす。

振り下ろした魔剣を振り上げてから上段を左からなぎ払い、それを切り返し中段を右から斬りつける。

突く様に見せかけ足払いをするが飛んで避けられる。


クソ! 予測線に合わせて攻撃しているが全く当たらない。

しかも、フェイントが全く通じない。 完全に封じられている。


勝つにはアレしかない。でもあれを使わされた時点である意味負けか。

すごいよ、シンシア俺に負けを認めさせるなんてな!


「シンシア、僕の勝ちだ。 でも僕の負けだ。 」


「はぁはぁ な、にを言っているんだ。」


息も絶え絶えの様子でシンシアが聞き返してくるが俺は答えない。

今口を開いたら醜い言い訳が出てきそうだからだ。


「【グラビティソード】 」


俺はグラビティソードを発動し、ただ無造作に薙ぎ払う。

するとグラビティソードは魔剣を振った方向に超重力発生させた。


ズゥゥゥン!!


シンシアは闘技場の壁まで吹き飛ばされ気絶した。


それを俺はただ虚しく見つめるだけだ。


この試合でよーく分かった。

俺には小手先の技術というか対人線が全く足りていない。

ここでモンスターとばっかりやり合っていた弊害が出るとは‥‥。


俺は新たな課題を胸に試合終了の合図を待つのだった。




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