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召転のルディア  作者: NTIO
壊れゆく日常
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バトルジャンキー

「決闘、ですか? 」


突然そんなことを言われて俺は困惑する。俺のそんな様子を見たのか説明を始めた。


「ああ、いきなり過ぎたな。 私はケイシーの姉のシンシア。 妹の部屋で遊んでいるところにあの有名な聖魔が来ていると聞いて、同伴させてもらったのだ。そして願わくば聖魔あなたと戦ってみたいとな。」


真剣な顔で言ってくるシンシア。

ただこの人は俺と戦いたかった様だ。


「ごめんなさいね。 うちの姉、所謂バトルジャンキーなのよ。」


申し訳なさそうな顔をしながらケイシーちゃんが謝ってくる。


「別にいいよ。 僕も戦う事は嫌いじゃないしね。 寧ろ好きだ。シンシアさん、どこか戦える場所があるんですか? 」


口元が歪むのを抑えられない。

慌てて口元を隠す。


「そうか、ありがとう。 ちょうど良いところがある。ついて来てくれ。 」


そう言ってスタスタと歩いて行った。


俺もそれについて行く。後ろからルディアも姉さんと同類だったのねとケイシーちゃんの声が聞こえてくるが本当のことなので良いだろう。


でもどのくらい強いんだろ? シンシアさん。

風紀委員の人たちを見るに期待薄だな。

いや、油断しちゃダメか。観測眼くらいは発動しておこう。


俺がそんなことを考えながら歩いていると、どうやらその戦える場所とやらについた様だ。

ここは確か‥‥。

ああそうだった。ヴィオラちゃんが闘技場と説明していたはずだ。

解放されてるのか。


「ここだ、休みの日には一般にも解放されている。 自主訓練などにみんな利用しているな。 ここなら誰にも迷惑かけないだろう。」


ここか、闘技場といえば俺の場合、聞いておかないといけない事があるな。

一応他校の闘技場だし。


「ここは、どこまでなら壊して良いんだ? 」


「「「‥‥は? 」」」


シンシアさんはもちろんの事、ついて来ていたケイシーちゃん達も固まってしまった。

ヴィオラちゃんはニコニコしているだけだ。


「いや、闘技場はどこまで壊したら怒られるのかと思ってさ。」


あの学校で怒られないのは俺が一応ただ1人のZクラスだからだろう。

でもここは違う。他校の生徒が闘技場を壊しましたってなったら怒られるだけで済むかどうかも怪しい。


「き、君は冗談がうまいようだな。 仮に壊したとして大して怒られないだろう。 ここはそういう事が起こりえる場所だからな。」


この時シンシアは壁を少し壊したとかそんな次元で言ったがルディの壊すは半壊させて大丈夫かどうかという事だった。

しかしルディは、それを聞いて安心する。これでウッカリ壊しちゃっても安心だと。

お互いの価値観の違いだった。


「そっか、ありがとう。 これで安心してできるよ。」


「アハハハ! 面白いねルディアは。」


ケイシーが笑っている。どうやら俺が冗談で言ったと思ってるらしい。

まあ良いか、戦う時に分かるだろう。


「シンシアさん、行きましょう。」


「ああそうだね、行こうか。」


そう言って俺達は闘技場の中に入っていく。


「‥‥も、もしかして本当にできるんじゃ。」


ミリアが、顎に手を当てボソっとそんなこと言っているのは誰も聞き取れなかったのだった。



‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥




俺たちが闘技場に入ると中で訓練していた人たちの視線がこっちに向く。

この学校の生徒から、冒険者らしき格好をした人までと様々だ。


「あれ、剣鬼じゃないか? 」


シンシアを見た1人の冒険者がそんな事を言った。


へ〜この人は2つ名あるだ。という事は期待して良いのかな?


「剣鬼は訓練しに来たのか? 」


「いや、あの雰囲気からしてゾロゾロ連れている誰かと試合するんだろ。」


「誰かって誰と? 」


「それは、ってあいつよく見れば聖魔じゃねえか!? 」


俺たちを見てコソコソと話していたのがザワザワと騒ぎ始めた。

というより気づくも遅すぎないか? かなり目立つ格好してるのだが。


「剣鬼と聖魔の試合か、見なきゃ損だな。」


「ああ、学園最強と剣の申し子の対決だ。 訓練している場合じゃないぜ。」


だいたい他の訓練していた人達も同じ事を言ってこちらの試合を見る体勢になった。

俺が彼方に視線を向けながらシンシアさんについて行っていると肩に手を置かれる。


「すごい人気だね。 ウチのお姉さんも大概だけど、ルディアの方が凄いみたい。」


「ケイシーちゃんのお姉さんは有名なの? 」


「そうだよ。 学園に受けて落ちちゃったんだけど、そこから頑張って今では学園の生徒会の人達と同等って言われてるんだ。 それで、鬼の様に戦う姿から剣鬼って呼ばれる様になったの。」


ほほ〜 それは本気で行ったほうが良いかな?


「へ〜 これは本気で行こうかな? 」


「ップ、やっぱりルディアは面白いよ。 1年生が4年生に勝てるわけないでしょ? しかもあのお姉ちゃんに。 」


俺はその言葉に少しイラっとした。

なら見せてあげるよ。俺の力を。


「それはどうかな? 意外とあっさり勝つかもしれないよ? じゃ! 」


そう言って俺は前を歩いているシンシアの横に並ぶ。


後ろであの人本気なの? と聞こえたが、今はシンシアに話しかける。


「シンシアさんどこでやりますか? 」


「そうだな〜 あそこにしよう。 」


それを聞いたシンシアは闘技場を見渡し空いている場所を指差した。

あそこでやるようだ。


「そうですね。 其処にしましょう。」


俺とシンシアさんは空いている場所にたどり着きお互いに少し離れてから向き合う。

ヴィオラちゃん達は、しっかりと遠くで離れて観戦する様だ。


「ケイシー試合の合図を頼む! 」


シンシアさんはケイシーちゃんに試合開始の合図を頼んだ。

頼まれたケイシーちゃんは片手を振り上げ試合開始の合図とともに腕を振り下ろした。


「試合開始! 」



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