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86.エルが出発しました。

 うー……エルが王都に行っちゃうよ。起きたくないなー……。


 いつもの様に鳥の怪獣の様な鳴き声で起こされた朝。ノアが可愛い肉球の手で私の頬をふにふにと踏んだ。


「おはよーディア寂しいの?」

「寂しい……ノアはずっと一緒にいてねぇ」


 きゅっとノアに抱き着き顔にすりすりするとノアは一緒にいるー! と可愛く答えてくれました。

 そしていつものようにダナが来て私の身支度を整えてくれ、ノアのブラッシングをして食堂へ。エルは朝食を食べてから出発するとの事。ううう……。


「おはよう、ディア、ほらこれ」


 手渡されたのは黒い魔石が付いたイヤーカフだ。すでにエルは付けている。おお! カッコいいじゃないか! シルバー素材? に黒の魔石がぷらんとぶら下がっている。


「ありがとう! カッコイイ! というかネックレスもそうだけどエルが全部作るの?」

「ああ。魔法陣の魔石をつける為に細工師に習った。簡単なのしか作れないが」


 いやいや十分でしょ! 

 自分で付けようとしたらダナがささっときてカフを装着してくれた。


「あ、あ、聞こえるか?」


 エルが黒い魔石を触りながら話すと、直接の声と一緒に二重に耳にもエルの声が聞こえて来た。


「聞こえた! 夜に話しかけるね」

「何かあればいつでもいい。いいが! くれぐれも! 大人しくしてろよ?」


 不安だ、と言いながらエルは苦笑を漏らす。


「料理長にいっぱい料理作ってもらった? ちゃんと間に合う分バッグに入ってる?」

「ああ。ありがとう。助かる」


 料理長には王都に行ってしまうエルに料理をあれこれ作ってあげてちょうだいとお願いしておいたのだ。

 ちょっとしんみりしながら朝食を終え、すこし休むとエルはもう出発だ。元の記憶が目覚めてからずっと頼って一緒にいてくれた人がいなくなっちゃうと思うと本当になんか心細い。


「いいか、余計な事はしない事。あと護衛の騎士から絶対離れるな」

「……余計な事なんていつもしてないよ。騎士からは離れません」


 余計な事をしてないよ、と言ったら軽く頭を叩かれた。うむぅ……私はしているつもりはないんだもん。

 


 エルの相棒、馬のセンと一緒にエルが館の玄関に並んでいる。勿論センに乗って行っちゃうからだ。そしてノアはセンとお互いの鼻をちょんちょんして挨拶しているのだが、可愛い。

 お見送りに並んでいるのはテオドル、ダナ、ハヴェル、護衛騎士、騎士団長だ。


「馬も黒いんだねー! セン、仲間ー!」


 ノア的に黒仲間らしい。和む。私の肩からぴょんとジャンプしてセンに乗る。センは嫌がる事も怒る事もなくノアのしたいようにさせていた。


「セン、エルを頼むね……センも一緒に何事もなく帰ってきてね」


 センの頭にぎゅーっと抱き着くとセンは当然だ、と言わんがばかりにぶるんと答えてくれる。


「センがー心配しないで待っていろってー」


 え? とエルと顔を合わせる。ノアって動物の言ってる事分かるの!?


「…………詳しく聞きたい所だが、帰ってきてからにしよう」


 エルが残念そうに呟いた。センの気持ちとか知りたかったのかな? ちょっとほのぼのする。


「お料理持ったし、イヤーカフつけてるし、売り物持ったし、……忘れ物はない? お水は? お茶は?」

「ディアは俺の母親か! そんなのなくてもどうにでもなる」


 そうなんだろうけどさー……だって心配だし。


「テオドル、ダナ、ディアを頼んだ。ハヴェルも。レオシュ、クサヴェル、ロマン、イルジー、ディアを守れ。騎士団長頼んだぞ」

「かしこまりました。お気をつけていってらっしゃいませ」

「いや…………俺が言うのもおかしいんだがな……なんで当然の様な受け答えなんだよ……」


 エルがぶつくさ言っているが今更だろうにね? うちの人達のエルへの信頼度がマジ半端ない。意味不明である。


「エル、気を付けて行ってきてね。なるべく早く帰って来てね。あ、でも無理はしなくていいから」

「分かっている。ディアもくれぐれも気を付けるように。ノア、ディアを頼むぞ」

「任せてー! ディアから離れないでずっと守っているから大丈夫だよー」


 ひらりとエルがセンの馬上に跨り、そしてまだセンの上に乗っていたノアを抱き上げるとノアに頼んでいた。イケメンと小動物っておいしすぎるよね! やばい可愛い。

 そしてノアがエルの手からぴょんとジャンプして私の元に帰ってきたんだけど、体が子猫みたいに小さいのに大きいセンの上からジャンプしてあっ! と思ったけど全然大丈夫みたい。運動能力高い?


「じゃあ行ってくる」

「いってらっしゃーい! 気を付けてねー!」


 私は門の外に出ちゃダメ、という事でここでお見送りだ。ううーエルの姿が小さくなっていく……。


「エル様は銀級冒険者なのでしょう? 大丈夫ですよ」


 ダナがそっと隣に立って慰めてくれる。まぁねー大きい魔獣を一人で余裕で討伐してきたり、魔法を気軽にほいほい使ったり、崖を上り下りしたり、壁を走れるエルですから。

 ……どう考えても普通じゃないよね? 異世界すごいな。


 さて、エルがいなくなっちゃって魔法は魔法具の手紙以外使っちゃダメとエルから言い渡されているので楽しみが少ないから何をしようかな?

 料理も大分料理長が出来るようになってきたしねぇ。パンもソーセージも頼んであるし。

 うーん……?


 

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― 新着の感想 ―
[気になる点] 主人公は現地人8歳と現代日本人の成人女性の記憶があり、何本人の記憶、精神がメインになっていると言った設定かと思うのですが、その設定で、直ぐに男に抱き付き、一週間程度仕事で離れるのが寂し…
[一言] 手紙に映像をつけてたりとか物を付属させたりとか、欲望のままに手紙を使いそうで(^_^;)
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