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87.薬師を呼んでください。

 エルがいない間はなるべく館から出ないように、と言われたので大人しくしてる事にします。一人で遊びに行ける位安全なら街に行きたいんですけどね。

 仕方なく本を読んで午前中は時間を潰しました。暇だなー。厨房に行こうかなーとも思ったけど、午前中はお昼の用意もしなきゃないし忙しいもんね。


「リーディア様、鍛冶屋とお針子工房から頼んでらした物が出来上がったので、と面会の希望がございましたが」


 昼食をノアと食べていたらテオドルから嬉しい知らせが! わーい! いいけどどっちも早くない!? 特に服なんて飾りモールとか飾り紐とかあったのに! しかも手縫いなんでしょ? ミシンないよね?


「今日の今日っていうのは……」

「明日以降にしてください」


 急に呼び出されても相手が困るとの事でした。仕方ないね。


「じゃあ明日の午前中で」

「かしこまりました。ではそのように伝えます」


 テオドルと一緒にハヴェルが行動している。是非ツィブルカの他の地の事もどうにかしたいのでお勉強頑張っていただきたい。

 エルどこまで行ったかなー? といっても地図も知らないので地名言われても分からないけども。

 そういえば回復薬とか魔力回復薬とか高価だって言ってたのに私に使って、自分の分あるのかな……? あ、薬師! 薬師のお勉強ならどお? お勉強だけなら問題ないよね?


「テオドル、領都に薬師はいますか?」

「ええ、それは勿論。大分お年を召しておりますがいらっしゃいますよ?」


 それが何か? とテオドルが首を傾げた。


「私、薬師のお勉強もしたいんです。来ていただく事は可能でしょうか? 本当は私が行きたい所だけど……」


 それはダメです、とテオドルにもダナにもハヴェルにも止められてむぅっと口を尖らせるがエルから言われているので諦めるよ!


「…………では、薬師に使いを出してみます」

「もし来ていただけるのなら薬草の本とか見せて欲しいと伝えてください。覚えたいので」

「……………………ワカリマシタ」


 え? なんで棒読み? 別に勉強位ならいいよね?

 とりあえず薬師の人は来てくれるかまだ分からないけど、明日の午前は面会が決まって、午後は泡だて器の使い方講習かなー? ついでにスフレチーズケーキも作ってもらおう。あ、シフォンケーキの型を作ってもらえばシフォンケーキもいける? でも生クリームないけど。生クリーム欲しいよね! どうやってミルクから生クリームにするんだろ? 遠心力で分離とか聞いた事あるような気もするけど、この世界で遠心力って難しいよね?

 エル位尋常じゃない体の造りしてる人なら手動でもいけるのか? いや、エルを機械代わりに考えちゃいけないよね!


 あれこれ考えているうちにお昼時間も終わってしまいました。

 明日の予定は出来たけど、今日は何しようかなー。でもエルがいないからやる気もあんまり出ないし。厨房からも呼び出しもないからダナと一緒に本でも読んでもっとすらすら読めるようにお勉強しとこうか。



『大人しくしていたか?』


 エルからの声が聞こえたのはダナがおやすみなさい、と下がってからだ。私はベッドに入っていてエルの声が突然響いてきた事に驚いた。呼び出し音とかやっぱ欲しいね。送信時呼び出しリンリンとか魔法陣に入れたら鳴るのか?

 私はイヤーカフの魔石を指先で触り口を開いた。


「おとなしくしてたよー。ずっと部屋でダナと一緒にいたもん」

『それならいい』


 いい声だなー。低くて響く声だ。


「どこまで進んだの? 何もなかった?」

『問題ない。進んだのは王都まで三分の一という所か』

「……明日着くの?」

『その予定だ。明日の夜になる前位。センが早いからな』


 そっか……センじゃなかったらもっと時間がかかるんだ?


「普通はツィブルカから王都までどれ位かかるの?」

『馬車だと早くて七日だな』

「……は?」


 え? 馬車で行くと一週間もかかるところを二日で行くの? え? それって可能なの? ……ま、エルだからね。私にばっかり規格外って言うけどエルだって規格外だよね、絶対!


「明日ねー、鍛冶屋さんとお針子さんが来るんだー」

『……もう出来たのか?』

「そうみたい。早いよね! 隊服、よかったら頼んでも大丈夫かな?」

『大丈夫だろ。拡張バッグは間違いなく高値で売れる』


 そういえばお金の勉強してなかったな。銀貨が一万コハルって事は分かってるけど。一〇進法って事だよね?


「銀貨の他に貨幣の種類って何あるの?」

『下は鉄貨、銅貨、上は金貨、白金貨だ。下に半銀貨、半銅貨、半鉄貨もある』


 半分って事か。一番下が半鉄貨って事かな?


『徐々に覚えていけばいい。まぁ普通は貴族はお金を持って歩かないが。金の支払いは使用人に任せるものだが』

「えー……それってダメじゃない?」

『ダメじゃない。普通だ』


 くくっとエルが電話口、魔石口? 電話でいいよね! で笑っている。

 

『さ、もうそろそろ寝ろ。大きくなれないぞ?』

「うん。お休み、エル。明日も連絡してね。明日も気を付けてね」

『ああ、おやすみ。じゃあ』


 ふつりとエルの声が途切れた。話しているうちはいいけど、切れると寂しいね。

 

 ……これ、マジで私ってインプリンティングされてるんじゃない?

 


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― 新着の感想 ―
[一言] インプリティングすか 胃袋捕まえてるのとバーターってかむしろこっちのほうが……(・_・;
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