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85.耳飾りにして下さいー!

「これ、会話他の人には聞こえないかな?」

「何も聞こえなかったよー」

「そっか! よかったー!」


 ノアが返事してくれた。どうやら聞こえなかったらしい。安心だね! ただし人がいる所で一人で話してたらアウトだけど。


「ディアってすごいの作っちゃうんだねぇー」


 心なしかノアも呆れているような……? 気のせい気のせい!


「なのでエル! これ耳飾りにしてー! そしたらいつでも話せるし!」


 はぁーーー…………とエルがまたがっくりと肩を落とし、頭を抱えていた。


「だって……エル王都に行っちゃうんだもん。何日位?」

「…………諸々の用事こなすから帰って来るのは早くて一週間位か?」


 早くて一週間かー……私がしょぼんとするとエルが耳飾りに作っておく、と言ってくれて頭を撫でてくれた。


「ちょっと待って! 何が起きた!?」


 あ、とエルと私は声を揃えた。すっかりハヴェルがいた事忘れてたわ。この人黙っている時が静かすぎるよ!


「この魔石とこの魔石で声が伝わる魔法具を作ったらしい。分かるか? ディアは規格外だ。これでお前も秘密を共有できる仲間になったな!」


 エルがイイ笑顔でハヴェルに向かって言った。


「まだまだ人に言えないディアの秘密が山ほどあるぞ? 聞きたいか?」

「あの……出来ればわたくしめは仲間から外していただきたく存じます」


 なんかハヴェルが突然敬語を使いだした! なんで!?


「もう遅いな。だから言っただろう? ディアに関しては詮索するな、と」

「じゃあ! もう聞くけど! その動物は何!? さっきからお前もリーディア様もまるで会話しているように話しているけど!」


 エルと私は顔を合わせた。


「だって会話してるもん」

「会話できるからな。ノアは闇の眷属様だ」

「僕ノアー! よろしくね!」


「…………………………はい?」


 んん? ハヴェルにも聞こえるようにしたの? 違うの? 


「聞こえてないよー。話すのはディアとエルだけー」

「そうなの?」

「うんっ」


 あ、どうやらハヴェルと会話はしない方向らしい。そういえば闇の眷属様だと気付いた神官とも話はしなかったもんね。


「あの……何とおっしゃいましたか?」

「神話に出てくる女神ヴェンドラの眷属のうちの闇の眷属様」

「……わたくしの聞き間違い、という事では、ない……?」


 エルがゆっくりと頷く。


「ディアは聖女だ。しかも記憶持ち。どうだ? 謎は解けたか?」


 ハヴェルは顔色を青くして口を開け、エルを見て、私を見て、ノアを見た。


「………………わたくしは何もお聞きしませんでした。申し訳ありませんが帰らせていただきます」

「えー……帰っちゃうの?」

「いや、あの……ちょーっと私には荷が重いかなーと思いまして……」


 ハヴェルが尋常じゃない汗を吹き出している。


「もっとすごい秘密があるぞ? 今のは外に出していい秘密だが、出しちゃいけない秘密がある」

「え? は? 今ので出していい秘密!? じゃあ出しちゃいけない秘密って……聞きたくない! だけど絶対気になるっ」


 ハヴェルがテーブルに突っ伏しテーブルを叩いている。


「エル、お醤油作るのにハヴェルの協力はいると思うから言っちゃった方がいいよね?」

「そうだな」

「あああああ…………」


 一瞬耳を手で塞いだが、やっぱり聞きます! と意を決した顔でハヴェルが姿勢を正した。


「ディアのこのバッグがな、時間停止の無限収納だ。俺のもだが。そしてそのディアのバッグにはヴェンドラ神からの手紙と賜り物が入っている」


「……………………」


 意味不明、理解不能とハヴェルの顔にでっかく書いてあるような顔をしていた。

 でも本当なんだよねー。


「さらにヴェンドラ神はディアの料理を所望されていて、ツィブルカの簡易神殿にお供えを持っていくと、瞬時に祭壇から料理が消える」


「……………………」


 ハヴェルは静かに目を閉じるとばたんと倒れた。


「……倒れちゃった」

「気持ちは分かる……」


 エルは片手でハヴェルの服を持つと猫を持ち上げるようにハヴェルの体をひょいと持ち上げ護衛騎士の前に運んだ。


「コレ、部屋にぶっ込んでおいてくれ」

「……かしこまりました」


 護衛騎士は何があったんだ? という顔をしながらも問いかけもせずにハヴェルを運んでいった。


「さて、邪魔者は消えた。これの説明を」


 エルが音遮断の結界の中に戻ってくると、手の平に黒の魔石で作った電話もどきを見せてきた。


「なんか手紙だとちょっとしか書けないし、寂しいなー……と……」

「元の世界にはこういうのがあったのか?」

「うん。もっとすごく便利なのが。これなんて全然おもちゃみたいな物だよ?」

「話が出来る魔法具が……おもちゃ」


 だってトランシーバーみたいな物だよねぇ? 何の機能もついてないし。まぁ、今の私にはそれで十分なんだけど。多分距離が関係ないはずだからトランシーバーよりは優秀だろうけど。


「ねぇ、エル、出発って明日?」

「……そうだな。早く行って早く帰ってくるようにする」

「……うん」


 くすりと笑ってエルが表情を緩めた。


「帰ってくる、って言い方がな」

「あ、そうだね。エルの家でもないのに。エルの家、あるの?」

「ないな。冒険者だぞ? 実家はあるが、俺の家ではないかな……」


 うちがエルの帰ってくる家になってもいいんだよー! 是非!

 


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