71.ノア可愛いね!
私はもうすっかりノアに夢中である。
あれからノアをダナに手伝ってもらって綺麗にしたらつやっつやになりました。そしてノア用の防御の魔石は勿論エルが作ってくれました。
眷属様が人に攻撃されるなどあってはならない、と。
……ですよねー。
ノアは本当は強いらしいんだけど。ノアを虐めていたのは子供達で、ノアは子供相手に反撃とか考えられないし、死ぬ事はないので我慢してたんだとか。でもあんなに怪我してたのに!
ちょっと寝たら治るから大丈夫だよーなんて言ってたけど、でも痛い、助けてって言ってたんだもん。
ダナと相談してノアには青いリボンに、エルが作ってくれた防御の魔法陣の入った魔石を通して首につけてもらいました。私とお揃い!
可愛い。
鈴だったらもっと可愛かったかなー? 鈴あるのかなー?
我が館にはノアは私のペットという事で絶対に虐めたり攻撃してはならないと通知。もしした場合は防御魔法が反撃すると周知されました。知らなかったけど、エルの防御魔法って防御というか攻撃してきた相手に跳ね返すものだったらしい。
最初は黒いから、とびくびくしていたダナも小さいし可愛いしで、すぐにノアにメロメロになりました。だってぴょこぴょこ走る姿とかめっちゃ可愛いんだもん! あと私の頭の上とか肩とかに乗ってくるし。
騎士達は何の生き物だ……? と首を傾げていた。魔獣ではないとも公表したので。
……でも眷属様です、とは言えぬ。
言えぬ事が色々増えていくんですけどーーーー! 大丈夫? 私? そしてエルもだね。秘密共有仲間だわー。巻き添えとも言うんだけども。
ノアの声は私とエルだけに聞こえるようになっているらしい。そういう指定範囲ってどうやってするんだろうね? 神様枠だから別なのか。だったら怪我する前に逃げなさいよー! と思うんだけどね! 怪我は寝れば大丈夫だから全然気にしないんだーとか言うし。気にして!
「なんだこれは?」
一段落して夕食です。本日はとんかつ! 絶対エルは好きなはず。とんかつにはソースがないので塩とレモンで。レモンじゃなくてなんだっけ、シトロンだっけ? スープは野菜たっぷりスープ。パンはチーズトーストでした。
「とんかつです。食べてみて!」
「今日は厨房に行かなかったんじゃないのか?」
「行ってないよー。でもレシピで指示出してたの」
エルがナイフとフォークでさくっと切って眺めてから口に入れる。
「あ、うまい。豚肉か?」
「でしょー! そう、豚肉ー」
「これ、今日狩ってきたプラッセで作ったらもっと美味くなるんじゃないか?」
高級豚肉で、って事ですね!
「カツをね、柔らかパンで挟んでカツサンドというのもおいしいんだよ。出来たら私のバッグにもエルのバッグにも入れてもらおうね!」
「おう。あ、ハンバーガーとか唐揚げも欲しいな」
「肉ばっかりじゃなくてスープとか野菜も入れないとダメだよ。今日プラッセ狩れたんだ?」
「二頭も狩れたぞ? オフツェも三頭。クージェも三羽。クラーヴァも一頭狩ったが使えるか?」
クラーヴァ? と私が首を傾げるとエルが牛の魔獣だと教えてくれる。もしやA5ランクのお肉って事ですか?
わーい! そしたらすっごいおいしいハンバーグもできそうだねー!
「おいしいー!」
私の隣でテーブルの上に乗ってノアがご飯を食べている。可愛い。ちっさいお口でハムハムしてるんだもの。侍女とか給仕とかもノアを見てはわわわ、ってなってるよ。ほんっと黒っていうだけで忌避するなんて間違ってるよね!
眷属様って普通にご飯食べるのか……? ってぼそりとエルが呟いている。ノア曰く食べなくても平気らしいけど、食べたいなーと言うので勿論あげるよね!
いいけど、これ、きっとノアにばっかりご飯あげて女神様にお供え忘れたら激おこ案件ではなかろうか? どうしよう……誰かお供え持って行ってくれる係を決めた方がいいか……? でもお供えが目の前で消えたらびっくりされちゃうよねぇ。うーん……。ま、いいや後で考えよう。
「ディア、後で話があるんだが……」
「うん。サロンでいい?」
「ああ。明日の予定は?」
「なんだろうね? 午後は厨房かなぁ? 午前は何しようかな」
「なら魔獣の解体するか? オフツェのどの部分がいるのか指示しないと」
「あ、そっか! じゃあそうしよう!」
解体しておけばあとは楽ちんだもんね! 明日は腸詰めはなしで簡易ソーセージに……って。
「ああっ!」
「なんだ?」
「ソーセージ作るのにいるものがあった!!! どうしよう……」
どんなものだ? とエルに聞かれて肉を絞り出す為に使えそうなものがないか聞いてみる。袋状になっていて濡れても破けたりしない薄い紙みたいな感じの物が何かないだろうか?
「んー……あ、これはどうだ? ジャーバの素材なんだが」
食べている最中だけど、エルがバッグから取り出して見せてくれた。
「わー!!! ビニール袋みたいっ! マジで! こんなのあるの!? しかも丈夫そう!」
「薄く見えるけどかなり丈夫ではある」
ジャーバの腹の薄皮だという。マジすか! 異世界すごいな! ジャーバというのが何の魔獣か知らないけども。それにしてもエルのバッグって何でも出てくるね。四次元ポケットなのか? いや、四次元バッグか。まさかビニール袋が出てくるとは思わなかったわ。




