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166.王様に謁見です。

 そういえば私、王様の前で挨拶するらしいけどどう挨拶するの? 作法とか何も知らないんだけど! エルも何も言ってなかったし! 大丈夫だろなんて軽く言ってたけど本当に!?


「こちらで陛下がお待ちです」


 大きなドアの前で騎士団長が足を止め、振り返りながらそう言った。途端に緊張してくる。


「エルー……」


 くいっとエルの手を引っ張るとエルが大丈夫だと苦笑する。大丈夫だって簡単に言うけどー私本当に貴族令嬢として教育なんてされてないんだよ!? 本当に大丈夫なの!?

 心の準備がまだなのに騎士団長はドアに手をかけた。

 ちょっと待ったー! って言いたい気分だよ。……さすがに言わないけど。


 ぎぎっと重い音がしてドアが開けられた。

 おおう……やっぱり王族の住まいって感じの謁見室だったよ! うちの謁見室なんて会議室をちょっと大きくしたような感じだったけど、ここは中が広いしとても立派だ! うちの謁見室の何倍あるんだろうね? ここが王宮ですと言われても私的には納得するような大きさだった。

 これ、本当の王宮の謁見室ってどれ位の広さでどれくらい豪華なんだろうね?

 

 正面の椅子に二人座っていて、あれが王様と王妃様かな? そして右手側に一人、ちょっとお年が上っぽいから宰相様かな? 左手側にエルのお兄さんかな? 王様と同じ位の年の人が立っていた。

 ひーー……ドキドキするよ!


「俺の真似をして」


 エルに言われて小さく頷く。どうしたらいいのか先に言っておいてよー! もう!


 エルが私の手を引き王様が座っている段に近づいていく。足元には絨毯が敷かれていて歩きやすい。とりあえずスカートは引きずるほどでもないし転ぶ心配はなさそうだ。

 エルが王様達の前まで来ると、片膝をつき頭を下げたので私も真似をする。


「急な呼び出しにもかかわらずよく来てくれた。バラーシュ国、国王をしているヘルベルト・クラウル・バラーシュだ」


 顔を俯けながらエルが私にちらっと視線を送ってきた。私が挨拶か!


「初めて御目文字致します。リーディア・ブラダエナ・ツィブルカと申します」

「うむ。楽にしてよいぞ?」


 おおう……なんかフランクになったよ! わーん! ちょっとほっとした!


「ドラスホフ、椅子を」


 王様がハルダ・ハノウセクに声をかけると最初からそのつもりで用意されていたのだろう。ハルダ・ハノウセクが控えていた使用人に声をかけると使用人が椅子とテーブルを運んできた。

 テーブル? 何するの? と思っていたら王様が一段高くなっている台座? 玉座? あ、玉座のある台座か! から王妃様をエスコートしながらすたすたと降りてきた。ええ……!?


「エルヴィーンも座れ」


 エルヴィーン? 王様がエルの方を見て口元に笑いを浮かべながら、いたずらっ子のような表情を見せてそう言った。

 エルの本当の名前エルヴィーンって言うんだね。ふぅん。


「ねぇ? リーディア様! そのお衣装がとても、とても! 可愛らしいのだけど! あとエルヴィーンも素晴らしく格好いいのだけれど! どうなっているの!? あと肩に乗っている子もとても可愛らしくて……」


 王妃様? が王様の手をぱっと離して私の方に軽やかに近づいてきたと思ったらぐいぐい来ます! ええー……!


「これ、リーディア嬢が驚いている」

「少し落ち着いてください!」


 ど、どうしたら……と思っていたらエルが私の肩を抱き込むようにして王妃様から離してくれ、王妃様に注意した。王様は苦笑。エルのお兄さんも苦笑を浮かべていた。

 王妃様とエルのお兄さんは金髪で薄紫色の瞳、……なんかものすごく似ているんだけど……もしかして。


 ゆっくりとエルを見上げた。あ、色は大分違うけど顔の造りとかやっぱ似てるよね……。


「エルって王妃様の弟だったんだ……マジか……」


 びっくりだわ! 先に言ってよ! なんなの!? そりゃ国のトップに融通効くわ!!!


「やだー! エルヴィーンったら言ってなかったのー?」

「聞いてません! 名前もさっき知りました! 姓も聞いてません!」

「エルヴィーン!?」


 王様、お兄さん、王妃様の声が揃った。エルがそっと視線を斜め上の方に向けている。


「エルヴィーンが済まないね。僕が兄のユリウス・バレク・ダンヘルだよ。これは妹で王妃のエヴェリーナ」


 エル、王妃様の弟で公爵子息で、現公爵の弟だったよ……マジか……。なんで冒険者なんてやってるの!? 色々あったって事なんだろうけども!


「ねぇねぇ、その首飾り、素敵ねぇ? 耳の飾りも。エルヴィーンとお揃い? お衣装もお互いの色を使っているだなんて……」


 うふふふふ……と王妃様がものすごーく楽しそうに目を弓なりにし、口元を手で覆いながら微笑んでいる。

 ち、違うからー! 意味なんてないですからー! おおう! ヤバくない!?


「首飾りは防御魔法陣を入れてある為だし、耳のも実用の為だ」

「衣装はたまたま! です! 狙ったわけではないですー!」


 エルがむっとした顔をしてるよ! ごめんよぉー! 私は別にいいけど、エルにあらぬ疑いを持たせるような恰好になってしまってー!


「それにしてもお衣装が本当に素敵……可愛い……」


 なんか、王妃様の好みにぴったりだった? 

 いやー……なんかね。王様や王妃様達の恰好が中世だとしたら私とエルの恰好は近代って感じだもんねぇ……。時代をすっ飛ばしちゃった感じが……。今更だけど、よかったんですかね?


 

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