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165/302

165.離宮に到着しました。

 私はエルにエスコートされながら騎士団長とハルダ・ハノウセクの後ろを歩いていく。一応道はあったよ。木で鬱蒼としてる様に見えたけどちゃんと小道がありました。王宮から繋がっているらしいです。それに雑草とかもわっさーっと生えてもいないし、やっぱり管理されている地なんだね?


 そして相変わらずのこの世界特有の派手派手森だよね。こう、普通森って心安らぐような、落ち着く様なイメージだけど、この世界だと落ち着かないような……?

 葉っぱが緑に青に赤にオレンジ、黄色、中間色も溢れているよ。

 バブルナの花が綿っぽい白でよかったね! 水の眷属様がいるあの島はすごく落ち着く場所だったわー。この世界の人達はこの派手派手がデフォなんだよねぇ? 髪や目もカラフルだもん。

 ハルダ・ハノウセクもオレンジ色の髪だし、騎士団長は空色っぽい青髪だし。エルの色って落ち着くわ。


 ハルダ・ハノウセクと騎士団長は私の事どこまで話聞いているんだろうね? 騎士団長はエルの事も知っているっぽい感じだったけど。ハルダ・ハノウセクも知っているのかな? 脳筋って言ったけどさすが貴族で上位貴族、余計な事は言わないもんね。

 

「ディア、疲れていないか?」

「大丈夫だよ」


 私の足の速さに合わせてくれる背の高い男性陣に申し訳ない気がする。エルが抱っこしてくれるならそれはそれでいいんだけどねぇ……お貴族様的にアウトなんだろうね? 

 あ、でももうすでに王都では私は誘拐されたって噂が流れたんだよね? エルが言ってたよね? そんな話が出たら婚約とか難しいって。それなら今更だから抱っこして運んでくれても問題ないんだけどな……なんて思っちゃったけど黙っておこう。私はよくてもエルが不当な評価になるかもしれないし。

 すでに色々巻き込んじゃってるからね!


「使われていない離宮の方に案内します」

「ああ……その方が安心だな」


 騎士団長がちらちらと私の歩み具合を確認しながら言ってくるとエルが頷いた。確かに王宮内に行ったらきっと誰か彼か人はいるはずだもんね。人の目に入ったら何を言われるか。まだ洗礼も済ませてない子供が王宮にいるなんてどう考えても普通ではないだろうしねぇ。


 すぐに森を抜け、いかにも手入れがされていますという庭? 裏庭? みたいな所に出た。なんというかうちの表の庭みたいなのとは違って背の高い木とかが多い。いかにも作られたとう感じではなく、自然を装い作られた感じというか……整えられた感じ?


「もうすぐです」


 ん? 建物とか見えないけど……と思ったらうまい具合に木々を配置して建物を見えなくして建っていたらしい。少しくねくねとした歩道を行くと小さな王宮というような建物が現れた。これが離宮?

 ……間違いなくツィブルカの館よりも立派で綺麗で大きいね。そりゃそうか。離宮という位だもの。王族の方が使うんだろうしね。白亜の小さなお城という感じでとても可愛い建物だ。


 わー……と足を止めて小さなお城に見入る。柱に飾り模様が施してあったり、その柱も線が入っていたり、と凝った造りになっていた。庭のような木々の間から玄関のポーチまでは薔薇が植えられていて、この離宮を使っていたのは女性かなー? なんて。なんとなくね。全体的に可愛らしい感じだから。

 でも今現在は使っていないんだよね? 勿体ないわー。使われていなくとも手入れはされているようで寂れた感じはしない。……どれだけ人を使っているんだろうね? 王宮って。ツィブルカなんて人がいても寂れた感じなのにね。手入れのコツを聞いてみたいわ!


「ディア」


 エルにくいと手を引かれた。足を止めて見入っちゃってたので。はーい、行きますー。行きたくないけど。


 ハルダ・ハノウセクが宮殿といっていい様な離宮の重厚なドアを開けてくれ、私は騎士団長を先頭にエルのエスコートで中に入った。

 おお……中も綺麗だ。広いねぇー! そして光が燦燦と入って来ていて中が明るい。窓が高い位置についているけれど吹き抜けになっているからかすごく広くて明るく見える。

 ホテル感覚で是非お泊りしてみたいね! 使ってないなら貸し出してくれないかしらね? そしたらセンで裏の森まで飛んでこられるし、王都にいつでも来られる様にならない?

 なんて都合のいい事を考えつつ、騎士団長に案内されるがままキョロキョロあちこち視線を向けながら離宮の中を移動した。

 

 やっぱり離宮というだけあって広いんだよねぇ……。中の造りも飾り模様があちこちにあって凝っているなー。なんか可愛いお姫様が住んでいるような宮だよ。

 

「キョロキョロしない」


 う……あまりに落ち着きなくあちこち見てたらエルから小さな声でお小言が飛んできました。だってー! 王宮とかって初めてなんだもん! 滅多にこんな機会なんてないんだろうから少しは堪能させてよー! もう二度とこんな機会ないかもしれないじゃないの!


 それにしてもいつも思うんだけど、眷属様って基本静かだよね。さっきはあんなにわちゃわちゃしてたのに、今はノアもハムちゃんも黙って私の肩に乗っているし。重さもほぼ感じないからいっつも存在を忘れてるんだよねー。

 そしているつもりで話しかけるといなかったりするし。眷属様って不思議な存在だよね。



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