表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
14/108

フラグなんて関係無かった!

 どうしてこうなった……。キャラ、主にマミィが暴走してしまった。どこでこうなった?


才能がほしいと切実に思います。




私の知らぬまにユニークアクセス数が3000人を越えていた…。(゜ロ゜;


ありがとうございます。


実はつい先日までアクセス数をどうやって見るのか知りませんでした。ホントに自分バカだな~。



 さぁ、マミィの怒りで国の存亡の危機が迫るなか、ちょっと遅れてマミィを追いかけおります紅蓮コウレンです。マミィからはコウちゃんと呼ばれランからはレンと呼ばれてます。何となくレンのが響きが良いと思うのですが…。いや、今はそれどころでは無かった。


「どうしようか…コレ」


「どうしようもない…コレは」


 状況説明をすると、マミィの歩いた後には死屍累々…死んでないよ。と瓦礫の山が築かれていた以上。相当キテるねマミィ…


「なんでそんなにキレてんだろ?」


「そんなの、お前が死にかけたからだろ。解んだろそのくらい…。」


 いや、ほら、マミィがここまでキレたとこ見たこと無いから…。ちょっと実感がわかない…。それとも無意識に現実逃避したいのだろうか?


「この勢いだと謁見の間はどうなってんのか考えたかないな…。悲惨な光景しか浮かばない…」


「うん。きっと瓦礫を築いているよ…。今までの鬱憤を晴らさんばかりに暴れてるよ。……どうしよう母さん国を滅亡させた悪女にされるよ…!!」


「そういえば、レンの尻尾ってさ…狐だよな…耳はしらんけど。」


「言われてみれば…三本生えてるって事は…九尾狐と関係があったりして…。」


「(なんでそうやって自分でフラグを建てるんだよ…)確か狐が皇帝をたぶらかした物語が無かったか?」


「?………あぁぁ、中国の~確か壮絶バトルを繰り広げる古い物語?だったかな。タイトル忘れたけど。元々、実在した人物をモチーフにしてんだよね。」


「確かその妲己だっきは狐だとか、九尾だとか言われてたような。詳しくは知らないが。狐絡みだったのは覚えてる。」


「国を傾けたからそう言われてるのかもね…。母さんの場合は破壊になりそうで怖い。」


「冗談じゃなくホントにあり得そうだな。」


 本来こんなところで立ち話をしている暇など無いのだけど、マミィが恐くて正直言うと行きたくない。


「話が進まないから…いきますか嫁さん…」


「……行かなきゃダメか旦那さん……」


 もうとっくに謁見の間に到着しているのだが、中がやけに静か過ぎて逆に怖い。今までの道のりも人は皆気絶していたので日頃から比較的静かな王宮は廃墟のような静けさになっていた。


 もしも今の時間帯が夜ならば並のホラー映画よりも恐ろしい光景だろう。特にそこら辺で転がっている女官やら武官、文官が(勿論死んでないよ)よりいっそう恐怖を誘うだろう…。でも私はホラーの類いは平気だ。寧ろ好物だ。前世むかしミケに無理矢理ホラーゲームをさせられてからハマってまうしまったのだ。以来、よくミケはホラーゲームを持ってきては私がプレイしてミケは横でガタガタ震えていた。懐かしいな~。ちなみに今の光景は、例えるなら…カメラで除霊するゲームの三番目かな。しかも昼間だからかこっちは怖さ半減ってとこかな。


「ねえ、ランはホラーゲームやったことある?」


「唐突だな……。従姉妹が押し付けてきたのならやったことあるけど。あんまり恐くは無かったな。」


「ほうほう、ちなみにタイトルは?」


「バカ、タイトルなんて言ったら消されんだろ。ちなみにやったことあんのは、超能力とホラーと銃撃戦がごっちゃになってたヤツと、地球外生命体とエンジニアが(圭)な装備のヤツ。後、ゾンビとか寄生虫と闘うヤツに、カメラで悪霊倒すのと……まだあった気がするけどこんなところかな。俺基本RPGとか格闘ゲームしかしないけど、置いていかれたらやってみたくなるだろ?」


 うん。解るよ。ちなみにランが言ったゲームはみんなやったことがあるモノだった…。




 謁見の間の扉を開けようよした。そう「した」のだ。直感的なモノだった。扉の前にいたら危ない!



「ラン、避けて!」


「あ?」


 「ドガガッ」っと音をたててランと私の顔スレスレに、扉の破片が吹っ飛んでいった……。



「……あははははぁ………どうしたら良いんだろ?嫁さん…」


「…止めろよ。お前の母親だろう旦那さん…」


 さも当たり前、お前なに言ってんだよ。という顔でポチをだっこしながら私を見る嫁さんもとい、ラン。無茶だよ。


 だってさ、マミィの姿が…


「嫁さん嫁さん、家のお母様の姿が獣耳+尻尾何ですけど。」


「ホントに後ろ姿がそっくりだな。髪がストレートか緩いウェーブかの違う位かな旦那さん…。でも髪の色がピンクなんだけどな。」


 ランのノリが良くなってきた。嬉しいような…複雑だなぁ。う?ピンクですと…本当だ。しかも…


「尻尾が九本ってまんま九尾狐じゃん。」


「ワン」


「ポチよ…何気に初台詞だね。おめでとう。」


「く~ん(;・ω・)」


「ポチが怯えてんぞ。お前の母親恐ろしいな…」


 全くである。ランの言う通り、今のマミィはラスボス…いや、裏ダンジョンのラスボスだね。我が母ながら恐ろしくも頼もしい。


「あっ! コソ(ちょっ、嫁さんアレ、あそこにKY陛下が!)」

「コソ(どこだよ…)」

「コソ(ほら、あそこに…母さんの足の下…)」

「コソコソ(………踏まれてんな。アイツはマゾか?)」(注意・二人は極小さな声で話しています。)


 え~!!! アイツマゾなの? マジ?


「人の性癖をとやかく言わないけどさ~。」


「二人とも。違うからね?」


「「……………」」


 ニッコリ笑っているのに目だけ笑ってない。威圧感ハンパナイのよ。ゴメンなさい。だからその肉食獣みたいな目で睨まないでください。


 例えでなく、本当に獣の様な瞳なのだ。アレだよ、明るいところに居る猫の目だよ。鋭い針の様な瞳。いつものふわふわした優しそうなマミィがこの豹変ぶりである。世の中、日頃怒らない人が怒ると本当に恐ろしい……。


「コウちゃん…。事の顛末を話すからこっちに来なさい。」


「はい。」


 マミィに逆らうべからず。断る理由もないしね。ランとポチの二人+一匹でマミィの側に歩いていく。

 近くで見たマミィは、薄い藤色から薄いピンクになった髪が風になびいている様にフワフワ動いている。勿論風になんて吹いていない。

 頭には私とお揃いの耳(たぶん狐耳)と腰より下辺り(尾てい骨辺り)から尻尾が生えていた。私と違い、どんなトリックなのかキチンと服の上から尻尾が生えていた。服に穴でも空いてんの?それと尻尾の本数…九本。 


「さぁ、真実を話すときが来ましたよ。バカ陛下(笑)」


「その陛下(笑)なんだけど…泡吹きて気絶してるよ…」


「だっ…大丈夫よ? 手加減してるから…。(ただし、手加減の範囲ギリギリだったけど)」


「(絶対怒らせないようにしよう。)」


「えっと…。」


「真実を…そうよ! 真実を話しなさいよ~」


「グフッ……」


 あっ、また気絶した。そんな陛下(笑)に往復ビンタを喰らわせたマミィ……。手加減はしてるだろうけど、一切の容赦は無いみたい。私でも同情するレベルだね。


「ね、ねえ母さん…それ以上は喋れなくなるから…」


「あら、ホントだわ~。危ない危ない。」


「(もうとっくに危ない。主にあんたの思考が)」


 嫁さんよ、マミィわ悪口はやめた方がいいぞ、後が怖いから…。


 漸くマミィは陛下(笑)に往復ビンタするのをやめた。ちょっと陛下(笑)の顔が腫れて綺麗な顔が台無しになっていた。女って怒らせると本当に怖いわ。


「こほん。さぁ、言いなさい。どうして私が入りたくもない後宮に居るのか。貴方の口からキチンと言いなさい。」


「…………」


 黙りを決め込むつもりか黙ったままの陛下(笑)。きっと本人は真剣な顔をしているのだろうけど、頬が腫れているせいでシリアスぶち壊しだ。


「シリアスでも無いけどな」


「え? 私口に出してた!?」


「いや」


「………」


 え~!! 私の身内はみんな人の心が読めんのかい!

マミィ然り、ラン然り…。こうなったら私も読心術をいつかマスターしてやる~!!


「バカなこと考えてないで、現実を見ろよ。」


 へいへい…。陛下(笑)の胸ぐらを掴みグラグラ揺すっている。だからさ、そんなことしたらまた気絶するよ。今気づいたが、私達の周りに立ち竦んだ武官やら、文官達が、それと貴族達。何でか宴の時の…ハゲ?が近くに倒れている。死んではいないだろう。


「…だからテメェは…」


 少し復活したらしい武官達がこちらを窺い始めた…。いつ襲い掛かって来るか内心ドキドキする。


「母さ「さっさと話せよ…あ゛ぁ゛、」ねえ…」


 完全に周りが見えてない。武官が武器を構え出した。文官達が助けを呼びに出ていった…。早くしようよ…。このままだと武官が構えてる槍で串刺しだよ。マミィは強そうだから避けられるかも知れないけれど、私とランは間違いなく避けられはしない。


「ラン、私はどうしたら良いんだろ…」


「俺にも分からない…」


 お手上げだね。


「あ~もう!頭きた 最終手段!はい。皆さん注目~!!」


 マミィは懐から一つの宝珠を取り出した。確か宝珠は色々な効果を術で封じ込めたモノ。色によって区別されている。アレは灰色だから記録用宝珠かな。


「なぁ、あのガラス玉みたいなの何なんだ?


「見たことなかった? アレは宝珠。色が灰色だから記録用宝珠だよ。色によって様々な効果があるんだ。後で詳しい説明するよ。」


「ふう~ん。便利だな。」


「そうでもないよ。持ち歩くにしたらかさ張るし、効果は様々、物によっては高価過ぎたり。重宝するけど、単体ではあんまり役に立たないらしいよ。」


「それって、戦闘ではって意味だよな。」


「母さんが言ってたから多分そうなんじゃない?」


 ランと話している間に記録用宝珠が映像を映し出す。SF映画によくあるスクリーンも無いのに画面が浮かび上がる映像。半透明の映像が映し出したのはさっき倒れていたハゲのオッサン。ハゲのオッサンはランに毒を飲ませようとして誤って私に飲ませたこと、しかもそれを陛下が指示したことをペチャクチャと喋り始めた…。ここら辺は母さんの回想で聞いていたけど、実物で見ると…本当に誰特なんだろ。



 次に映し出されたのは、陛下(笑)。いつにも増して勘違いをしている。マミィも性格から女好きの浮気者は眼中にないよ。目を醒ますのはアンタだよKY陛下。


「よくもぬけぬけと……例え息子が亡くなってもアンタなんか眼中にないよ!! この勘違い男! よくも紅蓮を化け物だの邪魔者だの、あまつさえランちゃん…藍苺ランメイを亡き者にしようとしたわね!」


「お前がなびかぬのが悪いのだ!」


「こんの~!!!!!」




「あっ! ヤバイ…。」


「どこかに隠れた方が良いかも…」


 爆発するのではないかと思ったのだか、マミィは堪えたようだ。うん。爆発してたら、冗談じゃなく私等木っ端微塵だよ。もしかするとハイスペックな身体してる私なら大怪我で済むかも知れないけど、ランは人溜まりもないから。


「………っ、私はね、別にこの国がどうなろうが知ったこっちゃ無いのよ。けどね、もしも私の身内に国が何かしたら……その時は完膚なきまでに叩き潰すから。それと、」


 そう言ってマミィは記録用宝珠を、誰だろう…これまた美形の男性に渡す。何やら知り合いなのか?


「誰だか知らないけれど、この中に記録してあるものを見るのね。アレが全てでは無いから。そうそう、それ以外にも記録用宝珠は有るから。例え貴方達が隠蔽しても国全土に報せる事が出来るから。変な気は起こさないで」。


 脅しをかけても果たして意味が有るのかな…。上層部もかなり腐ってんじゃないの? 最悪国民を………やめておこう。考えたくもない。


「…………確かに受けとりました。」


「……さて、陛下。見ての通り私は妖怪です。息子も純粋な妖怪です。勿論貴方の子供でもないわよ。私はここに居る理由がもう無いので帰ります。」


「ま、待て! 理由はまだ有るだろう。」


「これですか?」


 焦った陛下にマミィは懐からまた何かを取り出した。それは白と紅が揺らめく不思議な水晶だった。


「グッ…いつの間に……」


「後宮を破壊した時に。守りが薄くなったから取り返すのに都合が良くて♪ 確かに返してもらいますよ。私の夫を。」


 アレが有ったからマミィはここを離れられなかったのかな?


「ん?夫?嫁さん…今、夫って言ったよね?」


「………コクコク」


 おいてけぼりで話が解らん。ちょっとマミィ説明してください。


「さぁ、言いなさい。それともこの王宮を粉々にされたいの?」


「嫁さん私は妖怪です。けど、あんなに強くないのよ?」


「それでも止めろよ。手伝うから…。」


「…………」


 ちょっと小さい声過ぎて聞き取れなかった。獣耳を出しておけばよかった。果たしてなんて意味だったのだろうか。

 それでもマミィにはバッチリ聞こえたようで、ニッコリ笑っていた。


「喜んでコウちゃん、ランちゃん♪ここから出られるわよ♪」


 話が解らん…。どゆこと?


「もう、コイツに縛られていないから出ていけるわよ~!」


「どうして? 縛られていないってどういうこと?」


「取り返すモノも取り返したし、言霊で縛られていないから出ていけるのよ。こんなヤツに言霊で縛られたなんて一生の恥じだわ。」


「……」


 陛下は苦虫噛んでる顔をしながら私とランを見ていた。陛下の目には底知れぬ憎悪があったように見えた。ここまで人は変わるものか。いくらKY陛下だバカだと思っていても、命まで取ろうとするほど自分勝手ではなかった。でも私が気付いていなかっただけだろうか。


「母さん…あのさ」


「コウちゃん、私達は救世主ではないのよ。私達ではこれは解決できないわ…」


「解決?」


「………(この国には何か有るのか?)」


「でもそうね~、解決策は有るわよ「陛下!!」」


 言い欠けたマミィの言葉を中断させたのは、やっぱりお気に入りの側室、舞子さま。大雅を連れてここまで来たみたいだ。陛下の所まで駆け寄ると、こちらを睨み付けてきた。


 確かに私達が悪者に見えるよね。マミィも少し破壊し過ぎたのもあるし。


「どういう事なの? 貴女は陛下の側室でしょう? 何で奥さんなのにこんなことするの!」


 この人少し勘違いをしている。側室とは正式にも、奥さんとは認められていない。ただのお客様みたいなもの。王の妻と認められているのは王妃ただ一人。勿論側室から生まれた者は王族の一員ではあるが、それはあくまで王妃の生んだ子供の代わりでしかないのだ。この国ではの話だけども。


「奥さん? 私はソイツの妻になったことなんか無いわよ。 だってもう結婚していたもの。」


「え?」


 初耳~!初耳だよマミィ。どゆこと?父さんの事なの?


「私の夫は朱李シュリただ一人。そこの陛下ソイツにこの水晶に封じ込められたね。その後、その水晶と父を盾にここに連れてこられただけよ。逃げ出せないように言霊で縛り付けて。勿論指一本触れさせてはいないから。」


「ふ~ん。陛下ってそんなことまでしてたんだ…。嫁さん、私はアイツを殴りたいんだけど…ダメ?」


「首を傾げて言ってもダメだ。別の方法ならいいけど。」


「別の方法って、例えば?」


「そうだなぁ…。例えば………」


「だからと言って、王宮を壊さなくても良いじゃない。それに陛下顔が……」


「王宮の事は謝るけど、ソイツの顔は謝らないわ。ソイツは紅蓮コウレンを殺そうとしたのよ。子供が死にそうになったのに怒らない親はいないわよ。」


「それでも貴女は間違っているわ。」


「どうして?」


「そ、それは……」


「……………て、言うのはどうだろう。」


「ちょっとエグくない?嫁さん…(゜ロ゜;」


「あんな手合いはこんなのが有効だと思うけど…」


「ん~…。あ~!!あったあったそんなの!。効き目はバッチリ!」


「誰かに試したのか?」


「うん。誰に試したかはナイショ♪」


「………聞かなかった事にしよう。」


 男にとってはかなりのダメージになること確実な復讐をランと二人で考えていたら、事の他良い案を思い付いたのだ。ちゃんと命に関わらない方法だから大丈夫。精神攻撃の類いだから。


 だからマミィと大雅の母親の言い合いバトルは見てなかった。相手はなんか半泣きだ…。


「マ、母さん、ちょっと…耳かして。」


「何?」


「あのね……………って、どうかな~」


「良いわね~(これなら、解決策になるかも…。それに良いキミよ。)、でもどうやって?」


 提案を教えるとキラキラした笑顔で聞いてきた。流石私の母親。ノリがいいね。


「ほら、前に薬品を調合する依頼で、作った失敗作にそんな効果のヤツがあったでしょ?」


「あ~、アレねアレ♪」

 そうそう、アレ、だよ。男には効果抜群の秘策。


「フフフフフフ…」


「アハハハハハ…」


「(この親本当に敵に回したくない…提案したの俺だけど…。)」




 マミィは今度は懐ではなく、腰辺りに着けていた巾着から小瓶を取り出した。思ったのだが、あの巾着は四次元的な巾着なのかも知れない。前にあの巾着から大きなスイカが出てきた事があるのだ。



「これを飲んだら、全て水に流します。」


 マミィは小瓶を陛下達の前にかざし言い放つ 。それに今まで静かにしていた大雅が話し出した。


「それは毒?」


「空気読めないの? そんなもの和解に提案しないわよ坊や。これはね、欲を押さえる薬。全ての欲に効くわけでは無いし、無くなる訳では無いわよ。」


「それを私に飲めと?」


「貴方以外に誰がいるの? 別に飲まなくても良いのよ。私に八つ裂きにされたいなら…。」


「飲んだ方が身のためですよ~。母は今気が立っているので。それに死ぬ訳では無いですよ。」


「(精神的なダメージは大きいけどな。)」


 渋々といった感じで飲むことに決めたようだ。

フフ…さて、欲を押さえる薬はどんな効果があるのかな? 察しの良い人は分かるかも。ヒントは、これとは真逆の効果の薬を依頼されたんだよね。



「…ただの水に見えるが」


 ただの水に見えるのはクライアントの要望。見つかってもただの水って言い訳できるから。味を確かめてないけどむ無味無臭だったはず。


「…………ただの水では無いのか?」


「いいえ、効き目はバッチリのはずよ。もっとも、この効果が解るのはもうちょっと先ね。」


「…本当にこれで水に流がすのか?」


「えぇ、紅蓮コウレンに感謝しなさい。命を取るのはダメだと言ったのは紅蓮コウレンなんだから。」


 そんなこと言ったっけ?


「…………」


 意地でも言わないつもりだよコイツ。


「そうそう、ひとつ忠告。この国は後数年したら落ちぶれるわよ。もう少し国民の事を考えた政治をしたら? それと、もう側室増やさない方がいいわよ。(もう、遅いでしょうが…)それと、その薬の効果を消したいのなら、本気の恋をしなさい。それしか解けないから。


 そう言ってマミィは私達の方に向きを変えて歩き出した。


「さぁ、二人とも。もうここに用は無いから行きましょう。」


私達の手を引いて歩き出した。不意に大雅の母親が声をかけてきた。かけなくても良いのに…


「どこに行くつもりなの? 紅蓮コウレンまで連れていくなんて…本当にどういうつもりなの?」


「そんなの私達の勝手でしょ。この子は私と夫の子よ。それに貴方の掌で踊るつもりは無いから。精々化けの皮剥がれない様にね♪」


 なんのことか良く分からないけど、あの人が猫被りなのは分かった。でも掌で踊る…? なんのこっちゃ。


 足元に何かの力が集まってきた。何だろう。マミィの力だとは感覚で分かった。


 マミィが不意に足を止めてこう言った。


「あぁ、そうだった。ソイツ、城下に下りては浮気してるから、貴女が思っているよりも子供が居るから。じゃあバイバイ♪」


 足元の力が増して視界が光に包まれた。私達が消える瞬間、陛下の青ざめた顔と大雅の母親の般若の様な顔がバッチリ見えた。御愁傷様…ざまぁ



 こうして、長い間暮らしていた後宮からやっとこさ脱出したのだった。



 脱出って言ったよね?アレは嘘だよ。


だって、あれは脱出って言うより逃走の方がしっくりくるよ。ねぇ?



「そういえば、部屋の荷物は?」


「ちゃんとこの巾着に入ってるわよ♪」


「その巾着はやっぱり四次元的な?」


「ノーコメント♪」


「(もう少し緊張感持てよ。この親子…)」


 てか、ココドコヨ? 




 私達は森のなかにいた……。

 これからどうすんの?





 さぁどうなるのかな?もうひとつの小説が出来次第投稿したいと思います。


 こっちはサブ連載なのに…あっちよりも書きやすい…。。。(〃_ _)σ∥


修正しました。勝って→勝手


ご指摘ありがとうございました。m(._.)m

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ