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序章 『ヌナキトンネル/恐怖と記憶』

ようこそ、画面の向こうの恐怖へ。

これは、日常の裏側に潜む怪異と、忘れられない記憶の物語。

ホラーが好きな方も、少し刺激が欲しい方も, どなたでも楽しめる現代の都市伝説をお届けします。

それでは、どうぞ最後までお付き合いください――。

家中の電気が消えている。まるで世界中から光が消え去ったかのように。

カーテンは固く閉ざされ、一筋の光さえも中には入ってこない。部屋全体が漆黒の闇に沈む中、手元にあるスマホ『Teco Povo 5』の画面の光だけが、部屋のほんの小さな一角を照らし出していた。


俺は今、ヌナキトンネルに関する恐怖動画を見ている。

動画は「これからヌナキトンネルに行きます」という言葉から始まった。

配信者はモスクワのドモジェドヴォ空港に仲間たちと集まり、チケットを買って日本へ飛ぶ様子を映していく。ロシアから福岡への直行便はないため、彼らはまず乗り継ぎのために中国の浦東国際空港へ向かった。そこから再びチケットを買い、トンネルにまつわる怪談を語り合いながら夜を明かして、ついに日本の福岡国際空港に到着した。

現地で日本語の堪能なロシア系の知人と合流した彼らは、ホームセンターへ向かい、バール、ロープ、梯子を購入。梯子を中に運び込みやすいよう、ロープを結びつけた特製の仕掛けを手作りした。



いざ現地に到着すると、入口は完全に封鎖されていた。外は気温30度ほどで、雲一つない快晴。法律を破らないために彼らは迂回ルートを選び、約2時間も歩き続けた。トンネルへと続く道にたどり着いたものの、前方には車が停まっており、今度は裏口へと回る羽目になる。ようやく辿り着いた裏口のトンネルは、コンクリートの壁で完全に塞がれていた。そのため、彼らは夜になるのを待って、再び正面の入口へと向かうことにした。


20分後、彼らは再び現場に戻ってきた。あたりはもう一歩先も見えないほどの暗闇で、風が激しさを増している。懐中電灯で照らしてみると、隙間の岩が動かせそうだった。彼らは安堵の息を漏らし、バールを使って岩をこじ開けた。人が一人這いつくばって入れるだけの隙間ができる。

近くの木に激しく揺れる梯子を縛り付け、彼らは中へと潜り込んでいく。その様子を見ている俺の肌には鳥肌が立ち、恐怖が押し寄せてきた。



だが、彼らが中に入ると……そこには何もなかった。俺はホッと息を吐き出す。彼らはしばらく中を探索したあと、道具をすべて回収して外に出て、今度は「幽霊集落」があると噂される方向へと歩いていった。

道路を進むと、地面にスプレーで書かれた日本語の落書きが目に飛び込んでくる。


――『この先、日本国の憲法は適用されません』


彼らはこれが、自分たちのようなオカルト好きの先人たちが書いたものだと察した。さらに進むと、一軒の廃屋を見つける。中に入ると、まるで住人が急いで逃げ出したかのように、たくさんのゴミが散乱していた。

廃屋を出た彼らは、例の公衆電話ボックスへと近づいていく。

「夜の2時にこの公衆電話が鳴り、もしそれに出てしまうと、呪われて死ぬ」という都市伝説を語る配信者。そして、まさにその瞬間、画面の中の電話ボックスがけたたましく鳴り響いた。俺は恐怖のあまり、ベッドの上で文字通り跳び上がってしまった。

その後、配信者が受話器を取るも、中からは何の音もしない。



結局、彼らはホテルに戻り、あの電話の音は動画を盛り上げるためのフェイク演出(効果音)だったと明かした。「何も怖いことはありません」と視聴者に別れの挨拶をして、動画は終了した。

その動画にすっかり触発された俺は、「俺も4人のダチと一緒にそこへ行きたい」と強く思った。しかし、強烈な眠気に襲われ、そのまま眠りに落ちてしまった。


そして夢の中で、俺は大切な仲間たちとの出会いを思い出し始めていた。

それは、こんな始まりだった……。


夢の中の俺は、成績は平凡な3や4ばかりの、ごく普通の19歳に戻っていた。

記憶の底から、コーリャが俺を自分のグループに誘ってくれた瞬間が蘇る。彼は当時は17歳だった。黒髪に茶色の瞳、身長170センチの引き締まった体。スポーツが生きがいで、いつもお気に入りのゴールドのタンクトップに白いパンツを穿いている、最高に頼れる格好いい男だ。彼こそが、俺の最初で一番の親友だった。


彼を通じて、俺は残りのメンバーとも知り合った。そんな彼らの中で、俺の見た目は少し変わっていた。身長173センチに、鮮やかな緑色の髪と緑色の瞳。いつも着ているお気に入りのシンプルな白いタンクトップに、黒いパンツ、そして『Nake』の黒いスニーカー。そしてもちろん、俺の永遠の情熱の対象は――アニメだ。



仲間たちの思い出が巡ったあと、夢はひときわ記憶に残っているあの瞬間へと移り変わる。


「おいお前ら、カラオケ行くぞ!」


コーリャが楽しそうに号令をかける。

「お、いいね。行こう」

すぐに同意したのは16歳のミーシャだ。身長160センチと小柄で、珍しい赤色の瞳に黄色の髪をした彼は、いつも勉強ばかりしていて新しいことを何でも吸収する、一見するとおとなしい優等生だ。だけど今は、心からの笑顔を浮かべている。

俺も異論はなかったので、行くことに決めた。みんなで歌うことになり、俺がトップバッターに立候補する。みんなも快く譲ってくれた。


俺はウケを狙って、TukTikトゥクティクのトレンドで、ファンからの無茶振りで作られたというガザンのカルト曲『チェレムシャ(ギョウジャニンニク)』を選んだ。パцаン(野郎ども)は俺の全力の熱唱に大ウケしてくれた。

次にマイクを握ったのはコーリャで、アルトゥール・ピロシコフの『チカ』を入れた。彼の完璧すぎる歌の才能に、全員が圧倒されて固唾を呑んだ。ミーシャは相変わらず恥ずかしがって辞退したが、彼のシャイな性格を知っている俺たちは無理強いはしなかった。


アルチョムは、常に最新のトレンドを追いかけ、新作を買い漁り、動物をこよなく愛するファッショニスタだ。16歳の彼は、自慢の白い髪を揺らし、銀色の瞳を輝かせながら、身長167センチの体をいっぱいに使って……なんと、唐突にロシア国歌を選曲した。俺たちは全員その場に起立し、彼と一緒に大熱唱した。

そして16歳のレーシャ。身長188センチという、俺たちのグループで圧倒的な巨体を誇るガチムチ体型の持ち主だ。青い髪にラズベリー色の瞳をした彼は、お決まりのキャップ帽の位置を直すと、渋い低音の声で伝説のバンド、ツォイの『パチカ・シガレット(煙草一箱)』を響かせた。古い名曲と歴史を愛する彼に、俺たちは大歓声とリスペクトを送った。


そうして俺たちは夜が更けるまで歌い明かした。その後、俺の家(シンプルな2部屋の家だ)に向かい、1部屋にダチ全員が雑魚寝して、もう1部屋で俺と兄貴が眠った。朝になると、みんなそれぞれの用事のために解散していった……。



その瞬間、脳内のカラオケボックスがゆっくりと溶けて消え去り、野郎どもの声も遠のいていった。楽しかった空気は、息苦しいほどの静寂へと取って代わられる。夢の映像が、パチンと弾けて割れた。

俺はハッと目を開け、暗闇に包まれた自分の部屋で目を覚ました。


19歳の頃の思い出は、もう遠い過去のことだ。今の俺はもう22歳。窓の外には冷徹な現実の世界が広がっている。

それなのに、夜中に見たあの『ヌナキトンネル』の映像だけが、どうしても頭から離れなかった――。

最後までお付き合いいただき、ありがとうございました。

この序章では、主人公の現実と、脳裏に焼き付いたヌナキトンネルの映像、そして大切な仲間たちの思い出を描きました。ロシアの若者たちの独特な熱量と、じわじわ迫る恐怖のコントラストを楽しんでいただけていたら幸いです。

皆さんの感想や「ここが良かった!」というコメントなども、ぜひお気軽に書き込んでくださいね。


それでは、第1章の第1部分でまたお会いしましょう!もし「続きが気になる!」「面白い!」と思っていただけましたら、画面の一番下にある星評価(★)やブックマーク登録で応援していただけると、執筆の大きな励みになります!どうぞよろしくお願いいたします!

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I liked the subject matter of the work very well and the artist is just a wonderful book. I'm intere…
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