日記3 してあげられること
「ごめんなさい…ごめんなさい……!!」
土下座してる…そこまでじゃないんだけどな。
「私…わたし、食材ムダにしちゃったぁ…だから…ごめんなさい…ごめんなさい……!!」
えっと…卵一パックにパンケーキの素が2袋。あとは、牛乳2パックってところか…なぜか油が新品まるまるなくなったのは目をつぶろう。
いやほんと、火事にならなくてよかったよ。
「まあ、気にするなって、始めはこんなもんだよ。失敗しなければ前に進めないんだから、それだけでも十分だって」
「うぅ…ほんとうにぃ〜?」
あっ、顔が上がった。
猫みたいに丸まって土下座してたから、どんな顔してたか分かんなかったけど…
「顔グチョグチョじゃん…ほら、起き上がって顔を洗いなよ」
「うぇ〜…起こしてくれてありがとぉ〜……」
髪もぐちゃぐちゃだし…風呂入ってもらうか。
「キッチンはこっちで片付けとくから、お前は風呂入ってこいよ」
「ふろ…おふろ、めんどくさ……」
「なんか言ったか?」
「いっ…いや! べつに!?」
本当になに言ったんだ?
まあ、いっか。
「入ってくる…入ってくるよ!!」
「あいよ〜」
ちゃんと行ってるな…さて、キッチン片付けるか。
なんか…まじで、どうやってここまで汚れたかは考えないようにしよう。
~しばらくして~
30分ぐらい経ったかな?
いや〜、我ながら綺麗に掃除できてるな。キッチンが輝いてみえるし…
「…あれ? 瑠璃は?」
30分ぐらい上がってこないけど、なにしてるんだ?
「溺れてないよな…」
さすがに大丈夫か。
でも、気になるし風呂場へ行くか。
「瑠璃ー、生きてるー?」
「えぇ…りんくん? 生きてるよ〜…」
「大丈夫か? 入りすぎだと思うんだが…」
「ん〜? だいじょぉぶ、生きてるからだいじょうぶだよ〜…」
…いや、これギリだろ。
「瑠璃、そろそろ上がれよな。俺もそろそろ家に帰るから、上がったらリビングに来てくれ」
「ん〜…えっ!? りんくん帰るの!!?? ちょ…ちょっとまって!! 上がるから…ちょっと待っててね!!!???」
「お〜、待っとくからゆっくりな」
上がるみたいだし、リビングで待っておこうかな。
~しばらくして~
「りんく〜ん、おまたせ〜。」
あっ、上がってきた。
「相変わらずの毛量だな…ほら、こっち来いよ。ドライヤーするから」
「うん〜」
ご機嫌で来たな…さっきの失敗を引きずってなくてよかった。
「なぁ、そろそろ髪切らねぇの? 膝近くまでいってるから、散髪に行ったほうがよくないか?」
「え〜、外出たくなぁい。りんくんが切ってくれるならべつだよー?」
「俺は切らない。したくないとかじゃなくて、できないからな。だから、美容師さんに任せる」
「じゃあ、美容師さんになってくれればいいのに…りんくんはいけそうなのになぁ」
「甘えるな。結局は外に出ない理由作りになってるだろ。膝下まで行ったら、美容師さんを呼んででも切ってもらうからな」
「えぇ…ん〜…わかったぁ……」
しょぼけた。
でも、これぐらいはしてもらわないとな。外に出る理由作りにもなってくれるし。
「おし…終わった。髪をくくるからじっとしとけよ」
「おっけ〜」
これ…地味にムズいな。新しいのをやろうと思ったけど、やっぱいいや。
「…できた。これで作業の邪魔にはならないんじゃないか?」
「うん…ありがと!」
「じゃあ、俺は帰るぞ。明日に疲れが出てたら嫌だしな」
「あっ…そうだね、もうこんな時間だね……」
うつむいてる。
まあ、こっから1人だしな。手伝いたいけど…
「…俺は帰る。俺が居ても何もできないからな。作業、がんばれよ」
「う…うん、がんばる! がんばるよ!!」
「それじゃ、また明日」
「うん! バイバイ、りんくん!」
じゃあ、帰るか…隣の自宅に。




