日記17 明日に備えて
「ただいま〜」
あ、いないのに言っちゃっ…
「おかえり〜」
「おかえり」
…ん? 2人の声がしたぞ?
「…え、2人帰ってたの?」
「そうだぞ。母さんに手伝ってもらったからな…仕事が片付いたのさ」
「そっか。確かに、瑠璃が余裕ができたって言ってたもんな。父さんも楽になったの?」
「ぼちぼち…ある程度はな」
「ふーん…慣れれば大丈夫だろ」
義理堅いな…自分を追い詰めなくていいのに。
「そうだ! 鷹凛、宅配を受け取ってくれてありがとうね」
「宅配…あぁ、朝のやつか。うん、瑠璃が受け取ったけど」
「瑠璃ちゃんが…!? そう…ありがとうと伝えに行かないとね」
あれ…やべ、またやったわ。瑠璃ごめん。
「そういえば、気になってたのだけど…手に持ってるのはピザ?」
「ん? あー、そうだよ。瑠璃と食べたんだけど、お腹いっぱいでさ。余りだけど食べる?」
「じゃあ、いただこうかしら。お父さんはどう?」
「いいな。鷹凛、ありがとう」
「べつにいいよ。こっちこそ、残り物を渡してごめん」
「大丈夫よ。なら、私は温めてくるね」
「母さん、ありがとー」
温めるぐらいやるけどな…てか、父さん酒呑んでるじゃん。
「…鷹凛、座りな」
「え、いいよ、風呂入るし」
「母さんがプリンを買ったんだ。だから、座って待っていな」
それでか…やったね。じゃあ座ろ。
「…瓶ビール呑んでるけど、呑み切れるの?」
「大丈夫だ。これは今日で2日目だからな」
「おい、つぶれたんかよ」
その心配したんだけど…
「…鷹凛、瑠璃ちゃんはどうだ?」
「元気だよ。さっき一緒にアニメ観た」
「そうか…」
「…なぁ、父さんはそれでいいの?」
「もう3年だろ。今さら辞めるとは言えないさ」
「…あっそ」
なんかな〜…尊敬できるけど、地味にダサいんよな。
「温まったよ〜。あと、鷹凛にプリンを買ったわ」
「やったね。母さん、ありがとう」
美味そ…これ、見た目すごいな。
「いただきまーす」
…あっ、美味いわ。ハマりそう。
「母さん、これどこで買ったの?」
「駅前のお店よ。新しくできたみたいで、そこで買ってみたの」
「確か、最後の1個だったよな。ついていて良かったよ」
…ん?
最後の1個…
「…一口いる?」
「大丈夫よ」
「大丈夫だ」
なんかな〜…べつにいっか。ありがたく受け取ろう。
「…ん、ごちそうさまでした。2人とも、ありがとう」
「どういたしまして。お風呂に入ってきたら? 明日学校でしょ?」
「うーっす。じゃあ行ってくる」
ちゃちゃっと入るか。
〜しばらくして〜
ポカポカだぜ。やっぱ冬の風呂はいいな〜。
「あがったよ〜…お?」
え…父さんがテーブルで寝てる。
「あ、鷹凛」
「母さん…あれ、つぶれたの?」
「そうなのよ。つぶれるならベッドの上にしてほしいわ」
そもそも止めてくれよ…
「…はぁ。今から2階行くし、父さんは任せてよ」
「助かるわ。ありがとう」
たく…変なの。
「父さーん。行くぞ」
「お…うりん……すまないな…」
「謝るならここまで飲まないでくれ。何口いった?」
「…ごくち…だな……」
「呑みすぎ…でも、まだマシか。ほら、階段行くぞ」
あんま重くないな。肩貸すぐらいだからだけど。
「うし、着いたよ」
「…ありがとう……」
「ほら、はよ中入って寝てくれ。俺も寝るから」
「あぁ…」
部屋に入ったな。
デジャヴ…でも、父さんだから大丈夫っしょ。
「…うん、音がない。じゃあ、寝るか」
部屋に戻って…ベッドを整えて…って、12時過ぎてるんだけど。
えぇ…でも準備が…
「…寝るか。もう寝よう。俺は寝る!」
明日がどうとかいいわ。俺は今から寝る!




