日記13 ジュースの配達
「いや〜…買えたな〜」
ちょっと遠いところに行ってよかった〜。
まさか、この時期限定のミカンサイダーが出てるとは…行ったかいがあったな。
「…赤になっちゃった」
信号間に合わんかった…ゆっくり帰るか。
「…瑠璃、大丈夫かな?」
緊張しすぎて喋れないとかなってないかな…
「…帰ったらほめてやるか」
瑠璃の好きなリンゴジュースも買ったし、喜んでくれるだろう。
「ブゥゥゥン…」
あっ、ピザのバイクじゃん。
隣に来たってことは…家の近くだし、もしかしたら、瑠璃が受け取った後とか?
「ラッキー……あれ?」
あの顔…どこかで……
「……空閑さん…!?」
「…え、高木くん?」
「やっぱ空閑さんですよね! おひさしぶりです!」
すっご! めっちゃ偶然だな!
「あぁ、久しぶり。買い物帰りか?」
「はい! 空閑さんこそ…今日は警察服じゃないんですね」
「これか…大学の友人から、『店が回らないから手伝ってくれ』と来てな。休暇中やることがなかったから、手伝っているのさ」
「タフですね…」
この人、休暇って言葉を知ってるのかな?
体格も大きいし、体力がありあまってるのだろうな。
「すまない。もうすぐ信号が青になるから行かせてもらう」
「あっ、はい。こちらこそ、邪魔してすみません」
「赤だから大丈夫だ。じゃあな、あいつにも伝えとくよ」
「はい! おつかれです!」
「ブゥゥゥゥン!」
バイク乗って行ったな…明日学校だし、あいつに話すネタが増えたな。
「…あれ? じゃあ、もしかして……」
瑠璃…ワンチャン、空閑さんと会った?
「……うわ、めっちゃ気になる〜」
早めに帰ろ。瑠璃も気になるし。
〜ちょっとして〜
「…うし、着いた」
ちゃちゃっと開けて中に入ろ〜。
「ガチャ」
…あれ?
カギが開いてる…とりあえず中に入るか。
「ただいま〜」
「………りんくん…?」
「おー、そだよ」
「……りんくん…!!」
うわっ、飛びついてきた。
「りんく〜〜ん!! おかえりぃぃ〜〜……!!!!」
「ちょ…うん、ただいま。あの…ただいましたから、いったん離れてくれ…」
「わたしぃぃ〜…ピザうけとったよぉ〜!!!!!」
「…おつかれ」
ピザ…なんで玄関に置いてるのかは別にいいか。
この感じ、瑠璃も玄関にいたっぽいし。
「おがぁぇりぃぃぃ〜〜〜!!!!」
「泣きすぎ…ほら、ジュースも買ってきたし、ピザを食べようぜ」
「…ぐす…うん…! ピザぁ…たべるぅ〜〜!!」
…もうちょっとだけ泣き止むのを待つか。




