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第10話 ■静かな晩餐□

「待たせてすまない。」

という声とともに、ドアが開いて国王がやってきた。


 今更だけど、国王って見た目は私達と同じぐらい若いよね。

 歳はそんなに変わらないかも…。


 そう思いながらも、私は国王が見えた瞬間に反射的に椅子から立ち上がった。


「あ、いえ、私達も今来たところです。」

 やっぱり国王に座ったまま挨拶するのは失礼だろう……たぶん。


「よい。座りなさい。」

「は、はい。」


 国王が私達の座っているのよりも一段と派手な椅子に座った。


 なんとなく気づいていたけど、やっぱりそこが国王の席なんだ…。


「さぁ、ディナータイムだ…。


 おい!料理を持ってこい!」

 国王は近くにいた料理人にそう言った。


「かしこまりました。」



 そして、私達の目の前にたくさんの豪華な料理が並べられていった。


 平たいお皿のスープや、いかにも豪華なディナーっていう感じの盛り付けのステーキ、それに私の大好きなカルボナーラまである!


 他にも味噌汁的な見た目のスープに……ん?あのワイングラスに入った紫色の飲み物って、もしかしてワイン?

 私達未成年だからお酒は飲めないのよね…。



 ぶどうジュースなら飲めるけど!



 いろんな種類があるけど、どの料理も本当に美味しそう…。


 うーん…でもこんなにたくさん食べられるかな…


「料理、多いな…。」

「うん…。俺陸上部に入って結構食べる量が増えたけど、これだけの量は食べ切れないよ。」

 隣の二人もこの量の多さに驚いているようだ。



 というかこの食器ってよく見ると全部銀色だ。

 ここお城だし、たぶんアルミとか使ってない銀100%の食器なんだろうな。


 確か銀食器って、毒が入ってたら変色するらしいんだよね…。



 もしかして、まだこの世界に来たばっかりの私達を安心させるために……?


 …まあ何にせよ、食事に毒が入ってないことには安心した。

 家に帰れないまま死んじゃうなんて嫌だし。


「まだこの世界に来たばかりの君たちの好みがわからなかったから、様々な種類の料理を用意させてもらった。好きなものを食べるといい。無理に全てを食べる必要はないぞ。」


「「「はーい。」」」


 こういうところを気遣ってくれるのはありがたいね。


 さて、私は目の前のカルボナーラからいきますか!


 お城で食べるカルボナーラは、今まで食べたどのカルボナーラよりも美味しかった。


 さすがお城の料理!


 クリームも濃厚だし、麺がアルデンテでちょうどいい硬さ…。


 これは星5の評価をつけたいです!



 …って、ばっかり食べは良くないよ!

 他のものも並行して食べないと…って、小さい頃お母さんが言ってた。


 隣の二人も何種類かを同時に食べ進めてる。



 …ちょっと恥ずかしい……。



 ……えっと…目の前にあるのはカルボナーラとコーンスープ…かな?あとは野菜のサラダがある。

 よし、この3種類を食べよう─




 ─そして、食べ始めてから10分ほどたった。


 その間、会話はなかった。


 いや、国王なんか喋りなさいよ!って内心思ったよ。


 隣の二人も私も、もうすぐ食べ終わってしまう。

 てかこの二人も、よく会話なしでここまで食べ続けられたね。

 いつもならいっぱい喋るのに。





 そして、私達3人は食べ終わり、

「「「ごちそうさまでした!」」」

と挨拶をした。


 そこでやっと国王が口を開き、

「料理は美味しかったか?」

と聞いてきた。


「はい!とっても美味しかったです!」

そう答えたのは、陽瀬だ。


「そうか、よかった。

 まさかあれだけの量を完食するとは、さすが勇者であるな。

 訓練を始めたらもっと食べる量を増やさないといけないだろうな。」

 そう言って国王は少し苦笑いした。


 確かに、国王の言った通り、机の上にあった料理は全てなくなっている。


 さすが陸上部とバスケ部。

 よく食べるねー。


 さすがの国王でも、一気に食費が増えると色々大変だろうなぁ。



「今日はもう部屋に戻ってゆっくり休みなさい。

 部屋に風呂がある。自由に使って良いぞ。」


「わかりましたー!」


 そして、私達3人は自分の部屋に戻る。

 部屋に帰るときも、ここに来たときと同じ兵士が一緒だった。


 部屋に帰る途中、

「ほんと美味しかったな。」

と、陽瀬が話しかけてきた。


「うん!

 あと、食器がすべて銀で出来てたのも驚きだったよ。」


「確かに、それは言えてる。」


 その後、陽瀬は私にだけ聞こえるようなヒソヒソ声で、

「実はさ、食事中にちょっと燎の方を見たら、お前の事観察してたんだよ。」

と言ってきた。


「え!?私のことを?」

私も同じようにヒソヒソ声で喋る。


「あぁ。たぶん、お前が美味しそうに食ってたから、それに見惚れてたんだろうよ。」


「えぇ…。

 ちょっと恥ずかしいよそんなの…。」

 あ、もしかしたらカルボナーラ食べてたときのことかも。


 あの時だけはカルボナーラに集中してたから…。



「ん?お前ら、なにヒソヒソ話してんだ?

 俺も混ぜろよ。」

 私が恥ずかしさのあまり小さくなってたら、燎が話しかけてきた。


「いや、もう終わったし。


 てか部屋ついたぜ。」


 そう言ってるのが聞こえて顔を上げると、自分の部屋の扉の目の前だった。


「じゃーなー。」

「また明日な。」


 二人は先に部屋に入っていってしまった。


 はぁ…過去のことを恥ずかしがっても仕方ない。

 そして、扉をガチャリと開いた。


 電気をつけ、お風呂に入る準備をする。


 クローゼットの中を漁ると、パジャマらしきものが出てきたので、これはお風呂上がりに着ることにする。


 あとは、ホテルみたいな感じで部屋に入ってすぐ右のところにあるお風呂場へと向かう。


 中には、タオルやシャンプーなどのお風呂セットがおいてある。

 しかも結構質がいい。


 こういうのを見ると、異世界感が薄れるなぁ。


 まぁいいや、とりあえずお風呂入ろ…。

 皆さんはスパゲッティの種類(?)はどれが好きですか?

 ちなみに私はミートスパゲッティが好きです!

 カルボナーラは2番目に好きです。

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