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  作者: 火鳥 らひす
2章;美弥子
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4、熱と寒。

内密に執り行われ、内密に閉められたはずの、王子の結納の儀の話しは、瞬く間に王都に広まっていった。


『伝説の巫女 現る!!』


伝説は、現実だった。

クロス王子の結納の儀のさなか、伝説の巫女が伝説の泉へと降り立った。

巫女の伝説に捉われすぎで、もはや現実と空想の区別のつかない。そんな噂もされていたクロス王子の、それも仕組まれたかのような、王子の結納の儀のさなか。


王子の隣国の姫君との婚約は取り消され、巫女との婚約、結婚が決定!

この国の未来と繁栄は、保証されたようなものであろう。


そんなチラシが飛び交うほど、王都の街は、この話でもちきりで、一目伝説の巫女を見てみようと、王宮を覗き見しようとする者も、後を絶たなかった。



しかし、王都のそんな賑わいを余所に、王宮のこの一角は、荒れていた。


「こないでっ! それ以上私に近づかないでっ!」

そんな叫びと共に、バフッ!!と、王子に向かって、柔らかい羽毛の枕が投げつけられた。

やれやれと、ひとりごちながら、王子クロスは、自分に投げつけられた枕を拾うと、自分んに、毛を逆なでた巫女に向き直った。


「おまえは、自分の置かれた状況を、理解できていないようだな。 異世界の巫女。」

クロスはそう言うと、ベッドの端に枕を置いた。




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