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4、熱と寒。
内密に執り行われ、内密に閉められたはずの、王子の結納の儀の話しは、瞬く間に王都に広まっていった。
『伝説の巫女 現る!!』
伝説は、現実だった。
クロス王子の結納の儀のさなか、伝説の巫女が伝説の泉へと降り立った。
巫女の伝説に捉われすぎで、もはや現実と空想の区別のつかない。そんな噂もされていたクロス王子の、それも仕組まれたかのような、王子の結納の儀のさなか。
王子の隣国の姫君との婚約は取り消され、巫女との婚約、結婚が決定!
この国の未来と繁栄は、保証されたようなものであろう。
そんなチラシが飛び交うほど、王都の街は、この話でもちきりで、一目伝説の巫女を見てみようと、王宮を覗き見しようとする者も、後を絶たなかった。
しかし、王都のそんな賑わいを余所に、王宮のこの一角は、荒れていた。
「こないでっ! それ以上私に近づかないでっ!」
そんな叫びと共に、バフッ!!と、王子に向かって、柔らかい羽毛の枕が投げつけられた。
やれやれと、ひとりごちながら、王子クロスは、自分に投げつけられた枕を拾うと、自分んに、毛を逆なでた巫女に向き直った。
「おまえは、自分の置かれた状況を、理解できていないようだな。 異世界の巫女。」
クロスはそう言うと、ベッドの端に枕を置いた。




