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古代の魔女  作者: 鏑矢月
最終章
53/56

第51話 神の降臨

帝国暦1401年

―アオイの心の中―

本当に私がお姉様を殺してしまったのだろうか?その問いを私は真っ暗で光一つない暗闇の中でずっとずっと考えていた。

考えれば考える程、私がお姉様を殺してしまったと思えてしまう。

そして、私は決心する。

私はお姉様を殺したという現実から逃げる。そのために自分に胡蝶の夢をかけて私の記憶を全て消す。

汗が滲み出て、ガタガタと震えている手を脳に当てる。

そして、私は大きく深呼吸をし、その詠唱を唱える。

「我が神の周知の下に、我、彼の者の歴史を消さんと欲す。あぁ、我が寛容なる神よ。我が醜き行為をお許しください。そして、神よさようなら。私と関わったすべての人に幸あれ!『胡蝶の夢』」

その瞬間、私の身体から出たたくさんの蝶たちが天界に向かって飛び立っていく…はずだった。そうなるはずだったのに…。私から出た蝶たちは私の周りをぐるぐると周り、私の体の中に入っていった。

「神よ。あなたは私に姉殺しの重荷を背負って生きろというのですか。」

泣きながら私は天に訴えかける。

すると、暗闇の中に一筋の光が天から地に向けて降りてきた。その中からは白色の翼を付けたお姉様が降りてきた。

お姉様は地に足がつくとすぐにこちらに歩み寄ってきて「このバカ」と言い、私の頬を思いっきり叩いた後、私のことを思いっきり抱きしめてきた。

「…お姉様…。」

その光景に私は呆然としているとお姉様が抱きしめるのをやめ、私の方をじっと見て話しかけてきた。

「アオイ、聞いて。あなたは悪くないの。だから自分の記憶を消そうだなんてもう一生しないで。お願い。」

私の目を見て訴えてきているお姉様の姿を見ていると自分がしようとしたことでお姉様がどれだけ悲しんだかがよく分かる。

「分かりました。自分の記憶を消す事はもう一生しません。約束します。」

「良かった。本当に良かった。」

安堵したお姉様は胸に手を当てて何度も良かったと言っていた。

そんなお姉様に私は気になっていた事を尋ねる事にした。

「お姉様はなぜ、私の元へ来たんですか。」

「そんなのあなたが自分の記憶を消そうだなんてしていたからそれを止めに来たに決まってるじゃない。」

「本当にそれだけですか?」

恐らく違うはずだ。お姉様がここに来た本当の理由は…。

「他にどんな理由があると言うの。」

きっと…。

「私の解答を聞きに来たんじゃないですか。」

「解答?」

「お姉様があの未来を見せてくれた本当の理由です。」

そう言ったらお姉様の口角が僅かに上がった。

「あなたはその本当の理由に気づいたというの?」

「はい、気づきましたよ。」

「では、聞かせてもらおうかしら。私の最愛の妹が導き出した解答を。」


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