第百二十九話『落ち着いてあせってるのにゃん』
第百二十九話『落ち着いてあせってるのにゃん』
《これぞ『乙女幼児、熟練の妙技』にゃんよ》
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のっしのっし。のっしのっし。
「ミーにゃんミーにゃあぁん!
ミリアにゃんがにゃあっ!」
「おっ、ミアン。
——大声を張りあげながらも、
ゆぅっくりのくり、と、
こちらへ近づいてくる親友に、
『どう逆立ちしたって、
乙女幼児とは、
とても思えない貫禄』
ってやつを、
畏怖の念とともに、
覚えているのは、
決してアタシだけじゃあないはず、
なぁのわん。
まっそれはそれとして——
ミリアんが、
またなんぞやらかしたのわん?」
「んにゃに、
のぉんびりのびり、と、
かまえてにゃんぞ、
いられにゃいんよ」
「——いっくら寛大なアタシでも、
『ゆぅっくりのくり、と、
やって来たネコなんかに、
いわれたくないのわぁん!』
って文句の一つも、
ぶちまけてやりたいところ、
なぁんだけどぉ。
ミリアんが関わっているとなれば、
マジで、
『ことは急を要する』
のかもしれないのわん。
んならばここは『忍』の一字で——
まぁまぁ。
ほら、そこにしゃがんで。
落ち着いて、
じぃっくりのくり、と、
ことの仔細を、
語るがいいのわん」
「それもそうにゃん」
すわっ。
「ふにゃ。
落ち着いたら急にまぶたが……」
すやすやすや。すやすやすや。
「——いっくら、
寛大の寛大なアタシでもぉ。
今度という今度は、
堪忍袋の緒が、
しっかと、
切れに切れまくったのわぁん——
こらあっ!
とたんにおネムしちゃうくらい、
落ち着いてどうするのわぁん!」
《にゃあんといわれても。ウチはすでに夢の中にゃん》
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「ふわああぁぁんにゃ。
——と最っ高に気持ちのいい、
大あくびが終わったもんでにゃ。
周りを見回してみるのにゃん——」
きょろきょろ。
「ふにゃ?
——目の前の上空に、
にゃにやら顔見知りの妖精にゃん、
と思ったら——
ミーにゃん、おはようにゃん」
《んで終われるほど、あまくにゃいもんで、つづくのにゃん》




