現実の変化
人が皆、理想を求めているように
彼等だって理想を求めている
だがそれは叶わないことが多い。いや、叶わない。
傍観者を望む彼は、理想を諦めているからか…
それとも理想を夢の中で築いているのか…
そんな彼の現実が変わり始める
「あぁ、今日もまたブロられたな…」
そう言いながらSNSのDAINEをしてお菓子を食べながらヘッドホンをしているのは私立高校に通う普通の高校2年生、
華原真琴だった。
性別は男子である。
「まぁこれだけクラスメイトにブロられるとは俺も堕ちたな、やっぱ現実はゴミだわ」
もうわかっての通り彼は現実に友達のいない可哀想な人間である。先ほどブロックされたのはなんと年下の後輩だった。
趣味はPKPを使ったオンラインゲームとアニメの視聴、そして携帯ではSNSとソーシャルゲームをやっている。
その時母親の声がする。
「あんた勉強やってるの?とりあえずご飯できたから降りてらっしゃい」
今真琴がいるのはニ階、つまり自室だ。
彼はそれを聞くとめんどくさそうにPCをシャットダウンする。
そして携帯を充電器から外し、ヘッドホンに入れ替え1階へ降りてゆく
「母さん、あんま大声だすなよ…正直うるさい」
母は答える
「だったらご飯作ってる時ぐらいちゃんと降りて待ってなさい」
そういわれると真琴も返す言葉がなかった
「…分かったよ。」
そう小声で答える。そして彼は携帯をポケットから出してヘッドホンをしてから携帯を利用し始める。
「うわ!やっべ!!相手課金してるだろこれ…くっそ!」
彼の携帯に写っていたのはソーシャルゲームの画面。そしてそのゲームのイベントのランキングだった。
ポイント差はごく僅かにまで追い詰められていた。そんな中母は答える
「ゲームばっかやってるとそのうち睡眠不足で倒れるよ」
そんなこと彼は知っている。だからあえて何も言わない。それにヘッドホンをしているため聞こえないふりもできるのだ。
「明日は待ちに待ったゲームの発売日だっていうのに課金してたまるか!!」
母はそんな息子を見兼ねる…
「もうあんた高校やめたら?」
真琴は答える
「正直やめたいがやめると人生終わるからやめれねえんだよ」
彼はそう言うと夕食を食べ始める。携帯画面は今日放送されたアニメに変わっていた
「キミハイヅレキヅク…」
一瞬おぞましく恐ろしいそんな女性の声が聞こえた。今の声は真琴でもなければ母でもない。真琴は尋ねる。
「今の声何?」
母は答える
「何も言ってないけど?アニメの見すぎじゃない?」
真琴は考える…そして一つの結論に至る
(多分空耳だろう…)
その時電話が鳴る。真琴の携帯だ。
「誰だ?あ、さっきのブロ後輩か」
めんどくさいようなため息をつき彼は携帯を非通知に設定し、アニメの画面に戻した
「流石に飯食ってんのに出れるかよ」
無論食べてなくても出ないであろう。暇であっても出ないはずだ。
夕食が終わり風呂に浸かっている彼はソーシャルゲームをしながら駄弁っていた
「あぁ、クソだるいなぁ…まあ課金する必要はなさそうだな」
そう呟くと突然DAINEの通知が来た
「ん?管理会議かな?」
彼は今大人気のパズルソーシャルゲーム、パグドラのDAINEグループの管理職でもある
人数は100人で賑わいはものすごい、実際にユーザーは一千万人を超えるがDAINEはパグドラとはあまり関係ないSNSなので
人数は少ない。だがDAINE
のグループにしては大規模である。
「あれ?この人誰?」
写っていたのは管理会議の画面ではなかった。
見知らぬアカウントからのメッセージであった
謎のアカウントからはこんなメッセージが届いていた
:あなたは同じ日々に満足してる?
そして呆れたようにくすりと笑い彼は返信する
「楽しいわけねえだろwwww」
真琴は驚いた。確かに送信したメッセージだった。
それが消えていたのだ…二度繰り返す、しかし結果は同じ。
「多分携帯がバグったな」
そう言うと彼はソーシャルゲームに戻った。
しばらくして風呂を上がった真琴は二回の自室でPCを起動させ、呟いた。
「さて、PCでやってみるか!」
DAINEはPCからも接続できる。だから彼は携帯が不具合を起こしたと思いPCで試してみるつもりなのだ。
先ほどの謎のアカウントを選択し、メッセージを送信する。
「え…そんな馬鹿な…」
何度も繰り返すが結果は風呂で返信した時とまったく同じだった。
「おかしい、これはサーバーでも逝かれたのか?」
DAINEに不具合報告をしたあと、彼はいつものようにまたPKPのオンラインゲームを始めた。
気づくと午前3時
「あ、やべえな、流石に寝ないとダメか…」
彼はすべての機械の電源を落とし眠りについた…
夢の中…いや、これは悪夢の中だ
火が蛇のように這い回る部屋の中、薄緑色の髪をしたドレスを着ている少女は言った
「先に行きなさい…私は大丈夫だから」
真琴の横にはロングの黒髪をして火事でボロボロになった私服を着た、真琴と同年代の少女がいた。少女は足に怪我を負っているため一人では脱出が出来ない。
そう、いま脱出すれば黒髪の少女だけは救える、だが目の前の少女は救えない…
彼は決断を迫られていた…その時天井からものすごい音がした、
地震のようなうねり声を上げながら地面も割れ始めた。
もう時間は手遅れなのだ。
「くっそ、早く行くぞ!!」
真琴はそう言うと黒髪の少女を抱きかかえ部屋を脱出した。
脱出する一瞬、薄緑色の髪の少女は目に涙を見せていて、そして微笑みながら
「ありがとう」
確かにそう呟いた…
「うわあああああああああ!!!!」
真琴が起きる。
「どうしたの?何かあった?」
母はそう言いながら登ってくる
「あーなんでもない!行くから待ってて!!」
既に夢のことなど忘れていた。
いつものように朝食を食べながらソーシャルゲームをしている。
その時ふと呟く
「人は何か本当に大切なものを失うとどうなるのだろう?」
母が叫ぶ
「あんた遅れるよ!!」
時刻は7時10分を指していた
「やべえ!!」
朝食を済ませ身支度を整えると7時36分だった。
「あー学校なんて行きたくねえな…」
自転車に乗り通学する途中昨日のことを思い出した。
「あのDAINEなんだったんだろうか…」
彼は気づかないが確かに今信号を横切った時にそれがいた
青いコートを着た少女が
彼女はその一瞬に昨日と同じ声で
「マタクリカエスノ?」と答えた
真琴は聞き覚えのある声を聞いて振り返るがそこには車以外誰もいなかった
「気のせいかな?」
そう言うと彼は学校へ向かった
青いコートの少女は無表情でそれを見ていた




