57 ▼エロニョロニョロ?編
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【あらまし】(ボートレーサーにまつわる話)
居酒屋「輪多輪多」に集まった男女6人。ボートレースにおける「海(競争水面)」の難しさや、潮の満ち引きがレースに与える影響について語り合います。
話題はやがて、宇宙開発に比べて進まない「海底探査」の不思議へと移り、由利と丹沢が「今日よう(教養)」のダジャレを交えながら、人類の夢と挑戦についてユーモアたっぷりに議論を交わします。
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【主な登場人物】
速水爽香 20歳女 女子ボートレーサー
志摩真波 26歳女 女子ボートレーサー
友田千加 23歳女 女子ボートレーサー
丹沢純也 30歳男 美浦市役所住民課主事
由利源吾 30歳男 美浦市役所税務課主任
茂木数魔 30歳男 美浦市役所情報統計課主任
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爽香
特徴: 喜怒哀楽がはっきりした、グループのムードメーカー。
性格: 丹沢の「オヤジギャグ」には厳しく、由利の教養には感心するなど反応が豊か。
真波
特徴: 知識が正確で、冷静なツッコミ役。
視点: 海(難水面)の走りづらさを熟知している。
役割: 専門的なルールを分かりやすく補足する。
千加
特徴: 明るくお酒好き。現在の悩みは「最低制限体重(47kg)」を2〜3キロオーバーしていること。
減量法: ヘトヘトになるまでの走り込み。
性格: 丹沢のギャグに笑ってあげるなど、ノリが良く優しい一面がある。
丹沢
特徴: 賑やかでお調子者のムードメーカー。
性格: 「エロニョロニョロ(エルニーニョ)」と言い間違えるボケをあえてかます。
視点: 一般人(素人)に近い感覚で質問を投げかけ、会話を盛り上げる役割。
由利
特徴: グループ随一の「教養担当」。ボートレースの歴史や技術的な知識に非常に詳しい。
十八番: 褒められると「今日よう(教養)」と返す定番ギャグを持つ。
語り: 過去の「モンスター」や「艇王」の異名を持つレーサーのエピソードを語り聞かせる。
茂木
特徴: 丁寧な口調で話す、落ち着いた聞き手。
役割: 専門的な話題を補足したり、千加の減量法に感心したりと、聞き上手なポジション。
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【前書き】
●この小説には多くの数字が出てきます。そこで読者の皆様が読み易いように横書きとなっております
●多人数での会話も多いことから、誰が話しているのか、すぐにわかるよう会話の頭に台本形式で、氏または名を付けて表現しました
●この物語はフィクションです。実在の個人・団体、実際のレースとは一切関係ありません。ボートレーサーと市役所職員をモデルに、フィクションとして制作されたものです
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【01】 海とは?
6人が、居酒屋『輪多輪多』に集まった。
千加「今年の夏は暑いわね」
丹沢「エロニョロニョロとかっていう奴のせいなんだろう?」
真波「なに? エロニョロニョロって?」
爽香「ヘビかなにか?」
由利「エルニーニョ現象のことだよ」
真波「ははははは」
それにつられ、一同も笑った。
爽香「どうして『エルニーニョ現象』が『エロニョロニョロ』になるのよ?」
由利「こいつ、ちゃんと覚えないんだよ」
丹沢「まぁ、いいじゃないか。大体わかるだろう」
由利「私しか、わからないよ」
真波「ははははは」
それにつられ、一同も笑った。
丹沢は、本当は『エルニーニョ現象』と言えるのだが『つかみ』を狙い、由利もそれにうまく反応した。丹沢をこき下ろしすことによって、聞く側の『優越感の笑い』を誘った。
千加「エロニーニョじゃなくエルニョーロ、私まで間違ったじゃないの!」
真波「エルニーニョね」
千加「そう、それ。エルニーニョって海で発生するんでしょう?」
真波「うん」
千加「海で思い出したけれど、ボートレース場が全国に24か所あるでしょう」
真波「うん」
千加「その内の11か所が海なのよね」
丹沢「海か、いいね海は。海を見ていると心まで広くなるね。『♪海は広いな、大きいな~』だね」
丹沢が鼻歌で動揺を歌いだした。
爽香「なに、のんきなこと言ってんのよ!」
真波「そう、海は走りづらいのよね」
爽香「そうそう、私は静水面のプールとか湖の方が好き!」
丹沢「なんで?」
爽香「潮の満ち引きで、影響を受けるからよ」
茂木「そうですよ。海を走るときは、特に気を付けた方がいいですね」
由利「絶対に甘く見てはいけません。『海は人を詩人にする』と言った作家も居たけれど『海は人を死人にする』と言った漁師も居たからね」
丹沢「由利さんは相変わらず教養があるんだね。いつから教養があるの?」
由利「今日よう」
千加「ははははは」
真波「ははははは」
爽香「それ、もう聞き飽きたわ」
丹沢「ははははは」
由利「ははははは」
茂木「ははははは」
爽香「そんなにウケた?」
茂木「ボートレーサーは、どんな水面でも気を抜かないことが大事ですよね」
真波「そうよ。由利さんも茂木さんも、二人ともレーサーでもないのによく知ってるのね」
爽香「それに比べ、もうひとりはのんきなんだから」
千加「いいんじゃない、のんきで心が海のように広い人も必要よ」
丹沢「ははははは」
爽香「もう、いつも笑ってばかりなんだから」
茂木「海は広いですけれど、深さも深い所では1万メートルありますからね」
千加「一度でいいから泳いで潜ってみたいわね」
爽香「無理でしょ!」
丹沢「クジラの尾びれに捕まって行ったら?」
爽香「バカでしょ!」
茂木「ははははは」
由利「だいたい、どうやってクジラを捕まえるんだよ?」
丹沢「クジラの顔の前で指をグルグル回すんだよ」
由利「なるほど、目が回って捕まるかも」
爽香「二人ともバカでしょ!」
真波「ははははは」
茂木「ははははは」
丹沢「でも海って、本当に不思議だよな?」
爽香「何がよ?」
丹沢「うん? だって、」
爽香「『だって』って、何が言いたいのよ! はっきり言ってよ」
丹沢「人類は38万Km離れた月には行けても、たった1万mの海底には行けないんだからなぁ」
爽香「……」
由利「日本政府だって宇宙への開発費には何千億円もの予算を付けるのに、こんな身近で目の前にある海底への開発費には、ほとんど予算を付けてないんじゃないのかな?」
丹沢「由利さんは相変わらず教養があるんだね。いつ、」
爽香「ストップ! また、そのギャグをやるんでしょう?」
丹沢「うん」
爽香「聞き飽きたわ」
丹沢「なんだ、やらせてくれないのかい?」
千加「私はまた聞きたいな」
丹沢「ははははは。ありがとう。由利さんは教養があるんだね。いつから?」
由利「昨日から」
丹沢「嘘だろ。本当は?」
由利「今日よう」
千加「ははははは」
爽香「変化をしてまでもそのギャグ、やりたいんだ?」
丹沢「うん。由利さんが次に『今日よう』と言うのを待つとワクワクするんだ!」
爽香「ふーん」
丹沢「それに、期待して待ってると、脳からドーパミンが出るんだよ」
由利「どんな風に?」
丹沢「ドーパーっと!」
千加「ははははは」
真波「ははははは」
爽香「結局、そこかよ!!!」
千加「ははははは、面白い!」
爽香「最初だけよ。そのうち飽きるから」
丹沢「飽きてもいいから死ぬまでやらせてくれ」
爽香「どうぞ、どうぞ」
丹沢「ありがとう」
爽香「将来、丹沢さんが死んだら墓石に『ドーパー』、由利さんが死んだら『今日よう』と、彫ってあげるわよ」
茂木「それはいい!」
千加「ははははは」
丹沢「で、なんの話をしていたんだっけ?」
爽香「ほら、ごらんなさい。いつもこうなんだから」
真波「月には行けても、海底には行けないって話よ」
丹沢「そうだ、そうだ」
千加「個人的には、月よりも海底に行ってみたいな」
茂木「なんでですか?」
千加「月には何もいないじゃない? 海底には色々な生物が生息しているんでしょう? それらを見てみたいのよ」
茂木「なるほど」
真波「私も月より海底がいいな。過去に沈んだ船やボートも見たいわ」
千加「うんうん。丹沢さんの言う通り、海底に行けないなんて不思議よね」
由利「絶対に安全で、500人ぐらい乗れる海底への遊覧船と言うか、潜水艦が出来たら最高だな」
真波「賛成!」
千加「叶うといいけれど」
爽香「夢だわ」
由利「夢を追い続ければ叶うさ」
爽香「そうなの?」
由利「夢を捨てた人間は『夢』という漢字に、人を意味する『にんべん』を付けて『はかない(儚い)』という漢字になっちゃうんだ。だから『夢』はそのまま追い続けないと」
爽香「由利さんて教養があるのね。いつから?」
爽香が丹沢より先に言った。
由利「今日よう!」
丹沢「ははははは」
由利「ははははは」
二人で笑った。
爽香「あたしが振りをやっても成り立つんだ!」
丹沢「私の立場がないだろ!」
真波「ははははは」
千加「ははははは」
【02】 減量の限界
千加「私、暑いと飲みすぎちゃうし、食べ過ぎちゃうのよね。減量しないとなぁ」
ビールのジョッキを片手に持ちながら言った。
真波「体重、オーバーしているの? 」
千加「うん、そうなの」
丹沢「ボートレーサーには体重制限があるの? 」
丹沢は『体重制限』があることだけは知っていた。知っていながら聞いた。
真波「上限は無いけれどね」
丹沢「じゃぁ200キロのお相撲さんが乗ってもいいんだね」
真波「ボートが沈んじゃうかも。で、なかったら、沈まなくても進まないんじゃない? 」
丹沢「じゃあ体重制限が無いのに友田さん、何がオーバーしているの? 」
千加「最低制限よ」
丹沢「最低制限? 意味がわからない」
真波「女子は47キロ、男子は50キロが最低の体重、と言う決まりがあってね」
《注:その後、変更あり》
丹沢「へえーっ。下の体重が決まってるんだ」
真波「女子は47キロが理想の体重なの」
丹沢「47キロじゃ随分細いな。で、なんで、それが理想の体重なんだ?」
真波「やはり、軽い方がボートのスピードが出るからよ。だからルール通り最低の体重を維持していくことが勝利につながる訳」
丹沢「もし、体重が47キロを切ったら? 」
真波「おもりを付けて走るようになるわね」
茂木「競馬の騎手と同じですね」
丹沢「ふむふむ。さっぱりわからん!」
真波「何が? 」
丹沢「友田さんは最低制限の47キロをオーバーしてるって意味でしょう? 」
千加「そうよ」
丹沢「失礼でなければ何キロぐらいオーバーしてるんですか? 」
千加「 2、3 キロ 」
丹沢「3キロとしても体重50キロ、全然減量するような体重じゃないですよ。スタイルだって全然いいじゃないですか! 素敵ですよ!」
千加「それがダメなのよ」
丹沢「ダメって、それだと世間に居る体重50キロの女性に失礼になりますよ」
千加「世間の女性は50キロでいいのよ。でもボートレーサーの世界では、一流になるためには失格だわ」
丹沢「失格?」
千加「とても一流とは言えないでしょうね」
丹沢「えっ、なんで? ますます、意味不明。たった3キロぐらいで、ボートのスピードが変わるなんて信じられないなぁ。車だったら、4人が乗っている車も、ひとりで乗っている車もスピードに差はないですよ?」
由利「私が説明しましょう。ボートレースのボートは体重が軽いほど、スピードが出るものなのです 」
丹沢「ふむふむ。まぁ、運動会のおんぶ競争だって重い人間を背負った方が遅いからな。でもボートでそんなに差が出るのかなぁ?」
由利「で、ボートの場合、軽い人と重い人と、どのぐらい差が出ると思いますか?」
丹沢「そうだ、どのぐらい差が出るんだ? 」
由利「仮に、 47キロと52 キロの2人の女子レーサーが居るとします」
丹沢「ふむふむ。2人には5 キロの差があるわけだ」
由利「はい。両者が直線300mを全力で走ると約1艇身がつくといわれています」
丹沢「1艇身って、ボートの長さってこと? 」
由利「はい、1メーター88センチです」
丹沢「シャラポワか」
由利「シャラポワ?」
爽香「シャラポワ、うん?」
真波「シャラポワねぇ」
丹沢「誰もツッコまないのかよ!」
由利「浮かばないんだよ……、あまりにも意外で」
爽香「じゃぁ、なんて言えばいいのよ?」
丹沢「『シャラポワはボートじゃねーよ』」
千加「『どこにエンジンを着けるんだよ!』ってね」
茂木「ははははは。うまい!」
丹沢「で、なんだったっけ?」
由利「直線300mで1メーター88センチ差がつくと言ったんだ」
丹沢「ははははは。10秒経つとすべて忘れちゃうんだよな」
由利「まったくバカなヤツだ」
丹沢「そんなに差がつくのか!」
由利「しかもボートレースはコースを3周、直線が6回ありますからね」
真波「だから、順位にも関係するし、ゆくゆくは獲得賞金にも影響してくるわけよ」
丹沢「減量が、イコールお金に繋がるってことなんだ」
真波「そう、だから、みんな必死に減量するわけ」
丹沢「でも、最低制限まで設けなくてもよさそうだけれどなぁ」
由利「いい質問ですねぇ」
丹沢「また始まったよ」
由利「最低制限を設けた理由があるんですよ」
爽香「私、知らないわ」
真波「私も」
千加「私も」
由利「むかし、むかし、あるところに」
丹沢「なんだ? 桃太郎の話でもするのか? 」
由利「誰が桃太郎の話をするんじゃい! 」
丹沢「ははははは」
由利「昔は最低制限なんてなかったんだけれど、」
爽香「えっ、そうなの? 」
茂木「うん」
由利「ところが、むかしむかし、ある人が」
丹沢「浦島太郎かい? 」
由利「誰が浦島太郎じゃい! 」
丹沢「ははははは」
由利「ある男子レーサーが45 キロまで減量したんだ」
真波「男性としては痩せすぎね」
丹沢「今時、成人で45 キロなんて、お年寄りか病人しかいないよ」
茂木「そうでしょうね」
由利「ある男子が45 キロまで減量したら、別の男性が42 キロまで落としてきたんだ」
爽香「嘘でしょう!!」
由利「いや、本当なんだ」
真波「女性だって、そんなの無理よ。ガリガリじゃない」
由利「うん」
千加「その選手、すごいわね。勝利への執念かしら?」
由利「ところが、もっと上を行く選手がいたんだよ。やせて雨の中数多く走って減量する選手が、
茂木(あめのなか、かずおおく?!)
爽香「うそ!」
千加「うそ!」
由利「なんと、 38 キロ !」
爽香「うそ!!!」
千加「うそ!!!」
茂木「危険な領域だ!」
丹沢「大したものだな。勝つためにお相撲さんは増量、ボートレーサーは減量、と言うことか」
爽香「で、38 キロの選手が減量した結果はどうなったの? 」
由利「優勝したさ。しかもビックタイトルで」
爽香「やっぱり、減量すると勝てるんだ! 」
由利「ところがその後、オチがあってね」
爽香「まさか!!! 死んじゃったの?」
由利「死にはしなかったよ」
爽香「じゃぁ何? 」
由利「表彰式で、まともに歩けなかったんだよ」
爽香「そうなんだ」
由利「で、それを見ていた表彰状授与者で。日本モーターボート競走会会長が、『無理な減量は命に関わるから、最低体重を決めた方がいいよ』と提案して現在のようになったんだ」
爽香「選手思いのいい会長さんね」
由利「うん。その一言で減量競争の歯止めがかかったからね」
真波「優勝した選手は減量が大変だったでしょうけれど、その努力のお陰で、実力も人気も日本一になったのね」
由利「いや。ところが、日本一じゃないんだ」
爽香「えっ!? なんでよ?」
千加「そうよ。なんで、なんで?」
由利「優勝した選手は、ファンから『モンスター』と言われ、関西では圧倒的な人気があったんだけれど……」
爽香「『けれど』なに?」
千加「『関西』だけなんだ。じゃぁ『関東』では?」
由利「関東では『艇王』と呼ばれていた選手が、いたんだよ」
爽香「えっ、もっとすごい人? 」
由利「うん。体重は野中選手よりも、もっとあったけれど、なんと37連勝したんだ」
爽香「うそ!!!」
真波「嘘でしょう。その選手、化け物じゃない!」
由利「一期の勝率もすごいんだ、」
爽香「勝率ねぇー、女子のトップクラスで7.5だから、やはりそのくらいじゃないの? 絶対に8.0は無理よ」
由利「ははははは」
爽香「なに? その笑い」
由利「ところが8点どころか、期勝率史上初の9点台。9.27なんだよ」
それを聞いた爽香が座ったままジャンプした。
爽香「なにそれ!」
丹沢「ノリがいいね」
真波「そう、9.27ね。そうよね、37連勝するぐらいの化け物だものね」
爽香「いいなぁ、37連勝か。私は3連勝すらしたことないのに」
千加「そう、私も勝率、9.27も要らないから、6.27が欲しいわ」
丹沢「そうか、そんなにすごいのか。しかし、由利さんは、いろんなことをよく知っているなぁ~。いつからそんなに教養を身に着けたの?」
由利「今日よう」
丹沢「ははははは」
丹沢以外の者が引いた。
丹沢「あれっ? 受けなかった?」
由利「よせば良かった」
由利ががっくりうつむいた。
丹沢「そういうときもあるさ」
丹沢が由利の背中をやさしくさすった。
他の4人「クスクスクス」
ほんの小さな笑いが見えた。
茂木「さっきの減量の話で、千加さんは、どうやって減量するんですか?」
千加「そうね、私は、もっぱら走り込みかな?」
茂木「でも、走り込みすると、かえって食欲が出ちゃったりしないですか?」
千加「いや、本当に走り込むと、ヘトヘトになって食欲なんて無くなるわ」
茂木「そうなんですか」
千加「そうそう、それで思い出したんだけれども、なにか嫌なことがあって、どうしてもそれを忘れたい時ってあるじゃない?」
由利「丹沢さんなんか、毎日がそうじゃない?」
丹沢「ははははは。よくわかるねぇ。課長のいじめがひどくて」
由利「ははははは」
茂木「ははははは」
千加「そんなとき、みなさんはどうするの?」
丹沢「布団を被って寝るね」
茂木「熱いサウナに入りますね」
由利「どうするんだろう? わからない」
千加「雑誌に書いてあったんだけれど、良く使われている方法が3つあるんですって」
茂木「なんですか?」
千加「ひとつ目がエッチするんですって」
茂木「夫婦なら良いけれど、私は独身だからなぁ」
由利「それで丹沢さんは、しょっちゅうソープランドへ行くんだ」
丹沢「ははははは。そんなわけないだろう」
丹沢が由利の胸を軽く手の甲で叩いた。
真波「いいコンビね。まるで漫才だわ」
茂木「2つ目は?」
千加「お酒ね」
茂木「はぁー、良く居ますよね、飲んで忘れようとする人」
由利「うんうん」
茂木「で、3つ目は?」
千加「運動に打ち込むことらしいです。手っ取り早いのは、ランニングで、きつめの走り込みをしていれば、走るのに夢中で、嫌なことを考える余裕なんて無くなるみたいです。私も走っていてそれは思いますね」
茂木「なるほど。参考になります。それなら私にも出来るかな」
爽香「……」
爽香は、ひとつ目の方法が気になった。
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【後書き】
最後までお読みいただきありがとうございます!
今回は「海」と「減量」という、ボートレーサーにとっては切っても切れないテーマをお届けしました。
作中に登場した「38キロまで絞ったモンスター」や「37連勝の艇王」のエピソード。オールドファンの方ならピンとくる伝説的なお話ではないでしょうか?
今の選手たちにとって、最低体重制限があるからこそ守られている健康と、それでも削らざるを得ない勝負の世界の厳しさがあるように思えます。
由利さんの「今日よう(教養)」ギャグ、皆さんは何回目で「聞き飽きた」側になりましたか?(笑)
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【作者よりお願い】
「ボートレースの裏話がためになった!」と思っていただけましたら、ぜひブックマークや、下方の**「☆☆☆☆☆」から評価ポイント**をいただけると大変励みになります。 皆様の応援が、執筆の大きなエネルギーです!
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