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TS女神転生~合体事故?でジョブは死霊でした。憑依スキルを使った女性たちの様子が変なんです。  作者: よっちゃ


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【番外編】温泉編③ 他作品のヒロイン覇姫エレクシアとの接触

 

 温泉の湯気が、白く立ちのぼる。

 岩肌を伝う湯の音だけが、静かに響いていた。


「……ふむ、わかったぞ。

 なるほど、そういうことだったか」


 俺は湯に肩まで浸かりながら、ふと空を見上げた。

 そうだ、あいつにも教えてやろう。


「きこえますか、きこえますか?」


 女神的な神聖魔法を使い、俺はある人物とコンタクトをとる。


 次の瞬間。


『――む?なんだ!

 誰だ。この声は……どこから聞こえる?』


 その声は重く、鋭く、そして――どこか覇を孕んでいた。


 繋がった。

 俺はにやりと笑う。


「今、わたしはあなたの頭に直接話しかけています。落ち着いて聞いてください。わたしはTS女神です」


『TS女神、だと?神の一柱か?』


 疑っているような声。まあ当然だろう。


『……いいだろう。話せ』


 その潔さ、ただの暴力女かと思っていたが、なかなか話がわかるやつのようだ。俺は満足気に頷く。


「すまんが普通に話すぞ。お前は覇姫(はき)エレクシアだな。

 エタり――そして【俺たちの戦いはこれからだEND】回避のため、海水浴に行っているのは把握している」


挿絵(By みてみん)


『……ほう』


 どうだ、図星だろう。

 婚約破棄を荒らして回る、などという修羅の軍団が、いきなり海水浴になど行って水着姿を晒すはずがない!

 そんな(おんな)がいるか!


『なぜそれを知っている?』


「こっちも似たようなもんだからだ。おれたちは温泉に来ている。お前もどこかで聞いたはずだ。

 理由も同じ――エタり対策、ってやつだ」


『……なるほど、さすがは女神だな。

 エタり、か』


「そうだ、エタることだ」


 俺は湯をすくい指の間から落とした。

 ふと洗い場を見る。

 ミーナ、ニキ、エリーゼは髪を洗っている。


「だがな――これは失敗だったかもしれん」


『何?』


「はっきり言おう。

 どうもエタりのやつは――そもそもあまり女に興味がないようなのだ」


 湯気が、一瞬だけ止まったように感じた。


『……それはつまり

 男色、ということか?』


「いや、それも違う気がするんだが……正直わからん」


 これは本当にわからん。


「まあ、それは置いておけ。本題は別だ」


『続けろ』


「エタりを回避する方法――それは“モチベ”を上げることだ」


『ふむ』


「その方法が、分かった」


『……聞かせてもらおう』


 低く、重い声。

 まるで戦場で次の一手を待つ武人のように。


 俺は指を立てる。


「ほし」

「ぶっくまーく」

「いいね」

「あと、“こめんと”というのあるらしいな」


『……』

『……何だそれは?』


「おれにもわからん。

 だが、これらを与えられると“モチベ”とやらが上がるらしい」


『与える、だと?』

『俺様たちが何かをくれてやればいいのか?』


 こいつ、自分のこと俺様って言うのかよ……なるほど、そういうキャラか。

 まあそれはいい。


「どうやらな、“お願い”すればいいらしい」


『……誰にだ』


 一瞬の間があく。


『この世界の王か?それとも神か?』


「それが分からん。

 多分この世界を観測している者たちだ」


 再び洗い場を見る。

 そろそろ三人が洗い終わるな。


「だが、確かなことが一つある。

 お前は強くて、女にモテる“(おんな)”だ。

 だから――お前が女を担当しろ、とおれの中の眼鏡が言っている」


『……なるほど。……眼鏡?』


 納得したのかしていないのか分からない声。


『で、お前はどうする』


「おれか?おれはもちろん男の担当だ」


 俺は湯の中で軽く姿勢を正した。


「おれは顔がキュートだからな。

 温泉で頬を赤く染めた美少女が可愛くお願いすれば――

 たいていの男はイチコロコロスケだ」


『……ほう、そんなものか』


 わずかに興味を含んだ声。


 え?百合でもいける派なの?

 可愛いは正義だと言うが、これ、もし出会ったら、食われちゃわない?


 おっと、もうひとつ言わなきゃ。


「あ、そうだ。これも重要だ」


『何だ』


「お願いする時はな――

 俺は可愛いから、甘えるような、可愛らしい顔でいく。お願い♡って感じだ。

 しかしだ、

 エレクシア、お前は違う」


『……』


「お前の場合は、冷たい美人って感じだろ?

 ギャップを狙って可愛くいくのもいいが、素人にそれは無理だ。

 だから、ここは“キメ顔”でいくべきなんだ。

 わかる?女が“きゃーっ!”ってなるやつ。

 なんだ……男装の麗人?そんな感じでいい」


『……ふむ、というか俺様の顔を知っているのか?』


「まあな、これでも女神の端くれよ」


『何となくわかった。

 普段通りの俺様ということか』


「よし、話が早い」


 おれは満足げに頷いた。


「じゃあ、同時に言うぞ」


『同時、だと?合わせられるのか?』


「神聖魔法にヨヤクトウコウがある。

 これで時間を合わせればいい。

 せーのでいくぞ」


『“間”はどうする』


「こうだ」


「“せーの”のあとに――」


「“ここでお願いする”」


『……承知した』


 ふむ、認識を改めよう。

 最初はエレクシアのやつを蹴落として、こちらだけに集中させようと考えたが、こいつ意外と素直だな。

 こいつとなら一緒にやっていけるかもしれん。


「準備はいいか?

 覇姫エレクシア」


『いつでもいいぞ、

 TS女神』


 神聖魔法を発動する。


 ふたつの作品

 世界と世界を繋げる。



「「せーの」」

 ――

『ちょっと待ってくれ!一度練習をしたい』


 えええー、こいつ意外と可愛いな。

 まあ、タイミングも重要か。


「わかった、じゃあ練習行くぞ」


「「せーの」」

 ――

「ほし と ぶっきゅまーく と いいね をくれたら嬉しいな♡」

『ほし と びゅっくまーく と いいね をくれないだろうか?』

 


「……今二人とも噛んだよね?」


『うむ』


 エレクシアのいう通り、練習しておいてよかったぞ。


 あ、ミーナたちが洗い終わったな。

 そろそろ上がらなきゃ。


「よし、じゃあ本番いこう

 おれは可愛いらしく甘える系で、お前はツンとクールな中にデレがある系、な感じでだぞ?」


『だいぶ難しくなったぞ。

 まあいい、やってみよう』



「「せーの」」



挿絵(By みてみん)

挿絵(By みてみん)


ここまで読んでいただき、ありがとうございます。 もし少しでも面白いと感じていただけたら、 ブックマークや評価で応援してもらえると嬉しいです^^

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