ホピ族の第一世界トクペラ 火による終焉
最初に作られた世界は、トクペラと呼ばれる終わりの無い空間。
創造主であるタイオワ以外何も存在しない。
始まりも終わりもなく時間も形も命もない。
まず始めに、タイオワは無限を有限に変え、生命をもたらすために、ソツクナングを創った。
タイオワは、ソツクナングに陸地と海、空気を創らせた。
ソツクナングは、生命を創る助手として、蜘蛛女コクヤングティを創りだした。
蜘蛛女コクヤングティは、さらに、ポクァンホヤとパロンガゥホヤと言う双子を創りだした。
また、生命に音と動きをもたらした。
役目を果たした双子は、地球が安定して回り続けるように、それぞれ北極と南極へ派遣された。
蜘蛛女コクヤングティは、最初の人類を誕生させ、調和や創造主への感謝を教えたが。
言葉を話すことができなかった為、ソツクナングを呼び出し、人種ごとに違う言葉を与えた。
最初の人類は、地の表に広がり、幸せに生きていた。
だが、創造主を敬えというソツクナングとクモ女の命令を忘れる者たちがやがて現れてきた。
彼らは創造の計画を遂行するというはじめの目的を忘れ去った。
その頃、彼らの間にツグミに似た鳥の形を取って、ラバイホヤ(おしゃべり)、が現れた。
動物が人間から離れはじめ、人間も互いに分裂しはじめた。
違う民族と言葉の者たちが分裂し、次に創造の計画を覚えている者と、そうでない者とが分かれた。
原初の知恵から遠ざけられ。
人々は互いを疑い。
非難しあって。
遂に、暴力に訴えて戦いはじめた。
そこには、休息も平和もなかった。
だが、どの民族の人々の中にも、創造主の法則によって、生き続けるわずかな数の人たちがいた。
彼らの元に、ソツクナングはやって来た。
事態があまりにひどいので、私たちは世界を滅ぼし。
あなた方が始めからやり直せるよう新しい世界を創造することに決めた。
あなた方は私達が選んだ者たちである。
あなたがたはある場所に行く。
頭頂の波動中枢が、あなた方を導くであろう。
この内なる知恵は、あなたがたにある光景を示す。
それは昼は特定の雲、夜は特定の星となって、あなた方を導く。
なにものの持たずに行け。
雲が止まり星が止まるときに、あなた方の旅は終わる。
こうして、これらの人々は、世界の各所で突然姿を消し。
昼は雲、夜は星に導かれて旅をした。
他の人々は、どこに行くのかと聞いて、彼らを嘲笑った。
多くの昼と夜を経てのち、最初の人々は所定の場所に到着した。
他の人々もやってきて言った。
わたしたちも、蒸気と星に導かれてここに来たのです」
彼らは違う民族と言語であっても、同じ心と理解を持っていることを知って、喜び合った。
最後の一団が到着したとき、ソツクナングが現れた。
彼は、蟻人間の住む大きな塚のところまで人々を導くと。
その屋根を踏み鳴らして、蟻人間たちに入口を開けるよう命じた。
入口が開くと、ソツクナングは人々に行った。
この蟻のキバ【祈りをする建物】、に入りなさい。
私が世界を滅ぼすときにもあなた方は安全である。
ここにいる間は蟻人間たちから教えを受けよ。
彼らは、お互いに平和の内に生きている。
そこで、人々は地下に下り、蟻人間と共に生きた。
彼らが皆安全でいる間に、タイオワはソツクナングに世界を滅ぼすよう命じた。
ソツクナングは、世界を火によって滅ぼした。
彼らは世界に火の雨を降らせた。
すなわち、火山の口を開いたのだ。
火は下からも上からも噴き出て、地も水も風もすべて火の元素一色と化し。
地の子宮の中で、安全に生きている人々以外は何も残らなかった。