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それは命の泉沸く  作者: 渡海
食料集積都市レットクラッカー
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月の雫亭

必要な物を買い終わった俺は次に宿屋を探していた。

 だが、どの宿屋が良いのか分からなかった。

 取り合えず高そうな所はパスする。そう言う所は俺みたいな庶民は相手をして貰えないだろうから。

 それに身分の高い客との揉め事に発展しない様にしておかないといけない。

 

だから行商人が泊まりそうな宿を見つけて泊まることにした。

 行商人が泊まるなら、酒でも奢ればこの国のことや周辺諸国の情勢何かを聞くことができるかもしれない。

 それに近寄ると厄介事になる貴族の名前も知ることができるかもしれないからな。

 まあ相手から近づいてきたら回避できないのだけど、情報は知っていると知らないでは差が有る。

 知らないで巻き込まれて牢屋送りなんて嫌だからな。


俺はそんなことを考えながら宿屋を見て回る。

 そんな中、俺はちょうどいい宿屋を見つけることができた。


その宿屋は中央通りからそんなに離れていなくて馬車が通れる道に有り。

 しっかり馬車や荷車が置けるスペースがある。

 そして馬を休ませる厩舎もしっかり有った。


宿の外装も壊れていたり古い印象も無く何方かと新しく見えた。

 建物の高さは4階建てだろうか窓の数から考えてそのくらいの階数だろう。


俺は外見を確認して荷車を先ず入り口に止めてから中に入った。

 中に入ると同時に子供の声で来店の挨拶が聞こえて来る。


「いらっしゃませ!」


俺はその声に釣られて声のしたほうを見ると、食堂らしいテーブルと椅子が沢山ある部屋から茶髪に茶色の瞳をした男の子が走って近づいて来た。

 食堂は扉が無いんだな。広いから客が来たか分かるようになってるのかな?

 俺が男の子が来た食堂を見ている間に男の子は俺の所まで来るともう一度挨拶をしてきた。


「いらっしゃいませ、お泊りですか!」


男の子は宿泊するかを聞きニカリと笑う、その笑顔に俺も釣られて笑いながら宿泊することを伝える。

 男の子は俺の返事を聞き目の前のカウンターに入り台帳らしき物とペンを取り出しカウンターの上に置きながら説明を始めた。


「ではこちらの台帳に記入お願いします。料金は一泊2000リル食堂での食事は別です。

 食事は1食300リルで湯の用意は10リル貰います」


少年は説明し終わると自慢げに笑い、俺はこの顔に吹き出しそうになりながらポシェットから小銀貨を2枚出しカウンターに置く。


「確かに貰いました。僕この月の雫亭の家の子でヴィルって言うんだよろしくな」


ヴィルくんは自己紹介をするとまたニカリと笑う。

 

「俺はセンだ、よろしくなヴィルくん。それじゃあ悪いんだが宿の前に荷車を置いてあるんだが何処に置けばいい?」


俺は荷車の事を切り出すとヴィルくんは急いで外へ駆けだしていった。

 俺はそれに付いて行く、ヴィルくんはそのまま俺を宿屋の裏に誘導してくれたので荷車を引いて誘導に従って荷車を宿屋の裏の開けた場所に到着した。


「荷車や馬車は基本ここに泊めて貰ってます。馬は厩舎に繋いでもらいます。馬の世話が必要でしたら100リルでお受けしますよ」


ヴィルくんが宿屋の裏庭の使い方を説明する。ついでに馬の世話の説明までしてくれる。

 うん、ヴィルくんちゃっかりしてますな~。宣伝は欠かさない所が商魂逞しいね。

 俺も見習わなければ、先ずはこの宿屋に売り込みますかね、他にも酒場を回って売ろう。

 これからお世話になるんだからこの宿屋に下ろす酒は他には売らない様にしよう。

 そうすればこの宿屋も儲かって俺も儲かるとウィンウィンの関係になれるわけだ。


俺は考えついた事を実行に移すために取り合えずは部屋で落ち着くことにした。

 ヴィルくんに部屋の鍵を貰って俺は部屋へと向かう、俺の部屋は3階の一番奥の310号室だった。

 中に入ると部屋にはベッド以外なにも無くなんとも寂しい部屋だった。

 ベッドは何かの革を張ってあるのかまるでトランポリンの上で寝転がったような感覚だ。


ベッドだけの部屋ってビジネスホテルを思い出すな~。まあビジネスホテルでもテレビぐらいは置いてあったがこちらにはない。

 あったらあったで吃驚するけどな。まあ大体帰って来て寝るだけなら困りはしないか。


俺はベッドに座り営業をする為の準備を始める。

 先ずは買って来た瓶に酒を詰める。

 さて、何を摘めるか、最初はこれだよな大吟醸六海山俺がちょっと奮発してよく飲む酒だ。

 香りも味もしっかり感じられるのにスッキリしている。

 それでいて雑味が少なくて好きだったんだよな。

 

俺の飲んだことが有る純米大吟醸は他に有るんだけど、流石に純米大吟醸なんて大量に売ったら貴族に目を付けられそうだもんな。

 大吟醸でも危ないんじゃないかと思ってる。

 あれ?危ないか?もうちょっとランク落とすか?本醸造辺りにしておくか?

 

本醸造も美味い酒だけどアルコール臭さが鼻に残る感じがして、どうしても上のランクの方が良く感じてしまう。

 俺の鼻はかなり良いらしい、俺自身はタバコは吸わないんだが、近くで吸ってるタバコの銘柄が分かるぐらいには匂いに敏感だ。

 そのせいで醸造アルコールの匂いを嗅ぎ分けるみたいだ。

 醸造アルコール自体の匂いを嗅いだことが無いが間違いないと思う。

 

俺は瓶に入れる物を変えることにした。

読んでくださりありがとうございます。


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