食堂
俺は騎士団との付き合い方を考えている間にケインは食堂の配給係の所まで来たので俺達も付いて行く。
「おやっさんこいつらにも飯出してやってくれないか?上には許可は取ってあるからよ」
ケインは食事の配給口から声を上げ料理をしているコックコートにシェフハットと前掛けをした。服がはち切れんばかりの筋肉が分かる男性に声を掛けた。
男性はケインの声に振り向くとその口元にカイゼル髭を携えた眼光は鋭かった。
男性はケインの後ろにいる俺達を睨むと怒鳴るような声で返事をしてきた。
「おう!分かった!問題ねーんなら食ってきな!」
男性はそう言うだけで直ぐに料理に戻ってしまった。
男性の言葉を聞いたケインは俺達に振り返り、笑って「だってさ」とだけ答えて給仕係からご飯を貰っていた。
俺達はケインに続き給仕係からご飯の乗ったトレーを受け取る。
そこには茹でた太いソーセージとサラダの乗った皿とスープが入った深皿、そして柔らかそうな白パンが乗っていた。
スープは野菜と肉が入った半透明なスープだった。
トレーを受け取った俺達は給仕口の横に水差しと一緒に置いてあったコップを手に取るとトレーに乗せて空いている席に向かった。
ケインについて空いて居る席に付くと先ずは水袋を取り出しみんなのコップにウィスキーを注ぎ、そのコップを掲げるとケインが乾杯の音頭を取った。
「とりあえずお疲れさん、明日は事情聴取が有るが今日はゆっくりしてくれ」
ケインは音頭を取ると俺達のコップに自分のコップをぶつけ合い口を付ける。
一口飲んで目を見開いて叫んだ。
「何だこれ!美味いな!こんな美味い酒飲んだこと無いぞ!!」
ケインは叫んだ後コップを一気に煽り、おかわりを要求してきた。
俺はケインの反応を見ながらコップにウィスキーを注ぎ足しながら自分のコップに注いだウィスキーに口を付ける。
今回注いだのはジャパニーズウィスキー飛車だ。多くののん兵衛が愛して止まないウィスキーだよな。
俺も好きなウィスキーの一つだよ高いのは美味しいのは分かるけど、俺はこの庶民派なウィスキーが好きだったりする。
ハイボールにするとまた良いんだよね、今は目の前にケインや他の騎士がいるから炭酸出せないのが惜しいけど・・・。
俺が今回水袋に入れたウィスキーの事を考えているとケインが勢いよく飲んでいき早くも3杯目に突入していた。
「おいおい勢いよく飲んで酔っ払わないで下さいよ」
俺がケインの飲む速さに呆気にとられながら注意する。
だがケインはすでに酔い始めているのか3杯目のウィスキーも一気に飲み干してしまった。
俺はケインの飲む速さに若干焦りを感じながら水袋をケインの手の届かない所に持っていこうとしたが、逆に水袋を取り上げられてしまった。
「こんな美味い酒が有るなら野営の時にでも出してくれりゃあ良いのによう。そうすりゃ暇な野営中でも楽しみが出来たのに・・・」
ケインは顔を赤くさせ座った眼で俺を睨む。
いや野営中に飲んだりしたらサルトが怒ると思うんだが?怒るよな?
それにこれから売り出そうと思ってる酒だから他の騎士にも振る舞って感想を聞きたかったんだけど返してくれないよな~。
ケインはウィスキーの入った水袋を抱えて離そうとしない、そんなケインを見つめ俺はため息を突きながらご飯に手を付けた。
先ずはスープに口を付けた。スープはブイヨンを使った具沢山スープだった。
お!これは結構美味いな、やっぱ騎士団となると食事もいいね~村じゃ塩も町まで買いに行かなきゃならないのに、スープに使われてる肉も牛肉が使われてる。
こんな猛獣ともいえる魔物がいる世界で畜産なんてリスクが高いだろうに、リスクが高いってことは値段も高いんだろうな。
もしかしたら牛の魔物の肉なのかもしれないけど、普通の牛でも人間なんて簡単に殺せる。
畜産者が家畜に怪我させられたなんて話少なく無いんだ、それを考えれば牛肉の値段も聞かないでも分かりそうなもんだよな。
そんな牛肉を使ってるってことは財政も暖かいんだろう。
俺はスープに入っていた牛肉を味わいながら考える、もしかしたら高い酒も買ってくれるかもしれないと考えながら肉をを飲み込む。
次にサラダを食べ始める、サラダには何もかかって無いかと思ったが塩の味と微かに青い果実の香りがするオイルが掛かっていた。
おお!この香りオリーブオイルか、オリーブオイル迄あるのか高いだろうによく使ってるな。
オリーブオイルは前の世界でも高かったし昔なんて薬として売られてたって聞いたことあるぞ。
そんな物を料理に使うなんていくら掛かってんだ?騎士団の財政大丈夫か?
オリーブオイルは前の世界では高い物で一瓶数万円したからな~肉なんかより高くつくんじゃないか?
いやでも肉も畜産大変だろうから難しい所だな。でも分かったことはここの料理長は料理の為なら高い物でも平気で使うってことだ。
なら酒はもちろん醤油も売れそうだしオリーブオイルも今使ってる物より安く売れる。
他にも売れそうな液体が沢山有るからな、販売体制が出来たら売り込みに来よう絶対買ってくれるだろう。
俺は料理長に色々売りに来ることを記憶の端に止めるなだった。
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