駐屯地
夕闇の迫る街道を進む俺達、その前に高い外壁が前方を覆っていた。
そんな中、町の北門に近付いた俺達は騎士に着いて門を守る衛兵の前まで来ていた。
衛兵は俺達を見つけると胸を右手の拳で叩き姿勢を正した。
あれがこの世界?国?の敬礼かな?幻聴で『心臓を捧げよ!』って聞こえた気がしたが気のせいだろう。
「お帰りなさいませ、村が盗賊に襲われたと聞きましたが、盗賊を捕らえてきたようには見えませんがどうされましたか?」
衛兵の1人がサルト達に事情を確認するように聞いて来たので、サルトは馬を止め衛兵に話し始めた。
「事情が変わったらしくこの者たちに事の経緯を聞くことになった。
この二人の入市手続きをしてくれ、終わり次第騎士団の駐屯地に連れて行く」
サルトは衛兵に説明すると衛兵たちは俺達に近づいて来て馬から降りて付いて来るように言って来た。
俺達は衛兵の指示に従い馬を引きながら門の横に有る詰め所に向かった。
詰め所へ向かうと衛兵が覗き窓から顔を出し紙とペンを用意して待っていたので俺は衛兵の待っている場所へ歩いて行った。
「それじゃあステータスを見せて、犯罪歴を調べますから。後入市税は1人500ジュエルです」
衛兵は淡々と説明をし、俺はそれに素直に従っていたが入市税の所で止まってしまった。
俺売れそうな物は持って来たけど金持ってねーじゃん、どうしよう・・・。
俺は困ってしまい衛兵の前で固まっているとサルトが近付いて来て質問してきた。
「なんだ?もしや重罪人なのか?」
サルトは衛兵の前で困惑する俺を睨み声を掛ける。
その言葉に俺は直ぐ首を横に振り、違う事を態度で示しながら理由を説明した。
「いや犯罪歴は無いのですが、お金が無いんですよ。この素材を売れば当面は生活できるかと思っていたのですが、町に入ることができないんじゃあ売りに行けませんよね」
俺の説明を聞いたサルトは額に手を当て俯き、ケインは腹を抱えて笑い始めた。
その様子を見ながら俺はどうすれば良いか考えていると、顔を上げたサルトが衛兵のいる覗き窓に近づくと懐から銅貨を2枚取り出し覗き窓の前にあるカウンターに置いた。
俺はサルトの置いた銅貨とサルトの顔を交互に見るとサルトはそっぽを向き少し顔を赤らめながら。
「これは美味い飯の礼だ!お前らは町の中に入れないんじゃ事情聴取も出来ないからな。
騎士団権限で居れてもよかったんだが、お前らだけを特別扱いするわけにもいかんからな」
サルトは照れ隠しなのか硬い口調がさらに硬くなっていた。
そんなサルトを見つめ俺は「ありがとうございます」と答えて頭を下げ入市手続きを進めていった。
「ではステータスを見せて」
衛兵が俺を見ながら声を掛けて来る。
その声に反応して俺は衛兵に向き直るとステータスを表示した。
名前 清水泉
年齢 31
レベル 20
戦力 200
スキル 液体生成、液体操作、液体感知
俺のステータスを見て衛兵は何かを紙に記入していく、俺はそれを待ってからステータスを閉じて良いって言われるまで表示していた。
入市手続きを終えた俺達はそのまま馬に乗り直しサルト達に付いて行く。
町の中は暗くなり始めているため店先にはランタンが吊るされ、その光に誘われるように町で暮らす人たちが酒場やレストランだろう場所に吸い込まれて行く。
酒場の中からは酔客の陽気な声が漏れ、少し上等そうなレストランからはハープの音色に合わせて英雄譚だろう詩が聞こえてきた。
町中の感じは中世に近いんだな、建物の壁は石造りまんまじゃ無いな何か塗ってあるのかな?均一に平面になってる。
もしかしてモルタルかな?この時代背景にしては建築技術は進んでるのかな?
そのおかげか建物も高いな、大体4階位の高さだな、道も石畳に道の横の方には側溝も有るみたいだ。
この感じなら下水も有るのかもしれない、糞尿をそこら辺に捨てる様な時代よりは発展してるのかもしれないな。
俺はキョロキョロと辺りを見回し目を輝かせる。そんな俺を他のみんなは笑いながら見ていた。
「そんなに珍しいか?どこの田舎から出てきたんだよ」
ケインは揶揄う様に話しかけてきたので、俺は苦笑いをして辺りを見回すのを止める。
そんなことをしている間に全身鎧を着た男が2人立っている土地の前まで来ていた。
土地もかなり広く兵舎に厩舎、騎士の訓練するだろう広い土地に倉庫らしい建物などが見えた。
サルト達は門の前に立っていた騎士達に話をすると中に入って行った。
俺達はそのまま付いて行き厩舎へと向かう、そこで俺達は馬を降りた。
「ここに馬を繋いでおいてくれ、事情聴取は明日にしよう。寝る場所は空いてる部屋を使ってくれ、俺は隊長に話を通して来るからケイン案内頼むぞ」
サルトはそう言い残すと本部だろう大きな建物へと歩き出した。
それに付いて行くように銀髪の騎士もサルトの後について行ってしまう。
結局あの騎士さんと話さなかったな、人見知りかな?サルトに付いて行ったってことは付き合ってるのだろうか?
俺はサルトと銀髪の騎士を見送っりながらあの二人の事を考えていると、俺の横に来たケインが聞いても居ないのにポツリと呟いた。
「あの二人な、家が決めた婚約相手なんだそうだよ」
ケインはそれだけ呟くと俺達を促し兵舎へと案内してくれた。
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