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SEVENTH HEAVEN  作者: attoh
12/15

田中 その5

●田中 その5


○田中の住むアパート

部屋のドアの前で立っていると携帯がなる

「メール受信 黒田絵美」との表示

携帯に「二十キロのダイエット成功! これもアキラのおかげだよ。ありがとう! あと大学を決めたよ。寮生活すると思う。これで親から離れて一人でやっていけるよ」

痩せた絵美の画像が添付されている


田中「一人でやっていけるよ、か……」


携帯を閉じて部屋の鍵を開ける

自室に入り、一番大きなカバンに部屋のものを入れていく。簡素な部屋なため荷物があまりない

隣の部屋からベッドの軋む音とくぐもった声が聞こえる

貯金箱を見つけ、カバンに入れる

引き出しをあける

海外のアニメのストラップをカバンの中に大切に入れる

カバンを背負い、自室から出ると半裸の母親と鉢合わせする


母親「どこ行くの」

田中「……出ていく」

母親「勝手にすれば」

田中「そうするよ」


父親も出てくる


父親「まだ終わってないだろ?」

母親「もう」


甘い声を出しながら部屋に戻っていく二人

黙ってアパートのドアを閉める

ポケットに入れてあったアパートの鍵を取り出す

じっと眺めた後、外へ投げる

携帯を取り出し、メールをする

「全部絵美の努力の結果だよ。そっか、大学決めたんだ。私も家を出て一人暮らしをすることに決めた。また痩せた姿を見に行くよ」

携帯をポケットにしまい、アパートの階段を降りる


○トラック

助手席に乗り込む田中


マスター「大丈夫だったか」

田中「……あの人達、セックスしてた」


ため息をつくマスター


田中「……マスター」

マスター「なんだ」

田中「本当、マスターの子供に生まれたかった……。マスターみたいなお父さんと一緒に暮らしたかった……」


涙が零れる田中


マスター「……大丈夫」

田中「お父さんが恋しいよ。なんで死んじゃったの……お父さん……!」


大声をあげながらむせび泣く田中


田中「お父さんに会いたい。お父さんの言葉が聞きたいよ……」

マスター「大丈夫。大丈夫さ……」

田中「マスター。私、頑張る……。ちゃんとみんなと働けるように頑張るから……」

マスター「……分かった」

田中「でも、お願い。今だけはこうさせて……」

マスター「分かった。いっぱい泣いていいぞ」


大声を上げる田中

ブラックアウト


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