平和日々
連載という物を始めてみました。未熟な文章でありますがよろしくお願いします
Q:此処は何処ですか?
A:勿論、日本です。
母国語は日本語で領土は海に囲まれた島国ですね。
戦後に急激な経済成長を遂げ最近では派遣切りがなんやらとか、自給率がどうとか騒がれているけど、まぁ世界的にみても発展した治安もなかなかな国ですね。
だがしかし、発展の代償として森林等がめっきり減ったのは気がかりですが…
Q:今は何時代ですか?
A:平成ですね、はい。
これは先程戦後やら派遣切りやら自給率やら色々ヒントがあったので分かったかもしれませんね。
要するにやって来た恐竜が街を破壊したり、将軍に仕えて城を防衛したり、況してや時空警察に追われるなんて事はない訳で…
洋服を着た老若男女が道を行き交い、色とりどりの車が道路を行き交い、今日もまた一組の男女のカップル(若しくはアベック)がすれ違い…
そんな時代だったりそうじゃなかったり。
Q:どうでも良いですが最後にお名前をどうぞ。
A:何だか腹がたちますが一応答えましょう。
俺の名前は水城要って言います。
最近、高校三年へと無事に進学を果たした男の子です。
ちなみに彼女はいません。
え?
その情報はいらない?
そりゃ申し訳ないですな。
*****
…以上が俺の六時間目の英語における授業開始15分の脳内やり取りである。
やはり外国語を学ぶとなると、長年親しんできた日本語の有り難さが身に染みるようだ。
お陰で15分も現実世界から意識を手放してしまった。
だがしかし、俺は生涯この日本という国から出ていくつもりはないため、真面目に授業を受けるつもりは元からない。
たとえ成績表たる物に煙突が立っていようが最終的に煙突を家鴨さんに変えて卒業さえ出来れば構わないのだ。
…果たして卒業出来るのかは疑問だが
そんな外国語に対する今後の接しかたについて検討する必要性を見出しつつも、やはり退屈なものは退屈である故に残りの時間を睡眠学習なるもので過ごそうかと考えていると、隣から小さく尋ねられた。
「要ちゃん、もしかしてまた寝るの?」
「まぁ、退屈だから丁度寝ようかと思っていたところだぞ」
とりあえず質問に答えてみる。
ちなみにこの隣人は前田陽菜。
某アイドルのメンバー二人の名前を組み合わせて作りました的な適当な名前だが本人は気に入っているらしい。
もっとも名前だけでなく容姿のほうもアイドルに引けを取らないのだが
そんな俺との関係は幼なじみと言ったところである。
陽菜の方に顔を向けると彼女は欠伸をしながら
「要ちゃんが寝るなら私も寝ようかなぁ〜」
などと言い出した。
そして次の瞬間には手元に置いてあった辞書を枕に眠りについてしまった。
「ったく、寝るのがはえーんだよ。」
軽く呆れてしまったが、しかし陽菜の寝顔を見ていたら思わず顔が緩んでしまった。
…別に特別な恋愛感情とかがある訳ではないぞ。
教室全体を見渡すと他にも寝てる奴が数名いた。
どうやら英語教師は自分の世界に入ってしまったようだ。
「…それから話は早いな」
そう呟くとその数分後にはやはり隣人と同じように意識を手放した俺だった。