遭遇少女
更新が気まぐれというなんとも勝手な作者ですがどうかお許しを…m(__)m
英語の授業は睡眠に適したものである。
愛国主義な俺にとって英語とは例え英語が世界で最も多く使われる言語であろうがその認識はアフリカの僻地にある大層貴重な民族が使うような言語となんら変わらないからだ。
更に大袈裟に言ってしまえば地球外生命体が使う意思疎通の為の手段的なものと同格程度とも言える。
よって俺はすぐに眠りにつくことが出来た。
そして授業が終わり目覚めた俺は最後のHRの時間に睡眠時に見ていた夢に激しい疑問と戸惑いを感じた。
*****
夢の中で俺を待っていたのは白髪で今にも消えてしまいそうなか弱いながらも顔立ちの整った一般的に美少女の類の小学校高学年くらいの少女だった。
「やっと会えましたね。お待ちしてましたよ。」
少女の第一声はその幼い外見と反してとても落ち着いた口調で放たれた。しかし、俺は少女との面識もなければましてや幼女誘拐といった衝動的犯罪行為に手を染めてしまうようないわゆるロリなコンさんではない。
「俺を待っていたとは一体どうしてだい?恐らくはじめましてだと思うのだが」
俺がそう尋ねると少女は顔色一つ変えることなく淡々と
「貴方は私を知りません。ですが、私は貴方を知っています。何故なら私はずっと貴方を見てきたから。」
と応じてくれた。
いやしかし、答えてくれたのはいいのだが発言に問題があるだろ。
少女の発言はいわゆる私はストーカーです。と言ってるような物では?
もしそうなら非常にまずいのではないのだろうか。
「私は、ストーカーでありません。神に使える精霊のようなものです。」
…益々危ない発言が飛び出した、そしてさりげなく心を読まれてしまった。
一瞬戸惑いを感じたがしかし、これは俺の夢の中である訳だからこれくらいファンタジーな出来事があったって罰は当たらないか…
とりあえずはこの変わった夢を楽しもう。そう考えを改めて俺は少女に幾つか質問をする事にした。
「それじゃ、君が俺を見ていたのと今こうやって俺の前に姿を現した理由を教えてくれないかい?」
「私が貴方を見続けていた理由は神が貴方に興味を示したから。姿を現した理由は貴方に力を授ける為…」
そういうと少女は俺にブレスレットを手渡した。
「腕に付けて下さい」
俺は少女に言われるがままにブレスレットを腕に付けた。…正直何も変わった気がしない。こういうのって力が湧いてきたりとかそういうのがあるんじゃないのか?
だが、しかし気にしない事にするとしよう。
「それと、君の名前を教えてくれないか?」
「私の名前はシエラ。…貴方の好きなように呼んで下さい。」
「そっか、じゃあ普通にシエラって呼ばせてもらうぞ。あと俺の事は要って読んでくれ。」
「いずれまた逢う時がきます。とりあえずさようなら…カナメ。」
そういうとシエラは姿を消し、俺は目を覚ました。
*****
以上が俺がさっきまで見ていた夢の内容だった。
勿論夢で片付けてしまうのが一番手っ取り早いのだが正直ここまで鮮明に夢を覚えているなんて経験は俺の中では始めてだったのだ。
そして何より俺の左手には夢の中でシエラに手渡されたブレスレットが身に付けられているのだ…
俺は左手に付いている『ソレ』をまじまじと見つめながら誰かが俺の寝ている隙に勝手に付けたのだろう。なんて考えていた。
「では、今日はこれで終わりですね。また明日学校でお会いしましょう。」
気がつくともう帰りのHRは終了を告げられ放課後へと差し掛っていた。
すると見慣れた顔達が俺の机に群がって来た。
「要ちゃん一緒に帰ろ♪」
一人は陽菜である。
俺と陽菜は幼馴染みであるから、当然家も近所だ。
だから、大抵は一緒に帰っているのである。
「おう、帰りの支度するからちょっと待っててくれ」
陽菜に答えて筆記用具や教科書をつめていく。
「ったく!HR中に済ましておけよ。アタシは待たされるのは嫌いなんだ。」
「なら先に帰ればいいだろう。待っててくれと頼んだ覚えはないぞ?」
「…いいから早くしろ!」
人の帰り支度を急かすコイツは北条朱鳥
俺の数少ない女友達と言った所だ。
170センチを越える長身と茶色い腰ほどまで伸びる長い髪が特徴で普段は髪をゴムでくくっている。
顔立ちはかわいらしいいと言うよりも綺麗に分類されるらしい(クラスの男子談)
男勝りな性格で、その性格を象徴するかのように柔道、空手、剣道の有段者である。
全てが陽菜とは反対だ。
陽菜の身長は平均女子よりもやや小さめであるし、髪も肩に掛かる程度の黒髪である。
顔立ちはかわいらしい美少女に分類されるらしく(やはりクラスの男子談)性格は天然でおっとりとしている。
勿論、武道に精通してる訳もなくぶっちゃけ運動神経などもほとんどない。
正反対な二人をみながら帰り支度を済ませると今度は別の所から声がした。
「…要、腕にそんなブレスレットはめてたっけ?」
今話しかけてきたのは俺と腐れ縁の佐伯上総である。
背は180センチと大きめで顔立ちもなかなか、学年トップを誇る秀才なのだが、少し二次元に逃避しがちであるために女子からは敬遠されている。
俺と上総の関係は小学校から今まで同じ学校で殆ど同じクラスだった、そんな所だろう。
ちなみに親が資産家でこの街で佐伯という名字を知らないものはいないらしい。
「ああ、たまにはこういうのを付けてみようかと思ってな。」
とりあえず夢で出会った少女にもらったなんて言えないので誤魔化してみた。
「要がそういうの付けてるのって珍しいよね。なかなか似合ってるよ」
「そりゃどーも」
男に褒められるのは微妙だと思ったがまぁ適当に返事をしておく。
「要ちゃん、すっごく似合ってるよっ♪」
「ああ、ありがとう」
陽菜がにこにこしながら言ってきたので俺は頭を撫でながら感謝の言葉を発した
昔からこうすると陽菜は喜ぶ。…猫みたいだな。
「要ひでぇ!俺には頭撫でてくんねーのかよ!」
なんか馬鹿が騒いでる。
「要ちゃんがなでなでするのは陽菜だけだから佐伯くんは駄目だよっ!」
陽菜が上総に言い放った。
…てか俺は陽菜以外の頭を撫でてはいけないらしい。
「要のばかやろー!こうなったら朱鳥に撫でてもらうしか…」
「誰がお前みたいな変態の頭を撫でるか!」
どうやら朱鳥にも拒否されたみたいだ。どんまい、上総。
「とりあえずそこでふてくされてる馬鹿はほっといて帰ろうぜ。」
教室の隅で一人たたずむ上総…じゃなくて変態馬鹿を放置して三人で帰ることにした。
「ちょ…散々いじめた挙げ句に放置とか酷くねっ?」
…後ろから馬鹿が泣きそうになりながらついてきたのは言うまでもない。




