21 暗黒神、光の騎士に出会う その1
久しぶりのスオナーデの街だ。
神殿の周りに村を作り始めて2ヶ月ほど。前回俺たちがスオナーデに訪れてからひと月ちょい。
村の開拓も進んで、村人のレベル上げの為の狩猟も順調ということで、魔物の素材が溜まってきた。
今回はそれを売り払い、山羊や羊辺りを買って帰ろうかと思っている。
それに服や布地だな。古着を大量に買い付ける予定だ。
だからと言うわけではないが、今回一緒にやってきたのは、女性ばかりだ。
ヒイとフウに、ユキ。さらに獣人幼女2人組でやってきている。
ピア、ミリ含めて森でレベル上げをおこなっているので、仮に街で何かあろうと、対処は可能だろうと踏んでいる。
ヒイとフウは、魔法で変装してもらっているし、ユキは耳を隠せば、ただの(?)美人だしね。あまり変な事は起こらないだろう。
前回と同じ宿をとって、買い物に出かけるが、目立つ事は目立っている。
美女と美幼女の集団だもんな。
ただ俺に見えているマーカーによれば、敵意を向けている人間は、見当たらない。
「おい!金光騎士だぞ」
「教国の騎士様が、なんでこんなところに?」
道を歩いていると、そんなざわめきが聞こえた。
振り返ってみると、立派な体格の馬に跨ったキンピカの騎士と、それに従う10人の従者の行列が見えた。
「なにあれ?」
あまりの派手さにポカンとして、ヒイたちに尋ねる。
「金光騎士のようですね。ユピノール教国の騎士で、国内外で光明神の教えに従い庶民を救うといいます」
ユキが面白くなさそうな顔で、教えてくれる。
「私たちは救ってはくれませんでしたがね」
あー。なるほど。うちの村にいる連中は、あちこちで迫害されているらしいが、宗教も例外じゃないってことか。
「面白いのは教国内で位階の高い金光騎士が、国内外を巡り、低い銀光騎士が大教会を守っていることですね」
続いてのユキの言葉に、ちょっと感心する。
偉い方が現場を廻るというのは、面白い。特に宗教団体としては、正しいあり方と言えるだろう。
だけどなぁ。
「あんなに派手な格好で廻ってちゃ、見なきゃいけないものも隠されちゃうんじゃないかなぁ」
「私もせめて普段は鎧を脱げと、おれってるんだけどね」
突然、声をかけられる。
ユキとの会話中に、近づいてくるのはわかっていたが、敵意も無さそうなので放って置いた一行だ。
声の方を見ると、地味だが丈夫で動きやすそうな旅姿の女性が立っている。
見上げても邪魔になって、顔がよく見えない程度の胸をお持ちのようだ。
綺麗な金髪が、帽子に押し込められているのが見える。
他に5人ほど、同じような格好の女性たちを引き連れている。
今の言葉からすると、ユピノール教国の人なのだろう。
人目を集める金光騎士と、目立たないよう活動するユニットを同時に動かすとすれば、なかなか侮れない方法だ。
「私はリシュルと言う。申し訳ないが、ちょっと話を聞きたいのだが」
「話?」
俺が問い返すのと、ヒイやフウの態度から、我々の主導権を握っているのが誰か、当たりをつけたらしい。
リシュルは、少し身を屈めて俺と視線を合わせる。
凛々しい美人だな。
クッコロが映えるタイプだ。
彼女が腰に下げた剣に視線を向ける。
柄は使い込まれていて、幾多の戦いの中に身を置いて来たことが伺えた。
「どういったご用件で?」
「1ヶ月前のことについてお尋ねしたい事があるのだ」
1ヶ月前?なんじゃそりゃ。




