第20話 友だちになりたい
「いえ。友達になろうとは言わないです。」
「ふーん。そうなんだ。」
「お互いのことを知らない、それにそんな怒っている人に友達になろうとは言えないです。」
「でも。」
「でも?」
「私はいつか、ピタさんと友だちになりたいです。」
「なぜ? 必要がある?」
「私のごはんを嬉しそうに受け取ってくれました。」
「いい人だと、あの顔をみたらもっと知りたいと思いました。」
「…」
「ピタさんが嫌かもしれないですけど。また会いに来てもいいですか?」
「好きにしたらいい。私はここに居るだけ。来る分には構わない。」
そういうと、ウルたちは家の外にいた。ザックもその場で立っており、周りをみると、溜息を吐く。
「あいつ…まあいいか。それにしてもウルは良い啖呵を切ったぞ。」
「そうですか?」
「ああ。あの感じで仲良くなりたいっていえるのは凄いな。」
「知人に似ていたので…。放っておけなかったんです。孤独な目をしていました。」
「そうだろうな。俺はあいつに飯を持ってくるってだけだ。友ではない。お前だけだろうな、あいつの友になれるのは。」
「はい。いつの日にか、ザックさんに言いに行きますね。ピタさんと友達に慣れましたって。」
「俺にも良い啖呵を切ったんだ。約束は守れよ?」
「が、頑張ります。」
「おう! これをやるよ。」
「え? なんですかこれ。」
「あいつが何かする予感がしたから、机の上のものパクってきたんだよ。」
「駄目じゃないですか。返しに行かないと。」
「今は駄目だろうな、家に入れないだろうし。もういないぞ? 今度返しにいってこい。」
そういうと、ザックはさっさと市場のほうへ戻ってしまった。盗んだものは木の板数枚であり、なんらかの模様が書いてあり、すぐにしまっておくことにした。
(いつ返しに行けるんだろう。明日にでも行こうかな。)
木の板は明日に返しに行こうと、ウルもオブロンに帰ることにした。
次の日にピタの家に向かったが、玄関に今いないという看板が書いており、メモを残して帰ることにした。
「ワン!」
「え? 戦いたい?」
「ワン!ワンワン!」
「みんなもここ数日戦えていないし、ダマルで虫を倒すだけは嫌って? わかったからちょっと待ってね。」
ピタの騒動がある前からウルはリンネルのギルドに何度もお願いされ、シルクワームの討伐依頼を受けてばかりであった。シルクが納品してもしても足りないらしいのだ。しかし、虫は数が多すぎて、ウルがシヴァから貰ったダマルを使って踊る、破壊の踊り以外だと被害が大きいのだ。
しかし、数日もずっとウルを頼りにして、一切ウルのためにならない行動しかできないことに、ワン太たちが嫌になって今回年長者のワン太が苦言を言ってきた。
しかし、ウルにはリンネルの地図などは持っていなく、どこで戦うべきか、勝てるかわからないのだ。勝てない戦いはしたくないウルは、メッセージを送ることにした。
一時間後、ウルの目の前に来たのは、大太刀を使う、ウルの親友であった。
「サクラちゃん。大丈夫だったの?」
「問題ない、うーちゃん以上の用事はない。」
「う、うーん。私も今度から気を付けるからね。」
「問題ない。うーちゃんはメッセージ少ない、もっと送るべき。」
「サクラちゃんも少ないのに…。」
「私にしては多い…他の人のメッセージは無視している。」
「必要な返事はしてよ。他の人が可愛そうだし。」
「約束はできない。」
「それで。うーちゃんでも倒せる場所を知りたいの?」
「うん。北の大森林の浅層だけだね。私が行ったのは。」
「虫まみれに行くとは…範囲攻撃できるんだ。」
「ほら。ダマルがあるから。」
「納得。HPと防御が低すぎるから格好の的。」
「サクラちゃんはどうやって倒すの?」
「全員切り殺す。あの程度の速さと数は私にとってなんの脅威にならない。」
「そ、そうなんだ。」
「大森林は虫エリアの他には、孤島のうーちゃんが大変だった森の強化版に状態異常だらけの草エリアがある。」
「カリストとあったところかな。状態異常は嫌だな~。」
「南の野菜モンスターは見た目が気持ち悪いけど、ほどほどの強さ。おすすめ。」
「南が一押しなんだね。ちなみに西は?」
「西はダメ。魔族がたまに出てくる、ゴーレムも硬くて強い。」
「そうなんだ。じゃあ南に行くことにする。」
「うん。わかった。」
そうして、ウルはとあるものの準備をしに、アミンの元へ向かう。そしてウルはワン太たちとサクラは南の冒険に行くのだった。




