第15話 ギルドのお願いごと
冒険者ギルドから出たウルたちは、まずは第一の目標である布を見に行くことにしたが、その前にティニーから一つの注意が飛ぶ。
「粗悪品ですか?」
「ええ。市場には粗悪品というものがあります。それはプレイヤーや住民問わずですわ。」
「訳アリ商品というやつですか?」
「そういう場合もあります。そういう場合は看板や口頭で説明されますが、騙す目的という人もいるのですわ。」
「そういう人もいるんですね。」
「ええ。悪役RPをしたい人から、初心者や人を騙して愉悦を感じる人もいるのが事実、前者なら町に作られている闇市などにいますが、後者は露店にいる場合もあるのです。」
「なるほど。」
「なので買う前に鑑定は必須。仲が良い人や顔なじみなどはする必要はないですが、して損はないです。」
「そうなんですね。怖いですね。」
「まあそういうRPをしている人は面白い方もいますし、闇市があるおかげで露店であくどいことをされると糾弾されるので必要悪ですわ。」
「確かに。居場所を作るもの大事かもですね。」
「まあウルさんは会うことは無いかもしれないですわ。覚えておいてもいいですわね。」
「はい。」
会話をしながら移動すると生地が置いてある場所に向かう。表通りには数点の生地屋さんがあったのだ。
しかし。
「あれ? あまり量が置いてありませんわね。」
「ああ。あんたら来訪者か? マジックシルクワームがないからほとんどの生地はもう服屋が買ってしまったよ。」
「そうなんですね。」
「まあシルクがふんだんに届いたらすぐに生地にしてやるよ。」
「わ、わかりました。」
数店舗を見たが、全部ほんの少ししか生地が置いてなく、出た生地は粗悪品を残して服飾師が買ってしまうのだ。粗悪品を買う気はなく、ベンチで休みながら今後のことを話すことにしたのだ。
「そういえばこの町の人はシルクを取りに行かないんですか?」
「ああ。そのことですか?今第四の町で何か起きているみたいですのよ? なので優秀な冒険者はみんなそちらのほうへ救援しにいったようです。」
「え? 全員ですか?」
「いえ。残りの人は工場に雇われて北に行ける人が居ないみたいですの。」
「すごい問題ですけど…。」
「なので来訪者にもお願いをされているんですのよ? わたくし達はアルテラとキルケーは嫌がっていますが、アーサー様は何度か納品していますのよ?」
「供給がまだまだ足りないんですね。」
「ええ。アーサー様が通常の冒険者100人の納品をしたとしても、あっという間に使いきれます。西の王都や南の港町へ攻略を進める人がほとんどですから。」
「なるほど。私は北の虫を倒すことにします。」
「いいんですの? 結構気持ちが悪いんですのよ?」
「そうですけど。生地が作れなくて悲しそうでしたし。」
「そうですか…わたくしもそろそろアーサー様のほうに戻らないといけないのですけど。大丈夫ですの?」
「ええ。やれるだけやってみます。」
ティニーとの冒険はリンネルの町まで来たところで終わることになった。アーサーがそろそろ港町へ行くためのボスが倒せるからとのことだった。今回でダンケルの町のことが知り、リンネルの町まで行くことができ、ここでもやることができた。
ウルがリンネルからオブロンに帰ってホームで休んでいると、メッセージが届いた。
【ジャンヌ:久々に遊ばない?】




