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犬飼さんは目立ちます!!  作者: 猫踏み三年
第五章 犬飼さんは友達を作ります

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第9話 テイマーギルド

 中に入ってみると中は魔法で大きくなっているなどなく、カウンターがある小さな部屋しかなかった。


 カウンターの向こうには屈強なドワーフが立っており、ウルたちを一瞥していた。


 ティニーはウルの後ろでにっこりするだけなので、ウルは意を決してそのドワーフの男に話しかける。


「あ、あの~。すみません。」

「あ?謝ることでもあるのか?」

「え、い、いいえ。」

「ムイ様、この場合はお伺いを立てるときに使う言葉ですわ。」

「おう。そうならいいが。それでお前はここに何しに来たんだ。」

「テイマーとは違うんですけど…テイムは持っているのでこちらに。」

「ほう。その肩に乗っている…聖獣か!??」

「聖獣ですか?狛犬ですけど。」

「ふむ。巫女ってことか。この近辺で真なる神社を作るとはやるじゃねーか。狛犬も聖獣見習いだから俺が見間違ったんだろう。」

「聖獣ってそんなに凄いんですか?」

「もちろんだ。聖獣というのは破邪の力を持ち、人並みの知恵を持つ悪魔や魔族に対抗できる動物だ。」

「なるほど。ホーリーベアという聖獣を見たことがあったんですけど。」

「ど、どこでだ?」

「え?えっと~。」

「最近私たち来訪者がどこかへ行ったことがありましたでしょ?その時の島に居たんですの。」

「なるほど。島がモンスターや魔族に汚染されていないのは聖獣が居たからかもな。」

「それに聖樹さんも居たんです! すごく大きかったです。」

「聖樹だと?俺の範囲ではないが、後で農業ギルドに話しておくか。」

「凄い木だと思っていたんですけど。そこまで重要なんですか。」

「おう! 聖樹が育てば小さな町が維持できる結界が張れるからな。それに土と植物が各段に上質に、そして早く育つんだぞ?」

「そ、それは凄い力を持っていますね。」

「まあな。聖樹より凄い神樹はアークウッド大森林にあるんだぜ? 神樹のおかげでエルフと獣人は魔王の大進行の時に軽微な被害だったようだ。」

「神樹は育てられるんですか?」

「うーん。聞いたことないな。聖樹は大仙人と呼ばれた人が育てたことがあるとか? まあ神樹を育て上げることができるのは神様位だろうな。」

「そうなんですか。」

「おいおい、ずっと聖樹の話ばかりじゃなくてモンスターの話をするぞ? お前の仲間は他に何がいるんだ?」

「ワン太と。あとはチラリンと…」

「違う違う。名前じゃなくて種族のほうだよ。」

「あ…ポメラニアンの狛犬に、チンチラのカーバンクルに聖騎士牛とホーリーミニベアです。」

「見事に聖獣見習いだらけだな。聖騎士牛くらいか? 違うのは。」

「アルデはとても強くてかっこいいです。」

「ああ。すまんすまん。聖騎士牛は味方の危機を何度も救った徳の高い牛しか進化できない特殊進化なんだ。テイマーでも仲間にできているのは少ないんだぜ?」

「凄いですわね。ウルさん。」

「私じゃないですよ。仲間のみんなが凄いんです。」

「そうだな。テイマーは一人の力じゃなくてみんなの力で強敵にも打ち勝つんだ。伝説のテイマーも初めてテイムしたモンスターはわかるか?」

「えっと。ウルフとかですか?」

「ドラゴンですわ。」

「違う。畑に居た芋虫だ。凄いだろ。」

「え? 芋虫なんですの?」

「大きな蝶になったんですか?」

「おう。何年も掛けて育て上げたのか。最強のバタフライになったと言われているな。なんの種族かは明らかになっていないんだ。子孫しか知らないだろうな。」

「ワン太達ももっと強くなりたいのかな?」

「わからないですわ。でもあなたとずっと居たいと思っていそうですわね。」

「そうだな。肩に乗って寝ている雀も本来なら相当警戒心が高いんだ。そのすずめが肩に乗っていても安心できるって相当だ。」

「ありがとうございます。」

「よし。職業のテイマーではないが。ギルドマスターとしてウルのギルド加入を認めるぜ。ほら。」


 ムイはカウンターでギルドカードを作っていた。ウルはギルドカードを受け取った。その瞬間ギルドカードは大事なものという欄に消えていった。


「えっと。ここでは何をしたらいいんですか?」

「どこでもそうだが、戦闘ギルドであるテイマーギルドではテイムモンスターを使ってモンスターを倒したり、生体調査、新しいモンスターの発見などを報告してもらうクエストがあるな。」

「なるほど。」

「冒険者ギルドと違ってクエストは俺が個人個人に渡す。クエストの報酬はテイムに役立つアイテムや冒険者ギルドよりは高価なGを渡す。」

「はい。」

「とりあえず。ウルにはこれを渡しておく。依頼を受けるか?」

「えっと…テイムモンスターの調査報告書ですか?」

「そうだ。テイムモンスターのことをよく知るべきだと全員に渡す最初のクエストだ。ウルは仲間のことを良く知っているだろうが。調べようと思ったら新たな発見ができるかもな。」

「やります。期限はいつまでですか?」

「まだ決めていないんだが。ひと月の間にしておくか。」

「わかりました。」

「ムイさんありがとうございます。ティニーさんにこの町を案内してもらうのでこの辺で。」

「ああ。そうだ。テイマーのアクセサリーを作ってくれるやつが居るからここに行くといい。この手紙を渡したら話は聞いてくれるはずだ。」

「はい。今日は色々教えていただきありがとうございました。また来ます。」

「おう。待ってるぜ。」

「ありがとうございますわ。ムイ様。」

「おう。アーサーに来いって言っておけ。礼も言えなくて気持ち悪いんだ。」

「はい。しっかりお伝えしておきますわ。」


 ウルたちはムイに別れを告げるとテイマーギルドから出るのだった。


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