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始動

 目を覚ますと、そこはいつもと変りない自室だった。理沙は先程まで見ていた奇妙な夢を思い出しつつ、身支度を整え、いつもより少し早く家を出た。

「あれ、あの子スマホ忘れていってる。」彼女の母親は珍しそうに呟いた。

 歩いていると、そこには昨日の占い師がまた店を出していた。

「こういうのって店っていうんですか?」

「いえ、店ではないですよ、机を置いてるだけなので。ところで、鏡の効力はいかがでしたか?」

「そう、そのことなんです。これを枕元に置いたら、変な夢を見たんです。他人の時間で生きるとかなんとか…」

「はいはい、それで、一番肝心なあなた自身を見るということは出来ましたか?」

「…あの夢の中に出てきた人は、自分のことをもう一人の私だと言っていました。」

「人間は精神的、肉体的に極限状態に追い詰められた時、幻聴が聞こえるといいます。これは天の声でもなんでもなく、実はその人が内心で思っていることが声となって聞こえているのです。これを思考化声と言います。時に人間は、他者の心だけでなく、自分の内面の世界を豊かにし、自己との対話を試みることが大切なのです。もし理沙さんが今回の件で自分を知ることが出来たのなら、次は自分が何をしたいのか、どんなことが出来るのかを考える段階ではないですか?」

「私の夢の中、何にもない暗い空間が広がってて、結局何にも持ってないタダの空っぽな人間で、だからこれからは他の人の時間も自分の時間も、大切にして、自分が“楽しい”って思うことを始めようかなって思いました。」

占い師は「それは良かった。思い立ったが吉日とはまさにこの事。では、」といって手を差し出した。理沙なんのことかわからずキョトンとしたが、すぐに

「あ、そうですよね、これお返しします!いろんなことに気づけてほんと良かったです!ありがとうございました!」と言って手鏡を手渡すと、始業時刻が迫っていることに気づき、急いで駆けていった。

「…手数料、貰いたかったなあ…」そう言ってふと手鏡を見ると、鏡の中の占い師は嘲笑うようにニヤニヤとしていた。

 今日はいつもよりなんとなく集中して授業を聞くことが出来た。理沙はいままで足を踏み入れたこともない学校の図書館で課題を済ませた後、忘れ物を取りに教室を訪れると、そこには佐々木がいた。ためらいはあったものの、理沙は

「今まで、図々しく課題見してもらってごめんなさい。」と謝罪した。

「いやいや、そんな謝ってもらうようなもんじゃないよ」と突然のことに驚く佐々木。ふと机の上を見ると、そこには見慣れないものがあった。

「漫画、描いてるの?」と聞くと、佐々木は慌てて隠そうとしたが、見られてしまったものは仕方がないため、

「ハハ、そうなんだ、昔から絵を描くのが好きでね、漫画読んでたんだけど、自分でもやってみようと思ったら面白くてさ、今度新人賞に出してみようと思ってね、」と顔を赤らめながら語り始めた。

「でもやっぱ漫画って一人で描くの大変でさ、このままじゃあ間に合わないかもってことで居残ってやってたんだ。」と語り終えると、理沙は目をキラキラさせて言った。

「その漫画、あたしにも手伝わせてくれないかな!?」

「えぇっ!?もちろん助かるんだけど、斉藤さんこういうの好きなの?」

「好きだよ!佐々木君はどんなん読むの?てかこれ読ませてもらっていい?」

「いやーっちょっと待って!!恥ずかしいから心の準備が!!!」

窓の外では校舎が夕日を浴びて輝いていた。 “楽しさ”が、始まろうとしていた。

初めて小説を書きました。これは元々漫画で描いてみようと思ったのですが、画力もないし絵担当の人も当然見つかるわけもないのでこういう形でお見せすることになりました。漫画でしかできない表現、小説でしかできない表現、出来ることの違いを知ることが出来て勉強になりました。

作画担当の方、お待ちしております。一緒におもろい漫画作りましょう。

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