#07君の中の庭
【あらすじ】
第七章。
少しずつ、見えていた世界が変わっていく。
同じ場所。
同じ時間。
同じ日常。
それでも、心の中に生まれた小さな光は、もう昨日までと同じではなかった。
これは、答えを探す物語。
そして、自分自身と向き合うための物語。
第七章
教室の中。
いつものように時間が流れていた。
友達の笑い声。
先生の声。
窓から入る光。
昨日までと変わらない風景。
でも。
私は、前のようには、何も考えず笑うことができなくなっていた。
首の後ろに触れそうになって、手を止める。
そこには、小さな赤い光がある。
誰にも見えていない。
でも、私にとっては、いつも頭の片隅にある大きな存在だった。
「リビア。」
振り返る。
ミカエルだった。
「最近さ。」
少しだけ、迷うような顔をする。
「…私に、何か隠し事してるでしょ。」
胸が、跳ねた。
「えっ….?!」
ミカエルは、少し慌てたように笑った。
「いや、責めてるわけじゃないよ。」
少し間を置いて。
「でも、なんか分かる。」
「前と、違うから。」
私は、何も言えなかった。
ミカエルは、私の顔を見る。
「ずっと、考え込んでるし。」
「話しかけても、時々遠く見てるし。」
図星だった。
でも、言えなかった。
種のこと。
赤い光のこと。
自分でも、何が正しいのか分からなくなっていること。
「…ごめん。」
やっと出た言葉は、それだけだった。
ミカエルは、少し困ったように笑った。
「謝らなくても、いいよ。」
少し間を、置いて。
「ただ、もし、何か悩んでるなら。」
「いつでも、言ってね。」
「無理に今、言わなくてもいいから。」
その言葉に、胸が少しだけ軽くなった。
ミカエルは、それ以上聞かなかった。
秘密を、無理に聞き出そうとはしなかった。
ただ、いつか私が話せる時まで、待ってくれている気がした。
放課後の時間。
私は、一人で帰った。
いつもの道。
いつもの景色。
でも、最近は、全部違って見えた。
種を持つ人。
種を取り除いた人。
何も知らずに、暮らしている人。
みんな同じ世界に、いるはずなのに。
もしかしたら…見えているものは、まったく違うのかもしれない。
家に帰ると、ハルが庭からこちらを見ていた。
白い犬。
青い月の夜も。
赤い光を持つ私を見ても。
ハルは、何も変わらなかった。
尻尾を振る。
いつものように、近づいてくる。
「ハル。」
名前を、呼ぶ。
すると、嬉しそうに私の手に顔を寄せた。
私は、少し笑った。
「怖く、ないの?」
もちろん、答えは、返ってこない。
でも、その姿を、見ていると。
少しだけ、思った。
もしかしたら。
変わることと、失うことは。
私が、考えている以上に、同じでは、ないのかもしれない。
いつの間にか、夜になっていた。
私は、机の前に、座った。
今まで、調べた資料。
種について、書かれた記録。
弱い光を、持つ人たちの記事。
全部を、並べた。
そこには、たくさんの答えのようなものが、あった。
でも、どれも私の答えでは、なかった。
危険だから、取る。
守るために、取る。
未来のために、取る。
どれも間違いでは、ない。
でも、私は考える。
もし、誰かにとって大切なものが…別の誰かには、不要なものだったら…それを簡単に失わせていいのだろうか。
ふと、鏡を見る。
首の後ろの赤い光。
小さな星。
綺麗だった。
怖かった。
でも、それだけではなかった。
私は、そっと触れる。
「あなたは…誰なの?」
もちろん答えは、ない。
ただ、そこで静かに光っていた。
その夜。
私は、夢を見た。
広い庭。
たくさんの、小さな光。
赤。
青。
白。
色も形も違う光が、静かに咲いていた。
誰かの、光。
誰かの、記憶。
誰かの、大切なもの。
その、庭の中で。
私は、自分の小さな光を、見つめていた。
目を覚ます。
朝だった。
夢の内容は、ほとんど覚えていなかった。
でも、ひとつだけ残っていた。
種は、ただ消すものでは、ないのかもしれない。
そして、ただ守るものでも、ないのかもしれない。
大切なのは、
その光と、『どう向き合うか』なのかもしれない。
私は、まだ答えを知らない。
でも、初めて思った。
この種を、持った自分も。
この光を、怖がっている自分も。
全部、私なのだと。
それだけは、今の私にも分かった。
窓の外を、見る。
朝の光。
静かな庭。
ハルが、こちらを見ていた。
その姿を見ながら。
私は、小さくつぶやいた。
「私の中には、何があるんだろう。」
その時、なぜか赤い光が鏡の中で静かに揺れた。
※本作品は、AIを創作パートナーとして迎え、対話を重ねながら制作しています。
【あとがき】
光は、いつも同じ色ではない。
見る人によって、
感じるものによって、
その意味は変わっていく。
この庭に咲く光たちは、
いったい何を伝えようとしているのか。
まだ、答えは見つかっていません。
けれど。
小さな光を見つめ続けることで、
いつか見える景色があるのかもしれません。
次の庭には、
どんな光が待っているのでしょうか。




